エヴァンス王国と帰路にて
エヴァンス王国
「では、これより王座の儀やわ行う」
重々しい空気の中、ラグス国王が宣言する
「やはり長男のアーサー様にするのが無難かと…」
「いやいや、やはりヒルマ様の方がしっかりしてるだろう」
あーだ!こーだ!
貴族たちは議論しあう
ドンッ!
ラグス国王が杖を突くと議論が止まる
「やはりアーサーとヒルマで別れるか…」
未だに城下に下りて国民と触れ合いを楽しんでいるアーサー、城で勉学に励み外交力もあるヒルマ
「…………やはり国民の信頼があるアーサーか…」
しばしの静寂
ラグス国王は立ち上がり宣言する
「第48代目のエヴァンス王国国王は長男のアーサーとする!そしてヒルマを右大臣とし、国王の補佐役とする!」
その夜
「そうですか、兄上が国王ですか…」
「ヒルマ兄さん…」
「ヨファル、私は不服ではないですよ、これからも兄上を支えるだけです」
「では、失礼します」
「うん、おやすみ」
廊下
ヨファルは自分の部屋に向かっていた
「僕は候補にもならなかったのに…」
自分だって外交などもやってきた
しかし今回、自分は何の役職も無かった
「ちょっぴり悔しい…かな」
窓から見える城下
「なかなか、いい悪じゃん」
「っ!誰!」
振り向くと自分の影から誰かが出てきた
それは黒い人の形をしたもの
「三男の王子様かぁ~、うん、いいね!なかなかの負の感情」
「何を言ってるの?」
「自分は認められなかったんだよなぁ、そりゃ悲しいよな。兄貴達は認められてるなのに自分は認められなかった、ならこんな国お前の物にしないか?」
「えっ?」
(何を言ってるんだ?この人は?この国を自分の物に?そしたら父様や兄様も認めてくれる)
ヨファルは闇に飲まれて言った
黒い人の形をしたものは、ヨファルを飲み込み姿をヨファルに変える
「これからは俺がお前だ、仲良くしようぜ」
帰り道
「コール、村にかえったらどーするんだ?」
「取りあえず薬を届けて、シファの所に行かないとな」
「あの飲み屋か!うちも行くで!」
そう言えば村に戻るのも久しぶりだなぁ
ブラッド、元気にしてるよな?
「それより、今日は野宿すんか?行きとは違う道やけど…」
確かに今、俺達は山を登っている
行きは森を通ったのだが…
「ああ、それは銀と白を運動させるためだ、まぁそろそろいいか」
コールが剣を抜くと
銀と白が現れる
「久々に走れるのかの!?」
「こっちは体力有り余ってるてぇの!」
銀と白は体を伸ばす
「ミユ、優ここから山の頂上まで競争だ、最後の奴は昼飯を作る」
「ええで!」
「わかった」
「では、初め!」
三人と二匹が魔歩を使いその場から高速移動する
さて、勝負の結果は……
「はぁはぁ、お前ら!速すぎだろ!」
優が最後
一番はコール、二番は銀、三番にミユ、四番に白
「やっぱコールは速いなぁ」
「ミユも白に勝ったのか」
「今日はあれじゃ!調子が悪かったのじゃ!」
「次は銀やなぁ、すぐ抜いたる!」
「出来ればな」
「言うたな!」
「俺の話聞けよ!お前ら速すぎなんだよ!」
「「はよぉ昼飯作らんかい!(作るのじゃ!)」」
こうして、ほのぼのと帰路に着いたのだった




