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天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~  作者: 壱弐参
第五部

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第266話 天才派遣所統括所長【荒神薫】3

「あ、えと……伊達玖命です。初めましてっ!」


 俺は荒神さんに深々と頭を下げる。


「今の話、聞いてた?」


 (むし)ろ、どうすれば聞かなった事に出来るだろうか?


「いえ! 聞こえませんでした!」

「まぁ聞いてたのは知ってるんだけどね」


 くすりと笑う荒神さん。


「えっと、さっき総理って……?」

「【川下(かわした)読男(とくお)】。これからどうしても避けては通れない相手だからね。ま、肝っ玉は小さいけどそこそこ人気もあるし、いざって時はキメるから。まぁ、悪い男じゃないよ」

「は、はぁ……あ、外で【中峰】さんが待ってたみたいですけど……」

「待たせてるんだから問題ないよ」

「防衛大臣なんですけど……」

「そもそも向こうが伊達との面会時間にアポ無しで来たんだ。今日の仕事が終わるまでは待ってもらわないとね」


 流石は日本支部の所長。

 この圧倒的な存在感は、かつて味わった事のないもの。

 越田さんとも、たっくんとも、山井意織さんとも違う。

 日本を背負(しょ)って立っている存在。

 そんな人が今、俺の対面に腰掛ける。


「今、お茶リクエストしたから」

「あ、はい。お気遣いありがとうございます。えっと……それで今日はどんなお話で……? 山井さんから色々相談があるかもしれないと聞いては来たんですが……」

「たっくんが? ふふふ、流石に私の事をわかってるね」


 凄い、本物のたっくん呼びだ。


「まずは何の話をしようかね…………うん、それじゃあ徐々に(さかのぼ)っていこうか」

「遡る……?」

「KWN重工、行って来たんでしょう?」

「え、はい。警備のついでに見学させて頂きました」

「あの銃、どう思うね?」


 荒神さんは、俺を見透かしているかのように聞いた。

 やっぱり凄いな、彼女はちゃんとわかってる。

 俺や川奈さんや翔が心に感じたモノ、脳裏に過ったモノ。


「あらゆる可能性を(はら)んでいるかと……」

「具体的には?」

「まず、一般人のモンスター討伐参加。これにより、多くの天才が多忙な任務から救われますし、有事の際は天才たちと協力してこれまで以上に迅速に対応する事が出来るでしょう」

「いいね、続けて」

「でも、一般人が戦闘に駆り出される(、、、、、、)という意味でもあると思います」

「……へぇ」

「訓練を積んだ人間であっても、凶悪なモンスターを前に命を奪われる。それが日常と化してしまう可能性」

「それが警察や自衛隊であってもかい?」

「えぇ。荒神さんも知っての通り、Cランクを超えるモンスターは、それまでのランクと違い、モンスターに……それこそ格のようなものを感じるようになります。この意図せぬプレッシャーに耐えうる人間は、ごく少数かと」

「ふふふ、Cランクで(ポータル)侵入やクラン創設を仕切ってる深い意図までわかってる。流石は無恵(むけい)の秀才。素晴らしいね」


 何の嫌味なく褒めるし、褒めながらニカリと笑うし、さっきの豹変を考えると……この人、かなりお茶目だな。


「他には?」

「銃を天才が持つ事による新たな可能性ですね」

「確かに。これまで戦闘の場に立てなかった天才が、立つ事が出来るようにもなるだろうね。特に【脚力(、、)】系の天恵持ちには、あの銃は非常に有用だろうね」

「あの銃、天才には?」

「勿論販売する予定だよ。悪用されないように、銃把(グリップ)に指紋・静脈認証システムを導入している。購入する際に登録が必要だから、本人以外は引き金を引く事が出来ないようになってる」

「でも絶対ではない」

「そうだね。店舗のシステム、果てはKWN重工が占拠でもされる可能性もある。凄いね、可能性がいっぱいだよ」


 言いながら荒神さんは肩を(すく)める。


「海外にも同様に?」

「販売方法は特殊だけどね」

「え?」

「完全事前予約販売制だね」

「……というと?」

「事前に指紋、静脈のデータをもらい、日本で登録。身元確認の後、購入者の送金後に輸送。どこの国の警察、軍、【GAS(ガス)】にもその旨は伝えてる」


Genius(ジーニアス) Agent(エージェント) Service(サービス)】――海外での天才派遣所の名称である。通称【GAS(ガス)】、若い人は【GAS(ジェス)】と呼ぶ人の方が多いかもしれない。


「どの国も喉から手が出る程欲しいだろうけど、日本の配備を優先させてもらってるよ」

「……それ、俺に言っていいんですか?」

宗頼(むねより)からは、「伊達くんになら、何を話してもいい」って言われてるんだよ」


 凄い、本物の宗頼呼びだ。


「まぁ、日本の優先配備に必要な量を、ある程度試算して必要数が完成したところで発表したからね。ここからは平等にいかせてもらうよ」

「あの銃を【はぐれ】が使う危険性についてはどうお考えなんですか?」

「ある程度実績を積んだ天才にしか売らないつもりではある。けれど、そういった偽装をしている天才には売られてしまう事実もある。だからこその本人認証システムさ」


 なるほど、確かに【はぐれ】の手に渡ったとしても1人の【はぐれ】が流せても数丁。不審な購入履歴は追及の材料となってしまうが故に、大きくも動けない。


「これでも絶対とは言えないのが奴らの恐ろしいところだけどね」


 荒神さんがそう言ったところで、お茶が届く。

 秘書の方がお茶と茶請(ちゃう)けを置いて去ったところで、荒神さんが言う。


「じゃあ、海老名の件を聞こうか」

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