表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
231/327

第228話 行ってきます

 血みどろ――爆笑したぜ!あの女、俺様たちの話を受けつつも攻めて来やがった!

 たっくん――やっぱり女狐だよねー^^

 Rala――そもそも、傘下クランの話はこちらから出してましたからね。断る事もないんですけど

 四条棗―――あのレベルのクランともなると、自分たちを安く見せられないジレンマもあるだろうな

 玖命――――……何か、越田さんから連絡きたんですけど?

 血みどろ――どうせ米原の嬢ちゃんが傘下クラン表明して、慌てて連絡してきたんだろうよ

 たっくん――そうそう。越田くんなら、この機会に便乗するのが得策だからねー^^

 たっくん――山井さんの会員番号99番でしたー^^

 たっくん――ギリギリ二桁で嬉しー^^

 四条棗―――【天武会】で【命謳(ウチ)】との同盟公表するより、このタイミングで公表しようとかそういう類の話じゃないの?

 Rala――(むし)ろ、このタイミングじゃないと、『【ポ()ット】に便乗した【大いなる鐘】』ともとられかねないですからね。【命謳】結成時から同盟を結んでいた事を主張していきたいんでしょうね

 たっくん――誤爆でーす^^


 たっくんは、まだどこかのコメント欄を荒らしてるらしい。

 今度注意しよう。こればかりは生ける伝説とか関係ないな。

 皆の完全無視って判断が、たっくんが【命謳】に溶け込んだ証明とも言えるんだが……やはり注意は必要だろう。


「しかし皆よくわかるな……? てか結局便乗って事だよな、これ……」

「きゅーめーはにぶちんなんだよ」

「うわっ!? な、どうしたんです、四条さん!?」

「玄関でうんうん唸ってたら気になるだろ。ん」


 そう言って、四条さんは新しい棒付きキャンディ(ロリポップ)を俺に差し出した。


「あ、どうも」

「越田、何だって?」

「出来るだけ早目に会って記者会見したいって話ですね」

「へ~、きゅーめー記者会見出るんだ」

「え、俺も出るんですか?」

「どうしてその答えになったんだよ。どう見ても、一緒に説明の場を設けたいって意味だろ、これ」


 なるほど、そういうものか。


「スーツ……じゃないとまずいですよね?」

「【命謳】のTシャツで出てみれば? 笑えるから」

「そ、それはちょっと……」

「うん、それが成長だぞ」


 15歳の少女にそう言われるのは、なんとも言えないような気がする。


「ところで、どっか出かけるのか?」

「あ、そうだ。相田さんに呼ばれてるんだった」

「何の用で?」

SSS(トリプル)の魔石の査定額、出たんですって」

「え、売るの?」

「いや、売らないって事になりました。査定額ってのはおまけの話で、正確には、天才派遣所を通して本物だって証明するための確認作業だって山井さんが言ってました」

「なるほどな、鑑定書を発行してもらうって事か」

「そういう事になるのかな? やっぱりSSS(トリプル)ランクの魔石だと、自分たちでアーティファクトにした方がいいって話だったので」

「そもそも数が少ないしな。それが正解じゃねーの? それで? どんなアーティファクトにするんだ?」

「【頑強A】入りの大盾が一番いいかなって思いまして」

「らら用か。堅実じゃん」

「うん、川奈さんがいなかったら今回の戦いは危なかったですし、大盾が壊れないって安心感があった方が、皆心置きなく戦えると思いまして」

「…………ある意味、攻撃力を上げるって事にも繋がるのか。きゅーめーってそういうところはしっかりしてるよな」

「え、何か言いました?」


 俺は靴を履きながら四条さんに言う。


「いや、何でもない。あ、最後に。月刊Newbieには写真使用OKの返事出しといたぞ」

「うっ……あ、あれが本当に誌面に載るのか……」

「ららなんて、自分ときゅーめーだけを切り抜い(トリミングし)てスマホの待ち受けにしてるぞ」

「そ、それは恥ずかしいような……あ、他の皆の反応はどうでした?」

「山じーはセピア加工して古めかしい思い出写真みたいにしてたな」

「なんとも、らしいですね」

「翔は全員の写真を待ち受けにしてたな」


 仲間想いの翔らしいな。


「それで、四条さんは?」

「わ、私っ!? 私もアレと一緒だよっ!」


 何を慌ててるんだろう。


「アレって?」

「アレはアレだよ! そ、そう翔と一緒だよ!」

「全員写真ですか」

「そうだよ! 断じてららと同じみたいな事じゃないからなっ! てか、そういうきゅーめーはどうなんだよっ?」

「俺ですか? 俺はクランエンブレムをそのまま」


 言いながら、俺はスマホの待ち受け画面を四条さんに見せる。


「……これまた、きゅーめーらしいな」

「はははは、そうですかね? でも、流石にあの写真は恥ずかしいので……」


 そう言って、俺は玄関ドアを開ける。


「それじゃあ、行ってきます」

「お、おう! 行ってこい!」


 家を出た俺は歩き始める。

 夏よりかは落ち着いた日差し。じんわりと元気を失っているようにも見える。

 9月ももうすぐ終わりだが、25日にはあの人に会わなくちゃいけないし、スーツも受け取りに行かなくちゃ。企業との契約も始まるし、その上、越田さんとの記者会見に、米原さんとの折衝(せっしょう)

 更には10月になったら【天武会】も控えている。

 忙しい日はまだまだ終わりそうにない。

 怒涛のように過ぎる月日に、苦笑しながらも、俺は、歩みを止めない。

 俺の背には、守るべき家族や仲間がいる。

 築くためにも、守るためにも、進むためにも、俺は、歩みを止めない。

 止める訳にはいかないんだ。

 これにて、『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』の第四部を幕とします。


 第四部では【インサニア】の番場君を出したかったのですが、出せず仕舞い。まぁ、そこまで書き切れなったという私の筆力の問題もあります・x・

 第四部には水谷と戦う以外、まともな戦闘描写が少ないかなーと思ってたら、214話「◆神奈川の救援要請3」~第223話「◆第3段階2」まで戦い通しで逆に「戦い過ぎじゃね?」ってなってました。


 さてさて、次からは第五部ですね。

 物語が【天武会】へと向かいます。


 玖命の言う25日の件、契約の件、越田と米原の件。

 10月前半の目玉はやはり【天武会】。

 強くなった【命謳】がどんな活躍をするのか、また、【はぐれ】たちの動きや謎にも迫りたいところです。

 玖命の第3段階の天恵【討究】にも触れられたらいいなぁと思いつつ、第五部だけじゃ書き切れないような気もします。

 あ、月刊Newbieも発売しますね・x・

 ネット民の反応を書くのは楽しい。たっくんを混ぜるのも楽しい。まぁ、やりすぎは注意ですね。

【天武会】が始まれば必然的に【インサニア】にも接触するでしょうし、玖命もそうですが、ららちゃんのランクを早いところC以上にしたいところです。

 書きたい事が盛り沢山な今後ですが、これからも、玖命ひいては【命謳】をよろしくお願い致します。





 ↓ここからコピー(私、正直者Part2)↓



 お気に入り登録(嬉しい)、レビュー(超嬉しい)、感想(めっちゃ嬉しい)、いいね(最高かよ)、作者お気に入り登録(土下座)、誤字報告(精進します)などなど、本当にありがとうございます。とても励みになります。



 X(旧Twitter)もやっております。更新の際はこちらで告知しております。


 ⇒@hihumi_monokaki



 それではまた、いつかの後書きでお会いしましょう。

 明日(今日もう一話書けたらいいな)からもまた、よろしくお願い致します。



         壱弐参



 追伸:別の作品も連載してたり完結してたりするので、是非ご一読ください。




 カクヨムにて先行掲載中。

 気になる方は、お手数ですがページ下部のリンクから、カクヨム版へどうぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓カクヨムにて先行掲載中↓
『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。
↓なろうにて連載中です↓


『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~』
おっさんは、魔王と同じ能力【血鎖の転換】を得て吸血鬼に転生した!
ねじ曲がって一周しちゃうくらい性格が歪んだおっさんの成り上がり!

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ