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とりあえず

とりあえず、今の現状を把握しないと。


まずは武器と防具だ。


前回のダンジョンキーのダンジョンで武器も防具もほとんどなくなってしまった。


黒金の小太刀は折れたし、ロックリザードの鎧はボロボロで使い物にならない。


「とりあえず、前回手に入れた武器の確認だな」


俺は『神眼』を使って早速前回手に入れた武器を確認した。


◇◇


簒奪王の太刀


ランク Aランク(呪)


伝説の暴君、簒奪王が使用していた太刀。太い刀身が特徴の刀。その刀身は政敵、血族、家臣などの血で血塗られており呪われている。

持った物は狂戦士(バーサーカー)となり、攻撃力が上がるが理性を失う。


◇◇


……いきなりとんでもない武器がキターーー。


Aランクの武器って……凄いな。狂戦士(バーサーカー)になるらしいけど、俺の場合呪いが効かないから……もしかして特に変化ないんじゃないかな……??となると、とんでもない物を手に入れた様な……



はて、もう一つの武器は……


◇◇


鬼戦士の鉈


ランク Bランク(呪)


大鬼の戦士達が使用する鉈。数多くの獲物を屠っており、その怨念が宿っているため、呪われている。使用すると興奮し、狂戦士(バーサーカー)となり、敵味方問わず襲いかかる。


◇◇


ん?これも狂戦士(バーサーカー)


同じだなぁ。でも、俺は暗黒剣士。呪いは効かないから……都合はいいか。

そしてこの鉈。補助の武器としては大きさといい丁度良いかも。今回みたいに武器が壊れることもあるしね。こういうのも必要だ。


となると、武器は安泰だな。後は……防具か。


困った時は……とりあえずあの店に行ってみよう。




俺はその足で、バグリーの店に向かった。


路地裏にあるこじんまりとした店。その店の奥からバグリーの怒声と共に、1人の男が飛び出してきた。


「き…貴様っ!?私を誰の使いだと……」


「知らん!俺は礼儀がないやつには武具を売るつもりはないっ!!」


「この事、ホフマン男爵に伝えるからなっ!!」


ん?ホフマン男爵??


げっ!?あのダミアンくんじゃないか……ここでもこの名前が出るって……ある意味すごいな……


呆然と立っていた俺にバグリーは気づいたみたいだ。こちらを見ると、あの険しかった顔を崩し、ちょっと気まずそうに、おぅ、っと手を上げてくれた。


「……まずい物を見られたな。まぁ、気にしないでくれ。で、今日は何のようだ?」


そう言ったバグリーに俺は先日買った『ロックリザードの鎧』を見せたのだった。




「お前……一体何と戦ったんだ?この鎧にグシャグシャになるなんて……」


そう言うと、バグリーは呆れた表情を見せた。あ、これエリックにもやられた奴だ……


「……すぐ壊したから怒られる物だと思ってた」


「いや、怒りはないな。明らかにこれはお前を守って砕けた後だ。この鎧にとっては本望だろうさ」


「……この鎧がないと死んでいた」


「ふん、そう言う事だ。そしてそのために鎧という物は存在するのさ」


そう言うとバグリーは壊れたロックリザードの鎧をマジマジと眺める。


「でもここまで壊れると流石に修復は不可能だな」


やっぱりそうか……結構気に入っていたんだけどな。


明らかにがっかりする俺にバグリーは笑う。


「まぁ、しょうがない。それも運命だ。代わりに……と言っては何だが、俺がお前にあう防具を見繕ってやるよ」


そう言うとバグリーは店の奥に入っていった。


俺はあう防具って……なんだろう??



「ほら、これだ」


バグリーはそう言うと毛皮で作られた服を俺に見せてくれた。


これは……


「あのワーウルフの毛皮で作った冒険服だ」


えっ!?一昨日この店に卸したのに?早くない?


そう問いただすと、


「あぁ、知り合いの爺さんに渡したらな…その日のうちに作ってくれたよ」


とバグリーは笑った。


俺は『神眼』で鑑定をする。


◇◇


ワーウルフ(亜種)の服


ランク Bランク


ワーウルフの毛皮で作られた服。ワーウルフの特性を全面的に取り入れられている。鎧に負けない防御力、そして火属性に対して耐性を持つ。



◇◇



すげぇ!!服だから軽いし、文句なしだ!!


「ただな……割と値がはるけど問題ないか?」


バグリーの言葉に俺はなんの躊躇いもなく頷くのであった。




装備を整えた俺は店の外に出た。やはり装備を新調すると自然と笑みが溢れてしまう……


と、その時先程バグリーと一緒にいた男が唐突に声をかけてきた。


「おい!そこの平民!!」


その一言に俺はムッとした表情をする。あー、こう言う輩は無視が1番……


そう思い、通り過ぎようとするが男は俺の肩を掴み、足止めをした。


「おい、平民!何勝手に俺を無視しようとするんだ!」


……勝手はお前だろ……


呆れてものが言えないが……仕方ない。話だけ聞くか。


「なんでしょう?」


「おい、平民。そのお前がきている冒険服をよこせ」


は?こいつ頭がイカレてるのか?


「それはダミアン・ボブマン男爵が欲しがっている品だ。金貨一枚くれてやるから、とっととそれをよこせ」


金貨一枚……バグリーの店でこれを買った時、金貨5枚だったのだが……


「おい!いい加減に……ぐべっ!」


あっ、やばい。腹が立ち過ぎて思わず殴っちゃった。ま、いいや。

ダミアンくん本人じゃないから俺が誰かなんて分からないだろうし。


とりあえず、このバカはほっとこう。さぁ、明日の準備をしないとなぁ……






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― 新着の感想 ―
[良い点] いろいろ他にも読んでますけど。 この作品、ダントツで面白かったので作者様のやる気が燃えるのであればもったいないな・・・・と思います。 なかなか構想を練るのも難しそうなタイトルの気もするの…
[良い点] 作者様無理しないでください。限界の時は書かなくてもいいと思います、 Twitterとかあったら応援しやすいのかなと思ったけどそれもプレッシャーとかになるのかな。。。
[良い点] 途中で途切れてるけど おもしろい 限界ギリギリまで書いて投稿してくれたのかな 感謝
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