表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~  作者: 壱弐参
第四部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

207/327

第204話 もしかして

「お……おぉお……やべ…………」


 明細書


 リザードナイト(小)――230000円×51体=11730000円

 リザードナイト(中)――250000円×39体=9750000円

 リザードナイト(大)――270000円×25体=6750000円

 グリフォン(大)――200000000円×1体=200000000円

 魔石核(大)――――1500000円

 罰則金―――――――△1100000円

 ダンジョン破壊―――250000円

 依頼報酬――――――400000円


 合計―――――――――――――229,280,000円


「に……2億2千万……!? うっ、は、吐きそう……!」

「だ、伊達さん、大丈夫ですかっ!?」


 川奈さんが背中をさすってくれているものの、俺は目の前が真っ暗になりそうである。


「ほー、グリフォンの魔石がデカかったんだな、こりゃ。普通サイズなら1億ちょいだしな。カカカカカッ!」

「報酬は巡回強化分だけだしのう、こんなものか。ほっほっほ!」


 翔とたっくんは、全く驚いていない。

 まぁ、それは川奈さんもなんだけど。


「大丈夫、伊達くん?」

「あ、相田さん……あ、ありがとうございます。ね、念のため、内訳の詳細を伺えますか?」

「え、うん。かしこまりました。まず、モンスターの分ね。Bランクを超えるモンスターの魔石相場は大体20万超。Cランクから一気に一桁上がる理由としては、このランクから魔石のアーティファクト運用が出来るからです。Bランクの魔石を使う事で、【腕力G】や【脚力G】なんかのアーティファクトが出来るそうです」

「おー! アーティファクト! 完成が楽しみですねぇ!」


 川奈さんは確か、既にアーティファクト装備購入の約束を川奈氏と結んでいるそうだ。おねだりのレベルが規格外過ぎてついていけないが……。


「因みにAランクの魔石は以前伊達くんが倒したエティンのように、200万円を超えるものが多くなります」

「グリフォンは……Sランクですね? 一つのランクでそんなに上がるものなんですか?」


 川奈さんの質問に、相田さんが丁寧に答える。


「Sランク以上の魔石は、需要が高く、争奪戦になる事も珍しくありません。このクラスになると、天才の方々はご自分のアーティファクトへ使用するため、そもそも派遣所に販売してくれない事も多いからです」

「あー、確かに既製品を買うより、自分で魔石を持って加工を依頼した方が安いですもんね」

「そういう事です。だからこそ、市場にはあまり流れません。それ故、価格も高騰するのです」


 相田さんがそう言うと、川奈さんはちらりと翔を見た。

 翔は川奈さんの視線を受け、ニヤリと笑って言った。


「そういうこった、嬢ちゃん。カカカカッ!」


 そう、川奈氏が翔を雇って凶暴化リザードマンを倒させていた理由が、おそらくコレ。まぁ、今は【大いなる鐘】が引き継いでるようだけど。


「アーティファクト以外にも、Sランク以上の魔石は多くの用途があります。中でも、発電エネルギーに使用される事が多いですね」

「小さい魔石だと無理なんですか?」

「小型のものであれば使えなくはないらしいけど、大量発電に関しては魔石同士が反発し合って上手く発電出来ないらしいの」

「なるほど」


 これは俺も初めて知った。

 そういうものなのか。大量の小さな魔石で発電出来ないのには、そういった背景があるのか。

 だとすれば、KWNが大きな魔石を欲しがる理由がわかる。

 しかし……反発し合うか。

 まるで、モンスターが縄張りを主張し合うかのようだ。

 魔石に意思でもあるのだろうか。


「次は魔石核ね。これは大きさで固定されてて、小さいのから30万円、80万円、150万円です。これは昔から変わらずですね。魔石核の魔石は、他の魔石と同じくコーティングに使用される事が多くて、単純な大きさだけでの判断となります」

「他の魔石と同じ材質……ってところでしょうか」

「その認識で構わないかと」


 ふんふんと頷く川奈さん――


「えーっと……それで罰則金ですが……」


 ――が、相田さんから顔を逸らした。

 口笛まで吹き始めてしまった。


「Cランクに満たない川奈さんの侵入がマイナス10万円、残りの100万円が、不正規のダンジョン破壊に対する罰則金です」

「「すみませんでした」」


 俺と川奈さんが頭を下げ、翔は小指で耳をほじり、たっくんは欠伸(あくび)をしている。


「川奈さんの件は褒められたものではありませんが、【天騎士】を保有している点から考慮して、私からは強く言えないのが現状です」


 とはいえ、相田さんから注意を促すジト目が飛んできている。


「は、ははは……すみません」


 単純な注意の方がまだ良かったかもしれない。

 まぁ、これ以上の注意がないのは、彼女なりの信頼なのだろう。


「後者の件は慣習みたいなものですから、高ランクの天才の方々に対して、何かあるというものではありません」

「なるほど……」


 やはり、たっくんの言った通りなのか。


「ダンジョン破壊報酬は定額25万円、依頼報酬は、今回の強化巡回の分のみです。以上が今回の詳細となります」


 相田さんが目を伏せ、説明を終える。

 すると、川奈さんが皆に言った。


「それじゃあ……4等分でいいですかね?」


 川奈さんのダンジョン侵入は皆で決めた事。

 それを川奈さんの負担にするのは確かに違うだろう。

 この金額を4等分……1人あたり5732万円?

 ………………あれ?

 もしかして借金返済出来るんじゃ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓カクヨムにて先行掲載中↓
『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。
↓なろうにて連載中です↓


『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~』
おっさんは、魔王と同じ能力【血鎖の転換】を得て吸血鬼に転生した!
ねじ曲がって一周しちゃうくらい性格が歪んだおっさんの成り上がり!

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ