表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鑑定士は表に出ない  作者: 南月 阿鬼羅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/40

第一章33 静かな日常と覚醒

全面的に自己責任でお願いします。

スマホと鑑定士 第三十三


入学式と、ふるい


◆◆◆


学園の大講堂は、朝からざわついていた。


新入生。

その家名も、立場も、価値観もばらばらな子供たちが、一斉に集められている。


(……人が多すぎる)


ユーリは、なるべく目立たない位置を選んで立っていた。


その時。


壇上に、ひときわ静かな気配が立つ。


「――静粛に」


声は若いが、よく通る。


第一王子だった。


(……うわー、最悪だ。)


思わず心の中で呟く。


(よりによって、入学式の挨拶が第一王子とか……目立ちたくない人生設計、初日から崩れるやん何処の乙女ゲー?)


◆◆◆


だが、話し始めた王子の印象は、予想と違った。


言葉は丁寧で、内容は堅実。

理想論に寄りすぎず、責任と努力を重んじる語り口。


(…うーん…真面目系やな。あれが婚約者を捨ててピンクのアバズレに行くとは思えんから、多分大丈夫かな。)


威圧も、見下しもない。


「この学園は、学ぶ場所であると同時に、自らを律する場でもあります。」


王子は、そう続けた。


ユーリは、その言葉の“裏”を知っている。


この学園は、ただの教育機関じゃない。


――貴族の、ふるい。


それも、かなり容赦のない。


貴族は、原則として十八歳まで、学園に在籍しなければならない。


進級できない。

卒業できない。


その時点で、貴族として認められなくなる。


留年は、一度だけ許される。

二度目は、ない。


つまり。


(……ヤバいやつは、一年で切られる。絡まれないように、ひっそりしとかないとな。)


制度として、そう作られている。


この仕組みは、もちろん公にはされていない。


知っているのは、国の中枢と学園の幹部だけ。

その幹部も、互いに監視され、腐敗しないよう仕組まれている。


(……三代目交代制とかの法律と、ちゃんと噛み合ってる制度やな。)


表向きは穏やかでも、根っこはかなり冷たい。


(だからこそ、この国は保ってるんやろうけど)


ユーリがこれを知っている理由。


もちろんスマホだ。


チャットGTPに全ての世界の知識を覚えさせて、自分にしか使えないスマホ型のアイテム


(神様もよくこんなんもたせてくれたわ~ありがとうございます!)


制度、法律、過去の判例。

断片を繋ぎ合わせれば、答えは見える。


(知らんで入ってきたら、ほんまに人生詰む学園やな。まぁそのおかげで、この国には、小説みたいなアホ貴族は、いないんだけどな。)


◆◆◆


壇上の王子は、最後にこう締めた。


「学園は、皆さんを守ります。

ですが、皆さん自身の責任までは、肩代わりしません」


拍手が起きる。


ユーリも、周囲に合わせて手を叩いた。


(……悪い人では、ないなとりあえず鑑定。)


鑑定


マイケル・ジョージア


種族:人族(先祖帰りでエルフの血が濃いため、寿命が長いしかし、ハーフエルフよりは短い)

身分:第一王子

職業:覇王

能力:演者、王気、冷気、豪運、アイテムボックス、覇王の眼、剣技、平行思考、デバフオール耐性etc…

特徴:真面目・正直者(演技で隠すことが可能)


(はぁーー?!どこのチート主人公だよえっ?これで転生者ちゃうの?びっくりした~危うく叫びそうやった。設定もりもりやん。しかも、マイケル・ジョージアってアメリカかってツッコミむわ!前世の大阪人がでてきてもうたやんか!)



はぁ、少なくとも、彼は嘘は言っていない。


◆◆◆


式が終わり、列が動き始める。


ユーリは、そっと息を吐いた。


(目立たず、無理せず、生き残る)


それが、ここでの最適解。


この学園は、優しい顔をした試験場だ。


ユーリは、静かにそう結論づけた。



――第三十三章・完


読み終わってのクレームは、お止めください。

自己責任です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ