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【プロットタイプ】車内ブラックボックス

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

地下鉄の何も無い、黒い空間が好きで。

飛び出したら、きっと知らない世界が広がってるあの感じが好きで。

家路に帰る途中、電車に乗る。すると意外と私はこの空間が好きなのだと思い知らされる。通勤の最中の車内ではない。休日の車内だ。窓から覗く真っ黒い空間や、横並びの座席に疎らに散った人々が、思いの外落ち着く。其れはきっと童心に帰っているからなのだと思う。

今でもそうなのだが、何処か遠くへ行く時に恐怖心がある。遠くへ行くだけ行ったら、もうこの場所には戻って来れないのでは無かろうか。帰り道が分からなくなるのではなかろうか。其れでも惹かれてしまうのはきっと、何処かの小説に紛れ込んだ気持ちになるからだ。

「今日は気が楽だったね」

返事はない。

「毎日の様に電車に乗って、何処かしら行くから忘れてしまったのだけど、私、車内の空間が結構好きで」

顔が此方を向く。

「なんか……夢を見ている気分になるから」

「夢?」

どうやら興味を持ってくれた様だ。だから私は今自分が感じた事を、そのまま瑠衣に話す事にした。瑠衣は今日の疲れもあってか、気怠げに私の話を聞いていた。しかし話を聞き終わると、視線を彷徨わせる。何か考えている様だった。

「電車がモデルの怪談とか、それなりに多いけどさ、その理由って自分で選択が出来ないからだと思う。行先は決まってるよ? だからその電車に乗ってる。

でも……乗車している最中は、選択権がほぼない。見知らぬ土地へと連れて行かれても、自分の意思で変える事は出来ない。だって走ってる電車からは降りれないし、線路変わっても其れに従うしかないし」

けれどもその不合理が、不自由さが、案外気に入っているのかも知れない。自分の知らない世界から直接干渉を受けている様で。

レールを滑るガタガタとした音がする。遠くで警笛の音がする。その無機質さが、自然界で発生する事のない機械音が、非常に心地好い。

「今度は遠くへ行こうね。私が知らない場所に」

「あぁ」

「そしたら、その景色を食べに行こうね」

「お前は変わった物言いをするな」

無機質な目が此方を向いていた。けれどもその中に興味関心が滲み出ていた。

地下鉄走行中の車窓風景が、ブラックボックスに閉じ込められたような感じがするので、このタイトル。


電車って、取捨選択が出来ない乗り物じゃないですか。

停車駅は決まっているけれど、本当にその場所に止まるかは分からないし。


自転車とか車とかって、自分の意思で運転して、その場所まで辿り着けますが、電車って乗ったら最後、停車するまで外に出られない。止まるのを、扉が開くのを待つしかない。

もし世界から干渉を受けて、別のところに連れてかれても、それに従うしかない。

だから『きさらぎ駅』なんて怪談がある訳で。

だからちょっと恐ろしくて、面白いなと。


筋肉がミシる音がする。

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