第2話 自殺じゃなくて殺人じゃん
いたい、苦しい…なんで?
そんな言葉は飲み込んだ。
言っても無駄だから、仕方ないから
「ふふ、ざまぁみろ」
なんて私の現状を見て笑う
クラスメイト
高校生2年目、普通に仲の良い友達もいたし男子ともそこそこ仲良くやれて、成績も、部活も先生との付き合いも何も問題なかった。
けれど、あらぬ噂が広がった。
なんでも一軍の女子生徒の彼氏が私の事を好きになって大喧嘩したらしい、そして私はその彼氏に色目を使うビッチとして噂となる。ただの巻き添えなんだが?
最初は友達も庇ってくれたが、それも数日持たなかった。
最初は些細なもので陰口からわざとぶつかられたり、だが日に日にエスカレートし物が捨てられるように、ロッカーに死骸を入れられ。弁当を捨てられ泥水を飲まされ。
先生にももちろん相談した。
「そっか、辛かったねぇ」
なんて励ましてくれて涙が出た。
___けど次の日
「__さんが虐められていると相談しに来ました。いじめはありますか?いまからアンケートをとります」
っと紙を配られる。私に向けられるクラスメイトの目…
そしてアンケートにはいじめはありませんという文字が並んだ。
先生は分かっていたんだ、私が虐められていることも、でも、先生として動かないといけないからやむなくそうしただけ。いじめっ子に目をつけられたくないからか、先生はそうしたんだ…味方じゃない敵だった。
そしてその日男子に襲われた。
写真を撮られ脅された…
それでも学校を休まなかったのは必死に働いて通わせてくれてる両親がいたから。
それに、休んだら負けた気がして悔しいから。なんで巻き添え食らっただけなのに学校を休まないといけないのか。
そしてついに__
「「しーね!しーーね!しーーね!」」
っと一軍メンバーのコール
リズムの良い手拍子が夕方の屋上に響き渡る。
「あんた…本当になんで生きてんの?」
なんてヤジも飛んでくる。
あぁ、ここから本当に落ちたら彼らはどんな顔をするだろうか。落ち込む?せいせいする?怖くなる?どうなるんだろうか。
屋上の縁でそんなコールを背に受ける
もう限界だ、いっその事親に相談して高校をやめようか。
いや、虐められてるなんて言って両親はどう思う?
辞めたいなんて言って、もし両親から罵声を浴びせられたら?
ヒヤリとした足元と心臓に反して、頭の中はそんな事でいっぱいだった。
その瞬間
「さっさと行けよ!」
ドンッと背中に衝撃が走り
「え…?」
そんな間抜けな声が口からこぼれおちた。
足元から無くなる地面。
体に受ける風、内蔵が浮き上がるようなヒヤリとした浮遊感
押された___本当に落とす事なんてある?
「はは…自殺じゃなくて殺人じゃん」
なんて、乾いた己の声と共に私の意識は闇に堕ちた。