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第9話 ブラコンになるのも分かる

それから指名手配犯を捕まえたという功績で1週間という期間に縮められ、ようやくノーチェとアルデンの謹慎が解けた。


「本当にごめんなさい。私のわがままで」


「頭をお上げください、王女様。そう易易(やすやす)と頭を下げてはなりません」


「そうです、王女。私たちが悪いのです。王女を護れず怪我をおわせてしまった。」


 今度は、ノーチェとアルデンが頭を下げた。

「私!次こそちゃんとする!王として…自覚を持つから!」

「はい、期待しております王女様」


 そして___


「テオ!久しぶり!」


「リリアン!」

 私はテオに抱きつく、もふもふだぁ

 テオ達奴隷は首輪が外され正真正銘自由になった。


 助けたからには最後まで責任を取らないといけない。

「これから故郷に帰るものは馬車と護衛をつけるわ!帰る所が無いものはこの王宮で仕事を与えます」


 そういえば


「うぉー!!本当に!やった!」

「自由!自由だわ!」

 

 騒ぎ出す奴隷達、抱き合い涙し、号泣して地面にへたり込むものまで。

 


 それから、故郷に帰るものには馬車と岸の護衛。そして冒険者への依頼を出して護衛を強化させ出発させた。


 そして、テオのように行く宛てがないものはテオともう一人の女の子だった。私ぐらいだろうか


「角…」

黒い髪におでこから角が出ていてまるで鬼のよう。


「あれは鬼神族(きじんぞく)でございますよ王女様」

「鬼神族?」

 アルデンは鬼神族の説明をしてくれた、数は少ないが物凄い気が遠くなるような怪力を持っているのだとか、冒険者として世界中を旅している鬼神族もいて基本的には獣人族と同じように友好的らしい。

そんな種族ゲームにいただろうか


「わたし!私いっぱい働きます!だから…どうかここに置いてください」


っと声がしりつぼみになる。幼い頃に(さら)われてもう故郷がどこなのかも親も覚えていないそう。


「わかった!貴方名前は?」

「あり…ません」

 そうか、テオにもないから…付けてあげよう。うーん


「リタ!貴方はリタよ!」

「りた」


 心に刻むかのように繰り返す彼女はポロポロと大粒の涙を流し始める


「えっ!?ないてっ!?…ちょ、えっ!気に入らなかった!?」

 すると首をぶんぶんと横に振る

「いいえ!リタ…リタ!この名前…大切にします!主様(あるじさま)!」

可愛い…!


 リタは私の侍女ミアの指導の元メイド兼、護衛役として訓練されることになった。

 さすがは怪力の持ち主、ものを壊したりドアノブを握りしめて潰したりしてたけど、最近はきちんと力加減を覚えたようでミアの指導がいいのか物覚えがいいのか、とてもよく働いてくれている。

 力持ちだからミアがとっても助かっているよう。

 どうやったらキングサイズのベットを鬼神族とはいえ子供一人で運べるのかは不思議であるが…。


 そしてテオだが、彼も私の下についてくれることになって身体能力をかわれて騎士団に入れたのだ。私の守護騎士となるためにノーチェがビシバシと鍛えているそう。


そして___私は10歳から11歳の誕生日を迎えた。


「ダメですよ、きちんとコルセットしめないと!」

 頬を膨らませて怒るのはリタ。


「だって…コルセットきついんだもん!」


そう、11歳の誕生日。王女の誕生日パーティが王宮で開かれることになったのだった。この国の貴族はもちろん、他の国のお偉いさんまで__そして


「おねえさま!お久しぶりです!」

「もう大丈夫なの?」

「はい!」

 

 父譲りの髪色に、私と同じ瞳を持つ。

 実の弟であるレイセン。彼は幼い頃から病弱でずっと部屋にこもっていた。私と2歳差であるが「ねえさま!」っと私を慕ってくれる。


 確か、ゲームでの女王はレイセン大好きでレイセンの誕生日の為にドラゴンを討伐して魔石をプレゼントしたいとプレイヤーに頼むというクエストがあったほどだ。


「ねえさま、おめでとうございます!ふふ」

 っと私に抱きつくレイセン。あぁー分かる。わかるわぁ!ゲームでの女王が可愛がった理由!だって滅茶苦茶可愛いもん!


何百人も入るであろう広いホールで、両親の間の席に私がレイセンは父の隣へ

 王の席ってのはこんなふかふかなのね。これならずっと座ってられるかも。

もちろん護衛騎士であるノーチェも正装をして私の隣に立っていた。


そして、誕生日プレゼント。つまりは私に品を献上する時間が来た。

 宝石や珍しい魔物で作ったブレスレット。

高級ドレスや毛皮、どれも豪華そう、そしてもちろん宣伝も忘れないのはとてもいい。商人は気に入ったら個人的に呼んでもいいとか言ってたから今度呼ぼうかしら。


「私は隣国、ローズウッドから参りました。第一王子、ハリソン・ローズウッド・ランドルフと申します」


雪のように白い髪、私より少し大きい身長。

 隣国と言っても山を超え氷山を超えたところにある、ローズウッド。氷で囲まれ氷の国なんてきわれたりもしてる、ここと違ってちゃんと国王が頂点に立っている。

 ここからすごく遠いのに…わざわざ大変だっただろうな。


「わざわざありがとう。ローズウッド王子」

 彼からの献上品はローズウッドの結晶

 装備の素材にもなり高級品だ。

 特別な氷山からしか取れずまた自然再生のため滅多に手に入らないという。それにすごく透明でキラキラしてるし、とても巨大だから凄く高価…いや値を付けられないかも!


「気に入ったの?リリー」

 そう母が私に笑いかける


「ええ!とっっても!素敵だわ」


「そう」

 そういった母はハリソン王子の方に顔を向ける


「ハリソン…と、言ったかしら。献上品、娘がとっても気に入ったわ、貴方達の国と友好的な関係を結びたいと考えています。後で使者を送るわ」


「誠に光栄でございます」

 ローズウッドは地形からかとても小さな国である。

 だが、このような結晶が手に入る事はとても貴重で守るべき国としてシルバーリーフ国とローズウッド国は提携を結ぶことになった。



本格的にパーティーが集まり優秀なオーケストラが演奏を始めダンスが始まる。


「神、リーフネレスの加護があらんことを、王女様。お誕生日おめでとうございます」

豪華なドレスに身を包みお辞儀をする令嬢達。

「まぁ!やはり王女は素敵だわ!今日のドレスとても似合ってますわ!」

 っと、やはり王女は令嬢にとって憧れの存在らしい。


 パーティは疲れるから少し苦手だけど美味しいものを食べられるし、こうやって友達ができるから悪い気はしない。


お茶をする友達も増え、知識も魔法も剣術も順調。


「やっぱこれウィンドウだよね」

 ゲーム世界で見た事のあるウィンドウ。ステータスを確認するウィンドウと一緒で、意識すれば空中に出てくる。


名前と…レベル。魔力、攻撃力、防御力、適正からスキル。

ゲーム世界ではコンボを決めれば勝手攻撃魔法がでてきたり、武器によって支援系とか属性が変わったりしてたけどやはりゲームと全く一緒とはいかないようだ。


 そして、スキルを押すと詳細が見えるし。

 アルデンによると魔法を一定まで使えるようなると自分のウィンドウが見えるようだ、ただ他の人のウィンドウは見えないようで。


 けど…

「見えるんだよなぁ」

「何か言いましたか?王女」


「ううん、なんにも」

 ガーデンで紅茶を口にする。

 近くに立っているノーチェを見ると名前と職業が表示される。

 これって…あれかなゲームでNPCに近づくと名前が見えるヤツ。

 私のスキルには鑑定があるらしい、恐らく詳しいことはレベルをあげないといけないけれど。紅茶の銘柄とか見えるし…うん。便利!

まぁ、非表示にできるのはとってもいいよね、邪魔だもん。それと名前忘れた時とか便利、令嬢に驚かれたりしたなぁ。

「このような私の名を覚えてくださったのですか!」なんて。


 スキルは使うことでスキルレベルが上がる。どんどん使って行こう!


 私の成長速度は凄まじく、さすが大魔導師の血を引いてるからか魔力量がすごくレベルが上がって魔力量はアルデンを超えたらしい。

 まぁ熟練度は全然だけど…。

 剣はまぁ……うん。ノーチェには全然勝てない。



 そんな私は___15歳となり成人を迎えた


 

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