17・奥の手
『ハッハッハ!!!やるではないか、強き者達よ!!!』
そんな豪快な声を上げながらゴーレムが拳と蹴りを連打してくる。
地面に降りれば蹴りが、空中に逃げれば拳が私達を襲う。
受け流そうとすると武器ごと身体を砕かれてしまう。
だから避けるしかない。
そうすると、ある程度回避のルートが限られて動きを読まれる。
そして、回避したところには次の攻撃が。
本当に厄介だね。
しかも一発一発が即死級だね。
本当に、何であの巨体がこんなスピードで動けるんだよ!
「そっちこそ!木偶の棒にしては中々やるじゃない!!!」
私も負けじと挑発してみる。
けど、そのたんびにアリサとレックスから物凄い視線が飛んでくる。
何故だ?
『ハッハッハ!!!この我に挑発する余裕があるとは、想像以上だぞ!!!』
「お前が言うなよ!!!」
ったく、一回鏡見てから言えっての。
それにしても、さっきから攻撃してもびくともしない。
私達は各々の攻撃手段で攻撃を重ねていっているが、ダメージが入っている気配がまるでない。
攻撃力に加えて防御力も最強レベルとか、普通にチートでしょ。
まぁ、私が言えた事じゃないけどね。
まぁでも、私には100レベルになった時に手に入れた切り札がある。
そしてそれは2人も同じ。
焦らずに機会を疑うしか無さそうだね。
『3人とも切り札を隠し持っているのだろう?何故使わない?まぁいい、そちらからから来ないのなら、こちらから行かせてもらうぞ!』
お見通しか。
ゴーレムの動きが突然止まった。
「何?」
「何だ?」
「何よ?」
するとその瞬間、ゴーレムの拳が青く、強く輝き始めた。
そしてーー
『死んでくれるなよ!!!』
「「「!!!」」」
その叫びと共にゴーレムが拳を振り抜いた。
私達は避けることはできた。
しかし、その拳が振り抜いたところから、空気が、大気が消滅したせいか、その空間に一気に空気が流れ込んで擬似的な台風が起こった。
そのせいで私達は体勢を崩してしまった。
「「「しまった!!!」」」
『ハッハッハ!!!これで、勝負ありだ!!!』
「いや、まだだよ!」
私はそう叫んだ。
それにわたしだけじゃなくて、2人の顔も諦めてないっぽいしね。
そしてーー
「悪食!」
私は叫んで新スキル『悪食』を発動させる。
このスキルは私が100レベルになったと同時にゲットしたものだ。
自分が前に突き出した掌から闇で創られた、鋭い歯、牙をそなえもった口が出現する。
そしてその効果は、前方2㎥程の空間の中にあるものを任意で食らい尽くすというもの。
つまり、ゴーレムの拳程度なら食らい尽くせる!
ちなみに、魔力消費量が半端なさすぎで連発はできない。
だから使い所を考える必要があるスキルだ。
そしてわたしの『悪食』は見事にゴーレムの拳を喰らい尽くした。
『ほほう。我の拳を喰らうか』
ゴーレムはそう言いながら、無くなった拳を即座に再生した。
「化け物ね」
「本当だよ」
「まったくだ」
アリサの呟きに私達は同意する。
流石にあの再生速度は反則でしょ!
だって拳を吹き飛ばすのでさえ、相当な苦労を強いらさせられる上に、それを達成したとしても一瞬で再生される。
これを反則と言わずして何と言うか。
さて、奥の手を見せてしまった以上、ここからは出し惜しみする必要が無くなった。
全力で行かせてもらうとしよう!
それに、奥の手を隠し持っているのは何もわたしだけじゃない。
2人も100レベルになったと同時に手にしたスキルがある。
だけど、それもゴーレムにはバレていそうだね。
だからーー
「2人とも!ここからは出し惜しみはなしだよ!!!」
「おう!」
「了解!」
さあ、第二ラウンド開始だ!
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