失ったもの
アーサーが目を開けるとそこは
「ここは・・親父の別荘?」
「ここでよく遊んだよね、兄さん」
「ヒルマ!?」
「すまない、あいつに少しの時間だけ魔術が解かれいるんです。これが終わればまた兄さんに襲い掛かるでしょう。だから、その前に僕を殺して」
「馬鹿野郎!!俺は・・俺はお前を助けに来たんだ!」
「昔から兄さんは変わりませんね。でも時間がありません!僕より、ヨファルを・・・ヨファルを助けてください。」
「何言ってんだ!二人とも助けるに決まってんだろ!」
「時間がないんです!ヨファルが呑み込まれる前に急い・・グゥ!」
頭を押さえるヒルマ
「は・・や・・・く・・ぅぅぅうわぁぁぁぁぁぁ!」
ヒルマはアーサーに魔法を放つ
アーサーはそれを躱す
「ヒルマ!目を覚ませ!」
「・・・・・」
アーサーの声はヒルマに届くことはなかった
ヒルマの魔法は次々とアーサーに襲い掛かる
しかし、アーサーは決して剣をヒルマに向けなかった
全身に攻撃を浴び意識がもうろうとしても、弟に・・ヒルマに剣を向けなかった
そして剣を落とすことはなかった・・・
数年前
「兄さん、今日はどこに行っていたんですか?」
「えっと・・いろいろあったんだよ・・・いろいろ」
「はぁ、兄さんは長男なんですよ。次期国王なんですからもっとしっかりしてください」
「国王ならヒルマ、お前がやれよ。俺はお前みたいに頭も良くないしさ、魔法だってお前のほうが上手だし・・・」
「・・・何言ってるんですか?僕は兄さんが国王になってほしいですよ。」
「なんでだよ?」
「だって、僕の兄さんでしょ?」
「何だよ、それ意味わかんね」
「兄さんは僕の憧れですから、僕のヒーローですから」
「そうだよ・・俺はお前のヒーローだからな・・・絶対、助けてやる!」
「もういい、兄さん」
「ヒルマ??」
ヒルマはアーサーに笑いかける
「もう、十分です」
動けないアーサーの手を取る
そして剣先を自分に向ける
「おいっ!何してんだ・・やめろ」
「約束してください、必ず救うと・・ヨファルを止めてください例え・・・・でも兄弟です」
剣がヒルマを貫く
「ありがとう、兄さん」
「ヒルマ・・・ヒルマァァァァァァァァ」
世界が崩れる
アーサーの周りの景色が壊れていく
薄れていく意識の中で、思い出す幼かった頃の日々
兄弟三人で遊んだ日々
「くっそぉぉぉぉぉ!」
冷たくなったヒルマを抱えてアーサーは叫んだ
ひたすら空に向かって
「ふふふ、面白いわね」
「チャクラァァ」
「あらら、怖い顔。でも駄目ね」
チャクラの足元にはジョウカが
「ジョウカ?生きてるよな?」
「生きてるわよぉ、でも・・今から死ぬのだけどね」
チャクラがゆっくりとジョウカに手をかざす
「やめろ、やめろ!」
アーサーの体を光が覆う
「アーサー私がやります、あなたはもう限界です!・・・あなたの思いは私が叶えます!だから・・叫びなさい、私の名は」
「・・・ムロウ!!」
刹那、チャクラの右腕が斬り飛ばされる
「ヴグゥ!・・・来たわね、ムロウ」
「あなたを・・・殺します・・」
チャクラの周りに光の陣が現れる
「こっ、これは!?」
「断罪の間、ここではあなたは無力」
「うっ、動けない。こんな、こんなことで・・」
「放っておいても死にますが、とどめを刺します。アーサー、あなたの思いを込めなさい。私はあなたの力になる!」
「俺は・・これ以上、仲間も!大切な人も失いたくない!」
アーサーの剣が光り輝く
「やっ、やめろ!」
「アーサー、あなたの思いを!言えなかった気持ちを!込めて!」
「セイント!!」
アーサーの剣から発せられた光がチャクラに触れる
その瞬間、チャクラの体が消えてゆく
まるで浄化されていくように
「終わったのか?」
「ジョウカ・・・大丈夫なのか?」
「おかげさまでな」
チャクラが消え、門から大量の魔物が出てくる
「っく!」
「動くな、今は休んでろ」
「しかし!」
「ここはSランクとして俺が守ってやるよ」
「ジョウカ・・」
南門でも乱戦が始まる
セイント・・エヴァンス王国国王のみが使える技
テストのため遅くまりました申し訳ございません




