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魔王と勇者が手を組んでみました!  作者: 藤井春樹
第一章 ナイトメア・ダンジョン編
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2・魔王と勇者の出会い

 私はプレイヤーを探すためにこの鬱蒼とした森を歩くのとついでに『血操術』の練習をしていた。


 最初こそ歪んだ丸や三角を型どるのが精一杯だったけど、今では中々の性能の剣を作ることができるようになった。

 どうやらこのゲームでは、スキルレベルとかは無くて、自分で技術を磨いていかなければいけないらしい。

 適当にやってたら強くなってました!

 みたいなご都合展開にはならなさそうだね。

 まぁ職業が魔王の時点でご都合展開といえばご都合展開なんだけどね。


「それにしても、人全然いないな〜」


 ついそんなことを呟いてしまう。


 確か、このゲームを購入した人は少なくないはずだけど、そんなにこの世界は広いのかな。

 ちょっと調べてスポーン地点調べておけばよかったな〜。

 早く一段落つけてゲームを一回終了しないとお母さんに怒られちゃうよ。


 ていうか、最初に出会った人に急に「魔王です」とか言ったらどん引かれるよね。


 ん?あれは?ダンジョンかな。


 『グローウィングファンタジー』にはダンジョンと呼ばれる洞窟のようなものがある。

 そこでは沢山の魔物が周回している。

 そして1番な特長は所々に宝箱が設置されており、そこからとんでもないレアアイテムが出たりもするらしい。

 そして、ダンジョンというくらいだから当然階層がある。

 階層の数はダンジョンによって異なる。そして、基本的には深くなればなるほど難易度が上がる。


 さてさて、このダンジョンはどういっただんじょんなのかな。


「メニュー」


 私がそう呟くと半透明の液晶のようなものが視界な出てきた。

 そして、その中にあるマップのマークを押す。

 そして、この辺りのマップ、地名が出てきた。


 やっぱり慣れないな。

 この急に視界に現れてくる感じ。


 どれどれ、ふむふむ。


 どうやらこのダンジョンは『ナイトメア・ダンジョン』と言うらしい。

 なんだか吸血鬼の私にぴったりな名前のダンジョンだね。


 あと、気にしなかったけど、この森は『大森林』と言うらしい。


 とりあえず入り口付近で弱めの魔物を狩ってレベル上げをしようかな。


「あのー、すいません」

「うわっ、え、えっとー」


 びっくりした〜。


 そこには金髪で髪固めはポニーテールで、身長は私よりも少し高いくらいの可憐な女性が立っていた。

 年齢は多分20代前半って感じかな。


 ていうかやっと人に会えた。

 この森、大森林とかいう名前だしもしかしたらプレイヤーいないのかなーと諦めかけていた。


「あー、ごめんごめん。驚かせちゃったね。私はアリサ。あなたは?」


 おっと、いかんいかん。

 あまりの衝撃に硬直してしまっていた。

 なーに、この私に掛かればこの程度の挨拶、余裕のよっちゃんいかなのである。


「えっと、私はナーナといいましゅ」


 噛んだー。思いっきり噛んだー。

 ま、まぁ、挙動不審になるよりはマシだよね。うん、よくやった私。


「へぇー。そうなんだ。あ、そうそう私さ、実は勇者なんだよな〜。まぁ、正直実感が全く湧かないんだけどね」

「ブフー!」


 思わず吹き出してしまった。

 だって私魔王だよ。魔王なんだよ。

 古来から魔王と勇者は敵対関係にあるべき存在でーー


「あのー、大丈夫?」

「あ、すいません。いやー、勇者さんだったなんて驚きましたよ。私魔王なもんですから。ハハハ」


 っておい、なにとんでもないことに口にしてくれとんねん私!?

 やばーどうしよう。

 いきなり魔王とか言ったらどう思われるか。


「へぇー。魔王なんだ〜。じゃあ私達似たもの同士だね」

「は?」


 いやいや、何が似たもの同士ですか。

 勇者と魔王じゃ天と地ほどの差があるでしょうよ。


「ほら、いきなり勇者とか魔王とか言われても実感湧かないでしょ。それなのに人が沢山いるところに行ったら私達は絶対面倒な事になる。ほら、似たもの同士でしょ」

「た、確かに」


 言われてみればそうだね。

 勇者や魔王と言ってもここは1から文明が始まるゲームの世界。

 なら、勇者と魔王が争い合わなければならない理由はどこにもないよね。


「あ、そうだ。ナーナと私、勇者と魔王が手を組んで国を作ろうよ。きっとどんなファンタジー小説の国よりも素晴らしい国を作れるよ!」

「おお!それいいですね!」

「あと、お互い敬語はなしでいこう。よろしくね、ナーナ」

「は、はい。よ、よろしく、アリサ」


 魔王と勇者が手を組んで国を作る。

 それも楽しそうだね!


「それじゃアリサ、とりあえず、このダンジョンでレベル上げをしない?」

「お、いいね。仮にも勇者と魔王、強いな越したことはないよね!」


そうと決まれば早速出発だ!


 

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