21・初めての村
「ふぅ。やっと『大森林』を抜け出せたね」
「そうだな。アリサ、プレイヤーがいる所まで後どれくらいだ?」
「もう数分も歩けば着くと思うわ」
「後ちょっとだね」
私達は30分くらい歩き続けてようやく『大森林』を抜け出した。
ーー数分後
「おや?見ない顔だね。初心者さんかい?それにしては随分と装備が整っているようだけど」
『大森林』を抜けて数分歩いた所に村のような所があり、そこのプレイヤーの1人が話しかけてきた。
30代くらいかな?
敬意を込めてプレイヤーAさんと心の中で呼ばせてもらおう。
ちなみひ、装備が整っていると言われたのはゴーレムを倒した時に貰った装備をそれぞれが着ているからだ。
私が『漆黒のローブ装備一式』、レックスが『漆黒の洋服一式』、アリサが『漆黒の鎧一式』といった感じだ。
どれも性能に差は無い
ちなみに、防具などの武器以外の装備はステータス表に表示されず、耐久値、筋力値、敏捷値、防御値の数字にそのまま換算される。
「私達はあの『大森林』来たんですよ。ちなみにこのゲームはリリース当初からやってます」
「へぇ、あの『大森林』からかい。あそこは結構魔物が出てくるだろう。嬢ちゃんはそんなに強いのかい?」
「ええまぁ。それより、この村?の村長さんとかっているんですか?」
「ああ、村長ならあの1番大きな建物の中にいるよ」
プレイヤーAさんはこの村で1番大きな建物を指差して言った。
「ありがとうございます。じゃあ私達はこれで」
「ああ、いつでも声掛けてくれよ」
挨拶を済ませて私達は村長がいると思われる建物に向かって歩き出した。
「それにしても、このゲームが始まったばっかりとは思えない発展速度だね」
私は思わずそう呟いた。
このゲームは最初は文明なんてものは存在しない。
プレイヤーが1から全てを創り上げる。
なのにこの村は既に田舎の村くらいに発展していた。
普通では考えられない発展速度だ。
「あれじゃないか?職業が『鍛治氏』とか『大工』とかそういう人達がいるんじゃないか?」
「なるほど」
私の呟きにレックスが答えてくれた。
確かにそういった類の職業の人達がいるなら不思議じゃないのかもしれない。
「っと、着いたようね」
「本当に立派な建物だね」
「ああ、経った3日でここまで出来るもんなんだな」
そう言って私達はその建物の扉を開けた。
「失礼しまーす」
私はそう言って中に入った。
するとーー
「おや?珍しいねぇ。ビギナーさんかな?それにしては随分と装備が整っているようだねぇ」
と、村長らしき人が鋭い眼光で声を掛けてきた。
見たところ、種族はエルフっぽいね。
長く尖った耳が特徴的だ。
そして、金髪で整った容姿。
この人も30代くらいなのかな?
というか、レックスといいこの人といい、エルフはみんな金髪なのかな?
「初めまして私はナーナです。で、こっちは」
「レックスです」
「アリサです」
「私は村長のハジメだ。それで、今回はどういったご用件かな?」
「いや、私達はついさっきまで『大森林』でプレイしていて、他のプレイヤーも見てみたいなーって感じでここに来ました。だから目的とかそういうのはありませんね」
「なるほど、だったらゆっくり見ていくといい」
「そうさせてもらいます。ありがとうございました」
私は挨拶だけ2人を連れて済まして村長の建物を出た。
「それにしても、ナーナって敬語使えたのね」
「同感だな」
「え!?失礼じゃない!?」
「普段がそんなだからだよ」
「その通りよ」
「よし分かった。2人ともぶん殴られる覚悟は出来てるんだよね」
「いや、だって事実だろ?ナーナの普段の言動がアホなのは」
「そうよ。だから私達が殴られる筋合いは無いわ」
「ぐぬぬ」
くっそ〜。何も言い返せない。
レックス発今度リアルで絶対殴ってやろう。
という気持ちを込めてレックスを睨むと、「ふっ」と鼻で笑ってきた。
よし、今度絶対殴ろう。
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