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なぁ、お前はいま、誰を見てるの?
いい加減、俺だけ見てろよ。
最近は二人とも毎日忙しくて、
一緒にいる時間なんてめったに取れなくて。
1ヶ月くらい逢えない日が続いていた。
たまたま休みがあった今日。
一人暮らしの和也んちにおじゃましてます。
俺は仕事はショップ店員してます。
よくスカウトなんかされちゃうくらいの顔みたい。
和也の仕事は、雑誌の編集者。
和也は業界では結構有名みたいなんだけど、
俺はあまり雑誌なんか読まないからよくわからない。
和也は疲れてるのか、一緒にいてもよく寝る。
そんなとき寝言で言うんだ「・・・夏葵」
気になってたけど、今まで聞けずにいた。
俺が2番目だってことくらいわかってたから。
テレビを見ながら一緒に寝転がっていた。
いつのまにか寝てたみたいだ。
目を覚ますと俺のとなりで和也は寝ている。
「・・・夏葵・・」まただ。
「誰だよ、夏葵って。和也ぁ。俺のこと好き?」
和也の寝顔にぼそりとつぶやいた。
それから何分かたって和也が目を覚ました。
「さっき和也さぁ、寝言いってたよ」
「えっうそ。なんて?」
困った顔をして俺をみてる和也。
可愛いなって、思っちゃったりして嘘ついちゃった。
「安亮ー愛してるーって。」
「絶対嘘だわ。いい夢見てたのに台無しっ」
いい夢?なんだよそれ、、
他のやつといちゃいちゃする夢がいい夢かよ
しーんと暗い沈黙が続いた。
「和也ぁ。・・・俺のこと、すき?」
「えっ。急だね、どしたの??」
な。すぐ答えらんないだろ。
「夏葵って、誰?」
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