↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~  作者: 壱弐参
第二部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/365

第78話 ◆四条棗の上申

「内勤ってのはいくつかの部署に分かれてて、情報部だったら鑑定課、調査課、発掘課、クラン調整課……まぁ、中では調整課って呼ばれてるか。この四つが情報部に属してるんだよ」

「クランの調整課なんてあるんだ」


 意外そうな命(みこと)の表情に、玖命も頷く。


「俺も最近まで知らなかった。でも、調べてみたら重要なポジションだったよ」


 玖命が説明すると、四条がふんと鼻を鳴らす。


「大手クランとの連携を主にしてるんだよ。門(ポータル)内のダンジョン情報、モンスター情報、クランメンバーの実力推移、新メンバー情報などなど」

「あー、天才から直接集める訳にもいかないのか」


 天才派遣所にも相田のように一般の人間もいる。内勤とはいえ、それは同じ事。

 特例があればその限りではないものの、天才個人から情報を集めていたのでは、数の少ない人員では情報をまとめる事は難しい。

 そこで、クランがまとめた情報を調整課に流す事により、情報の精査、取りまとめ、保管がスムーズになり、効率的になるのだ。

 これをすぐに理解した命(みこと)に、四条が玖命を見る。


「本当にきゅーめーの妹か? めちゃくちゃ物分かりがいいじゃないか」


 すると命(みこと)が四条にずいと顔を近づける。そう、答えたのは玖命ではなく、命(みこと)だった。


「本当にお兄ちゃんの友達? 私なんかよりお兄ちゃんのが凄いのよ」

「と、ととと友達な訳ないだろ!? なんだよ、お前、ブラコンかよ!」

「ブラコンじゃないよ。私は家族の中でお兄ちゃんを見て育って、大人になって、客観的にお兄ちゃんを見られるようになって、やっぱり尊敬出来る存在だと思ったから正当な評価をしているだけ。好きか嫌いかで聞かれたら……そ、そりゃ好きだけど……」


 言葉を濁し、紅茶を飲む命(みこと)を見て、四条は玖命に言う。


「きゅーめー。お前の妹、モテるだろ」

「この前も二人振ったらしいですね」

「付き合った後にか!?」

「付き合う前に決まってるでしょ! どうしたらそういう答えに行き着くんですかっ!」

「なら、告白を断ったって言うべきなんじゃねーの?」

「ぐ、それもそうですね……」


 玖命が押し黙った後、命(みこと)が再び口を開く。


「それで、発掘課っていうのは、何をするの?」

「え? まー読んで字の如くって感じだよ。天才の発掘。全国の天恵診断の情報をまとめて、カテゴリ別に分け、調査課に仕事を回すのが主な役割だな。で、鑑定課はその天恵診断の情報を元に就職の斡旋先をリストアップしたり、天才たちの人生プランを天恵毎に決めて、資料を作るんだよ」

「あ、お兄ちゃんの時もあった」

「戦闘系だと思われてたから派遣所しかなかったけどね。まぁ、実際正解だったけど」


 玖命の説明に四条が聞く。


「そういえば、きゅーめーが天恵を得たのは……?」

「確か……3年前、かな?」

「なるほどな」

「なるほどって?」

「一昨年、色々変わったんだよ。今なら場合によっては派遣所の内勤や事務の仕事に就けるぞ」

「んな!? そんな事聞いてないですよ!?」

「勿論、中高生から就職する場合だよ。派遣所の戦闘員から内勤に移すなんて事は、まあ難しいだろうね。戦闘が不可能になったってなら話は別だけど、そうなったらそうなったでそっちが優先されるから、どの道きゅーめーには今の道しかなかったって訳」


 つらつらと出てくる四条の言葉に、玖命が首を傾げる。


「何か……前回会った時より俺の情報増えてないですか?」

「い、いやっ!? そ、そんな事ないぞ!?」

「目が泳いでますよ?」

「こ、これは目の体操だよ! パソコン仕事ばかりで目が疲れてるからっ!」

「ふーん……ま、いいですけどね。どうせ、鑑定結果報告する時に俺のデータを見返したんでしょうし」

「わ、わかってるなら聞いてくるんじゃねーよ!」

「ところで」

「なんだよ!」

「ケーキ食べていいですか?」

「厚かましいなお前! もう食えよ! 好きなだけ!」


 玖命は胸元のポケットからスマホを取り出し、再生(、、)する。


『ケーキ食べていいですか?』

『厚かましいなお前! もう食えよ! 好きなだけ!』


 あんぐりと口を開ける四条。


「ノイズもないし明瞭ですね。ありがとうございます」

「どんな人生送ってんだよ!?」

「この前、水谷さんに奢ってもらった時も、実は相田さんに頼んで録音したんですよ。あの時はまだスマホなかったし」

「その年で……スマホを持ってなかった……!?」

「川奈さんもそうだったけど、そんな珍獣扱いされるもんなんですか?」

「珍獣レベルで珍しいよ! 道理で……だから資料に自宅の番号しか載ってなかったのか……!」


 すると、四条の発言に命(みこと)が反応する。


「……ふーん、そんなにお兄ちゃんの情報、調べたんだ?」

「か! かかかか鑑定課なんだから当たり前だろ!?」

「でも、お兄ちゃんの名前も知らなかったんでしょ? 最初」

「別にいいだろ!」

「会ってからお兄ちゃんに興味を持ったと」

「そ、それ以上言うなぁ!?」

「別に普通だよ。私の友達もそうだったし」


 友人の感性と同じと断ぜられ、四条は俯く他なかった。そして命(みこと)にそっとメニューを差し出し……、


「お前もケーキ食えよ……」


 話題を逸らす事しか出来なかったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓カクヨムにて先行掲載中↓
『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。
↓なろうにて連載中です↓


『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~』
おっさんは、魔王と同じ能力【血鎖の転換】を得て吸血鬼に転生した!
ねじ曲がって一周しちゃうくらい性格が歪んだおっさんの成り上がり!

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
[良い点] 命のお兄ちゃんに対するスタンスが分かっていくにつれて、やはりこの子ガチでは??という疑念が湧いてくる今日この頃 命の性格的に、ガチではあるけど世間体やら法律やらはちゃんと守る気があるんじゃ…
2023/12/15 21:46 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。