表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~  作者: 壱弐参
第五部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

263/327

第260話 KWN重工4

「ちょちょ、ちょっと伊達様っ!?」


 声が裏返っている工場長。

 まぁ、その気持ちはわからないでもない。

 俺は、確認したい事を工場長に聞く。


「……この銃器申請の許可は?」

「も、勿論しております」

「これだけの設備、試射場の許可もありますよね?」

「あ、ありますとも」

「では、テストのチェック項目に余白はありますか?」

「…………よ、余白?」


 そればかりは工場長は答えられなかったが、俺は注文する事でそれを解決する。


「じゃあ余白があったらそこに『鳴神翔』って加えておいてください。多分、それで上の人たちは納得すると思うので」

「思うので……って、だ、伊達様……っ!?」


 震える工場長を前に、俺……ではなく、川奈さんが言った。


「『試射』は、お父さんからの許可があるんですよね?」

「し……試射……! 試射? 試射……!?」


 先程、自分が言った言葉を思い出したかのような工場長の表情。

 試射という言葉の意味を脳内から探し、思い出し、掘り起こし、それでもターゲットの前にいる翔の存在が、『試射』という単語とはかけ離れていて、理解するのに時間がかかっているようだ。


「試射……そうですか……試射……ですか……」


 俺はプルプルと震え、眉間をおさえる工場長に微笑み、先程手渡し交換した【KW-00A(ラプトルA)】を戻してもらった。

 工場長の目に少なからず興味の色が見えたのを、俺は見逃さなかったのだ。


「ぁんだよ(ヘッド)? そんな豆鉄砲からか?」

「これをクリアしないと、本命を出せないだろう?」

「マガジンありましたー!」


 爽やかな笑顔で川奈さんが数個のマガジンを抱え、持って来る。

 俺はそれをブースの台に置き、翔を見据える。


「まずは回避から」

「ぁ? 眉間(ここ)でいーだろが?」

眉間(そこ)は最後。何だ? かわせないのか?」


 俺が言うと、ピクリと反応を見せた翔。

 わなわなを震える翔に、川奈さんが後ろで苦笑する。


「上等だ(ヘッド)ぉ……!」

「頭は最後だって」


 そう言って、俺はマガジンを装填した【KW-00A(ラプトルA)】のセーフティーレバーを解除した。

 工場長のゴクリと喉を鳴らす音が聞こえる。


「Range is going hot?」


 射撃前の合図を問いかけると、翔が頬に平手打ち(気合い)を込め、叫ぶように言った。


「Going Hotだゴラァアアッ!!」


 俺はその返しにくすりと笑い、翔に向かって銃弾を放った。

 直後、翔は左右に顔を移動させ、その銃弾をあっさり避けて見せた。


「おぉ……おぉ……!?」


 工場長の驚きと共に、俺は続けて翔に言う。


「残り26発、まだまだいくぞ」

「どんどん来やがれっ!!」


 翔に狙いを定め、銃弾が尽きるまで撃つ。

 対して翔も、軽やかにこれをかわす。


欠伸(あくび)が出ちまうぞ、(ヘッド)ぉ!?」

「次、掴んでみろ」

「ラクショーだぜ、カカカカッ!」


 マガジンを外し、自重で落としてから再装填。

 リロードをすると共に、翔への再射撃。


「おら! おらおらおらぁ!」


 翔は銃弾を掴み、掴み……ついには摘まんだ。


「うっそ……」


 パラパラと翔の掌、指から落ちる傷のない銃弾に、目玉が落ちそうな程驚く工場長。そんな工場長を見て、川奈さんが興味を示す。


「こんなに出るものですかぁー……」


 そんな感心をよそに、俺は最後のマガジンを装填。


「翔、お待ちかねだ。しっかり(はじ)いてみろ」

「上等じゃゴラァッ!!」


 響く銃声。

 しかし、それ以上の鈍い音が翔の拳から届く。


「銃弾を……拳で(はじ)いた……?」

「ヨユーだヨユー」


 確かに翔の表情には余裕が見える。

 まぁ、掴めたのだから(はじ)くくらいは問題ないだろう。

 残弾数が残り少なくなると、俺は翔に言った。


「残り3発!」

「カカカカカッ!」


 1発目、翔は銃弾をアッパーで上部へ弾いた。残り2発。

 2発目、翔はニヤリと笑ってから、ガキンと銃弾を(くわ)えた。残り1発。

 3発目、翔は気合いの入った(かお)で、ニヤリと笑みを浮かべ……銃弾を頭突きして、地面に叩きつけた。


「おぅら……1丁上がりだボケェ……!」


 見た所、傷もなく、翔には甘い武器と言える。

 やはりこの【KW-00A(ラプトルA)】は、通じてCランクモンスターといったところだろうか。


「じゃあ2丁目ですね」


 銃の単位など気にしてなかったであろう翔に対し、川奈さんは珍しく洒落た言葉で返し、俺に【KW-00T(レックスT)】を掲げた。


「嬢ちゃん……そうそう、それを待ってたんだよ……!」


 俺は【KW-00A(ラプトルA)】の安全性を確認した後、それを台に置いてから、川奈さんの持つ【KW-00T(レックスT)】を受け取った。

 最早(もはや)、工場長は目が血走りながらも、その結果を知りたいようでうずうずしているように見える。

 マガジンの装弾数は70発。川奈さんはそれを台にコトリと3個置いた。


「お、多くねぇか……?」


 稀に、川奈さんの前だと、翔の弱気が聞こえる事もある。

 これはきっと、川奈さんの器が、ある意味翔以上にぶっ飛んでいるからだろう。


「210発。しっかり捌いてみせろ、翔」

「お、おぉ! 上等だゴラァ!!」


 まぁ、この【KW-00T(レックスT)】、聞いた感じのスペックでは、あの腕白小僧は倒せないだろう。


「Range is going hot」

「「Going Hot!!」」


 遂に、川奈さんがノリ始めた。

カクヨムにて先行掲載中。

気になる方は、お手数ですがページ下部のリンクから、カクヨム版へどうぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓カクヨムにて先行掲載中↓
『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。
↓なろうにて連載中です↓


『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~』
おっさんは、魔王と同じ能力【血鎖の転換】を得て吸血鬼に転生した!
ねじ曲がって一周しちゃうくらい性格が歪んだおっさんの成り上がり!

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
[良い点] 信頼が厚すぎて無茶振りする女、川奈ららw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ