腹黒ヒロインの陥落
「レイラ譲、調査結果だがカナの無実が証明された!」
先日の断罪の場とはまるで逆、逆に窮地に追い込まれるレイラを前にルキは書類を片手に詰め寄る。
しかしレイラは顔色一つ変えず、涼しげな表情のまま。ノミの神経でも持ち合わせてるのかしら…?
悪びれる様子もなく私もルキも唖然としていると、レイラがまさかの被害者面。
「私は悪くありませんわ!!私も偽の情報に振り回された被害者ですもの!!」
おーい、被害者面ってマジかよ!?
「故意でないにしろ、貴方はカナの名誉を傷付けた事に変わりはない。」
ルキの低く響く声に、少し苛立っているのが伝わる。
「何を言っているのですの?私も騙されていたんですもの、カナ様と同じく被害者ですわ!全く意味が分かりませんわ!!」
あくまで自分は被害者、と押し通すつもりらしい。
私はルキに視線を向けると、彼はすでに得意げにニヤリと笑っていた。
「俺の調べでは、全ての元凶はレイラの仕業だと証言をもらっている。」
「はぁ??誰が言ってるのよ!今すぐここに連れてきなさいよ!!陰謀よ!!これは仕組まれた陰謀よ!!」
シラを切るレイラに、私は思わず苦笑。滑稽すぎる…
するとレイラの腰巾着3人娘が現れ、会場は一気に静まる。
「君達はカナに謝罪したいんだよね?」
ルキの言葉に神妙な顔の3人、私に目を向け揃って頭を下げる。
「「「カナ様、申し訳ありませんでした。今までの嫌がらせはレイラ様に命令され従ってまいりました。」」」
涙ながらに訴える3人を見ながら、私の胸は少し熱くなる。
本当に反省してるのか…?でも今の姿は、嘘じゃない気がする。
「私が許さないと言ったらどうするの?」
真っ直ぐ見つめる私に、3人は声をそろえる。
「覚悟はできています。どんな罰でも受け入れます。」
吹っ切れたように清々しい表情の3人。
対してレイラは、今にも殴りかかりそうな怒りと焦燥を募らせ、思わず叫ぶ。
「何を訳の分からない事をほざいてるのよ!!貴方達がカナ様に嫌がらせしたんでしょ?私は関係ないわ!!ふざけないでよ!!」
その瞬間、レイラが私に近づこうと駆け出す。私は思わず目を瞑る。
すると、レイラの行動を予知していたかのように、周囲の騎士たちが素早く彼女を取り押さえる。
泣き喚き、暴れるレイラに近づいたルキが耳元で静かに囁くとブルブルと震え、観念したようにレイラはその場に項垂れた。
な、何…?ルキの声って、ただの囁きなのに人の心を凍らせる魔力でもあるの…?




