第一話 すべての始まり
「ハァ・・ハァ・・・・」
碧透は追われていた。
それは、人ではなく化け物だった。
その姿は、 黒く、黒く、黒く、 まるで見ているだけで飲み込まれてしまいそうな闇、
いや、ゆらめく漆黒の炎のようだった。
その炎はゆらめきながら形を変えていた。まるで、アニメやゲームなどに出てくる死神のようだった。
碧透はとにかく、まずは全力で走って逃げていた。
しかし、所詮、普通の高校生である碧透の体力が限界に近づいていく、走るペースは衰え、
あまりの疲労に脚は重く感じるどころか感覚すらなくなっていた。
(とりあえず、誰かに助けを求めよう!!人の多いところだッ)
やっとの思いで繁華街に着き、他の人に助けを求めようとした。
そのとき、すでに辺りはすっかり暗くなっていたがまだそんなに遅い時間ではなかった。
「・・・おい・・嘘だろ!?」
目の前の光景に碧透は思わず立ち止まってしまった。
いつもならそこは、人で溢れ返るほど賑わっている繁華街だった。
しかし、だれ一人としていない。気配すらも感じられない。
碧透は孤独だった。
しかし、気がつくと碧透を追っていた化け物は居なかった。
誰かいないかとレストランの中へ入ると
店内は明かりも付いていて奥からは料理のおいしそうなにおいがした。
まるで、今まで人が居たかのような温もりが残されていた。
だが、誰一人として居ない。客も、店員も、誰一人として居なかった。
あまりにも、非現実的すぎる光景に碧透は頭の中がぐしゃぐしゃになっていた。
自分でもなにを考えているか分からない。
バリリッバリバッバリッツ!!ッシャッン!!
「えっ?」
なんと、店内の窓ガラスがすべて一斉に粉々に砕け吹き飛んだ。
碧透は頭の中が混乱していたため、一瞬何が起こったのか把握できなかった。
現れたのは、あの化け物だった。
化け物は、漆黒の炎のような影のような自分の体の一部を鋭い刃の付いた鎌へと変えていく。
その鎌も黒く黒く輝いていた。切れ味は言うまでもないだろうが相当なものだと碧透にも分かった。
(だめだ、もう完全追い込まれた。逃げ場なんてない)
そう思うと体中の力が抜け、床に碧透は崩れてしまった。
まるで、魂のぬけた抜け殻のようだった。
すると、化け物はゆっくりと漆黒の鎌を振りかぶった。
そして、勢いよく碧透の首目掛けて、大きく振られる。
ズバッッ!!
血が勢いよく飛び散った。
しかし、その色は・・・・・黒
碧透はゆっくり目を開けてみる。
すると、そこには刀で背中から一突きにされている化け物の姿だった。
化け物は、まるで風に飛ばされる砂のように消えていってしまった。
そして、化け物が消えていくと同時に化け物を刺し殺した人物の姿が現れていく。
すると、そこに居たのはよく見覚えのある顔だった。
それは、同じクラスの相野谷 緋莉だった。
化け物の返り血を浴び、真っ黒に服が染まっているその姿は普段教室で見かける
緋莉とは別人のようで恐怖を感じさせた。
しばらくの間、碧透は呆然としていた。
「瑠璃垣くん、大丈夫?」
緋莉にそう声をかけられハッとした碧透の目には普段通りの緋莉の姿が映っていた。
うーん、とりあえずこれで
お話には大きくかかわっていきませんが表現などはまだ僕には難しくてうまく出来ないものですから、随時修正していきたいと思ってます。