表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~  作者: 壱弐参
第二部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/327

第93話 収益

「お……おぉ……!?」


 明細書


 リザードマン(小)―16000円×487体=7792000円

 リザードマン(中)―20000円×364体=7280000円

 リザードマン(大)―24000円×201体=4824000円


 合計―――――――――――――――――19,896,000円


「な、なんだこれ……」

「カカカカッ! 6人組Cランクチームの総収入って感じだな!」

「ちょ、何見てるんだよ?」

「いーじゃねーか、減るもんじゃねーし」


 まぁ、翔がいなかったら、この魔石の言い訳が面倒臭かったけどな。

 がしかし、翔がいるからか八王子支部の皆が……目すら合わせてくれないのは気のせいだろうか?

 深夜だから良かったものの、相田さんに見つかってたら何を言われるか……。


「そんじゃ、俺様は戻るぜ! またな」


 そんな空気など意に介さず、翔は俺の胸にポンと拳を置き、去って行った。


「……筋は通すよな、アイツ」


 そう呟いた後、俺はまた明細書を覗き込む。

 明細書に顔が埋まる程に。


「むぅ……に、にせんまんえん、か……」


 この明細書を(みこと)に見せるのが怖い。

 ……が、見せなかったら見せなかったでまた怖い。

 Sランクの魔石ともなれば億をゆうに超えると聞く。

 勿論、あくまで天才への報酬の話だ。

 その魔石が市場に出回れば、100……いや200億の金が動くとか動かないとか……なるほど、KWN(カウン)の社長が欲しがる訳だ。


 ◇◆◇ ◆◇◆


 翌日、平日という事もあってか、俺が起きた時には、既に親父も(みこと)も出掛けていた。


「むぅ……」


 俺はまだ明細書を前に唸っていた。

 リビングのテーブルに置いたソレを、どう扱うべきか迷っていたのだ。


「へぇ……結構稼いだじゃん」

「はっ!?」


 俺と同じ目線、その先は明細書。


「な、なぜ四条さんがここに……?」

「おい護衛」


 四条さんにそう言われ、俺は昨日の出来事を思い出した。


「あ、そういえば……?」

「昨日からここに厄介になってる、どうも四条(しじょう)(なつめ)です」

「それはそれはご丁寧に……って違う! え、見ちゃいました?」

「見たし、コメントもしたよ。何だよこれなら返済すぐじゃん」

「今回は上手くいったというか事故というか……」


 そんな説明など聞いていないかのように、四条さんは明細書を覗き込む。


「てゆーか、この数やばいな。リザードマン1000体以上? Aランクの天才ですらやらないだろ」

「ノ、ノーコメントで……」

「まあ、あの上忍の男を倒した時、玖命の実力はある程度わかった」

「へぇ、流石は鑑定課ですね……」


 そう言うも、四条さんは不服そうな表情を浮かべた。


「あくまで一般人目線だからな。私は戦闘とか全然わからないんだから」

「そうですかね?」

「そうだよ。だからきゅーめーが必要なんだよ」

「そっか……うん、頑張ります」


 そう言うと、四条さんは顔を赤くさせ、慌て始めた。


「ひ、必要ってのは護衛としてって意味だからな! しっかり守ってくれる約束だろ! うん!」

「ははは、わかってますよ」


 その後の沈黙を嫌ったのか、四条さんはテーブルの上のリモコンを指差して言った。


「あ、テレビつけていい?」

「あ、どぞ」


 俺がリモコンを渡すと、四条さんは椅子に腰を落としてテレビをつけた。

 テレビがつくと、ちょうどお昼のニュースが流れていた。

 四条さんがチャンネルを変えなかったのは、テレビの下部テロップに天才の名前が書かれていたからだ。

 そう、最近までよく会っていた有名人の名前が。


『大手クラン【大いなる鐘】所属の水谷結莉(ゆり)さんが、天才派遣所よりSSランク――通称SS(ダブル)の認定を受けました。これまで水谷さんは【剣聖】として名を馳せ、数々の功績をあげてきましたが、SS(ダブル)にランクアップすると共に、【剣皇】への成長も公表――』

「――あー、水谷さん。遂に公表したのか」

「何だきゅーめー、知ってたのか?」


 逆に四条さんは知らなかったのか。

【魔眼】持ちなら水谷さんを視ていてもおかしくはなかったが……そうか。


「この前食事した時に……はい」

「鳴神翔といい、水谷結莉といい、Eランクの交友関係じゃないよな」

「あの人もまぁ……偶然みたいなもんですよ」

「凄い偶然もあったもんだな」

「この二つの公表が【大いなる鐘】の名前を更にあげる事になるんでしょうね」

「それもそうだけど、【大いなる鐘】が契約してる民間企業の株価にも影響が出るだろうね」

「かぶ……か?」


 俺の言葉に、四条さんは呆れたように言った。


「あのな、きゅーめー? 今やSランクのモンスターが出現した瞬間に企業が物理的に潰れる時代なんだよ。どの企業も大金をはたいて強力なクランとの契約を求めてる。で、今、日本で一番契約したいクランと言えば?」

「【大いなる鐘】ですね……」

「そういう事。大々的に【大いなる鐘】の戦力が増強された事が公表されたんだ。このクランと契約してる企業の株価が上がるのは必然だろ?」


 つまり、安全性が上がったって事か。

 凄い時代だ。クランが企業の株価をも左右するなんて……。


「円高にも影響あるんじゃね?」


 ……ホント凄い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓カクヨムにて先行掲載中↓
『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。
↓なろうにて連載中です↓


『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~』
おっさんは、魔王と同じ能力【血鎖の転換】を得て吸血鬼に転生した!
ねじ曲がって一周しちゃうくらい性格が歪んだおっさんの成り上がり!

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
[気になる点] ぼったくられてる リザードキングの戦闘貢献が無報酬だし タイマンの助っ人にダチを巻き込んだんじゃなくて、ボス討伐でチームを組んだのに
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ