第二話 真実
相野谷 緋莉
小柄な体に髪型はショートヘアで少し茶色っぽい色をしている。
性格は、明るく女子にも男子にも人気でクラスの人気者である。
見た目は綺麗というよりも可愛い部類である。
碧透的には好みのタイプだった。
(昨日見たのはなんだったんだろう?)
碧透が気づいた時には家で飯を食べていた。
(あの出来事がすべて夢だったとでも言うのだろうか?)
しかし、夢にしては妙にリアルだったなと碧透は思う。
(相野谷に聞いてみるか?)
と、思ったがもし夢だったとしたら変人扱いされそうでやめた。
碧透は、変わった名前ということでクラスの中では結構目立つほうだったが、
緋莉とはあまり話したことが無かった。
放課後、眠い目をこすりながらもやっと授業が終わったという達成感に浸っていた。
すると、後ろから話しかけられた。
「やってきました!!今週のスーパーお悩み中ボーイ・・・・瑠璃垣ぃぃぃっ碧透ぉぉぉっっ!!!」
訳のわからんことハイテンションで叫んでくるのは、
碧透の親友の高杉 優里だ。中学からの付き合いである。
身長は普通大きくも無く小さくも無いが碧透よりは大きかった。
金髪で、いつもテンションが高く訳の分からないことや寒いギャグなど
碧透にかましてくるので、そのおかげで碧透のツッコミのレベルは高いものとなっていた。
「なんだい?スーパーお悩み解決団、団長、高杉優里くん?」
「もう、なんだよ~。折角相談に乗ってやらないこともなかったかもしれないのにさ~」
「ハイハイ、お気持ちだけ受け取っておくよ。だから、もうやめろ」
と、少しきつく言ってやると、優里は少し残念そうな顔で
「分かったよ。じゃあ、俺、用事あるからまたな~」
と去っていった。
(あいつは相変わらずだな・・・・)
そこへ、また誰かがやってきた。
碧透の幼馴染 咲川 弓乃だった。
幼稚園のころからずっと一緒だった。
身長は緋莉よりも少し高い程度で、髪の毛は銀色の長髪である。
あまり感情を表情に出さない。
おっとりとしているが、口調は淡々としている。
凛とした美しさの中に、可愛さを兼ね備えている。
よってクラスの男子にも人気である。
「アオト、今日は様子がヘン。大丈夫?ユーリも心配してた。」
「ああ、心配してくれてありがとな弓乃。大丈夫だから先に帰っててくれないか?」
と言うと、弓乃はうなずいて去っていった。
少しの間、碧透は考え事をしたあと昇降口へと向かうため教室の扉を開けた。
「うん?」
(今、教室からでたはずだよな?)
しかし、教室の扉の向こうにあったのは見たことも無い小さな部屋だった。
「どうなってんだ?これ」
と言いながら、中に入ってみるといきなり扉が閉まってしまった。
「やっべ・・どうしよう?開かないんだけど」
ガクンッ
すると、部屋全体が揺れたような気がした。上に向かって部屋全体が昇っていっているようだ。
「これ上に向かってるのか?」
チーン
という、音とともに動きが止まる。
「着いたのか?」
扉がゆっくりと開く。
そこには、教室があった。
「うん?」
碧透は一体何なんだ?と辺りを見回す。
「碧透くん、いらっしゃーい♪」
そこに居たのは、相野谷 緋莉だった。
普段教室で見る緋莉だった。
「えっ?なんで相野谷がここに?」
「緋莉でいいよ。今日、キミをここに呼んだのは私なの」
(もしかして、昨日のことが・・・・・)
と、碧透は考える。
「そ、キミの考えているとおり昨日のことについて話があるの」
(やっぱりかー!!!!)
「ああ、昨日のことについて話すのはかまわないけど、その前に聞きたい事がある」
「なに?」
「ここは一体なんなんだ?あと、相野谷じゃなくて、緋莉は一体何者?」
すると、緋莉は一瞬だけ考えたような素振りを見せた。
「そうだね。まずはそっから話そうか」
「私は、あの化け物を狩る者。私たちは、自分たちのことを『タイムハンター』と呼んでる。」
「タイムハンター?」
「うん、そしてあの化け物のことを「時空残骸」と呼んでる。」
「待て、じゃあ何でその「時空残骸」一体何なんだ・・・?」
「それを、話すにはちょっと長くなるよ。OK?」
そういうと、彼女は碧透の顔を覗き込むように顔を近づけてきた。
(・・・おい・・近いよ・・)
それにしても、可愛いなと碧透はこんなときでも思ってしまう。
そして、顔を離すと話し始めた。
数十分後
「ちょっと待てよ。頭ん中整理するから」
緋莉の話を整理すると、
まず、未来ではタイムマシンが完成された。ただし、過去にしかいけないものである。
しかし、政府はそれを歴史を変えることはならないと、
安易に使用するのを禁じた。
だが、それを悪用し過去を改変しようとする者が居た。
そして、それは実行されてしまった。
しかし、そのタイムマシンは実際にはあまり使用した例が無く
開発者たちにも、何が起こるかわからなかった。
しかし、実際に何も未来には影響が無かった。
それも、そのはずであり、たとえ誰かが過去を変えてしまっても、その時点で記憶が上書きされるからである。
例えば、人物AとBが居てAが過去へ行きBを殺害したとしよう。しかし、Aが元の時代に帰るとBは殺されたことになっているが誰も、不思議に思わない。人の記憶ごと世界が変わってしまうのだ。
だが、タイムマシンが悪用されている以上、開発者たちは絶対に過去が変わっていることを確信していた。
そのために、研究を重ねてついに時空の歪みを観測することに成功した。
その結果、犯人は捕まった。しかし、まだ問題が残っていた。
過去が変えられるとき、時空に歪みができる。その歪みは自動で無理やり再生される。
つまり、記憶の上書きのことである。
その時、とても巨大なエネルギーが発生することを開発者たちは観測していた。
そして、そのエネルギーの残骸は化け物や現象などなり、様々な時代へと移動し人々や動物、自然を襲い始めた。
おそらく、エネルギーが大きすぎるため暴走しているのだろう。と言われているらしい・
それが「時空残骸」の正体である。
「時空残骸」が人々や動物などをを襲う。すると、それだけで時空に歪みができ、再生されまた、「時空残骸」が生まれる。
それを繰り返していくとすべての時空は「時空残骸」であふれ
自分の周りの人間、大切な人、家族、そして自分自身さえも知らないうちに消えていってしまう
そして、いずれかは人間の文明さえなかったことになるかも知れない。
タイムハンターの目的はそれを防ぐことであり、緋莉もそのために戦っているという。
そして、この部屋は龍神学園高校にいるタイムハンターの集まる場所ということだった。
しかし、校内にはこんな部屋はないし、どういう原理でここと教室がつながっているのかを聞くと
未来の技術を使って、人工的に作った仮想空間だということだった。
そこに入れるのは、タイムハンターもしくは、許可を許された人のみだそうだ。
「大体の事情は分かった。しかし、いきなりそんな話されてもなぁ・・・」
(いくらなんでもスケールがでか過ぎる・・・未来とか言われてもなぁ)
緋莉は、少し残念そうな顔をして、
「まあ、そうだよね。信じられない気持ちも分かるよ」
「でも、これが現実なんだ」
と、緋莉は辛そうな表情見せた。
「そういえば、タイムハンターって他にもいないの?」
と碧透が尋ねる。
「ああ、タイムハンターっていうのは世界中にいるんだ」
「日本では、一つの高校に5~6人くらいのタイムハンターが居るよ」
「ちなみに、この学校には私のほかに4人」
と、緋莉は言った。
「そして、この世界の時空間の中に私たちの本部みたいなのがあって、そこのリーダーが未来からやって きて時代に、この出来事を伝えにきてくれたの」
そこまで緋莉が話すと、部屋全体に警報が鳴り始めた。
「出た。出撃ですぞ~碧透くん」
「えっ、なに?」
警報がいきなり鳴り出したため、驚きを隠せいまま碧透が聞く。
「だ・か・ら「時空残骸」だってば~」
と、当たり前のように緋莉が言う。
「う?まさか俺も行くカンジですか?」
碧透が恐る恐る聞いてみると
「うん、そうだよ~」
(まじかよ~!!!)
説明ばっかですいません
次回もこんな感じです。
説明ももっとうまく書けるようになりたいです。
今回はきりが悪いですが力尽きたので