幕間3 探索者の歴史
ウィリアム・グラント博士の魔法に関する論文の発表まで、日本では自衛隊が周辺へのモンスター被害を抑制するために魔山を管理していた。魔山から一定距離をあけた地域は危険区域とされ住民は避難を余儀なくされた。
ときおり自然災害時のモンスターの大量発生では、自衛隊が多くの犠牲を出して人々を守っていた。
しかし魔法利用により、人類が魔山由来のモンスターに勝てるようになると、人類は魔山に対しての資産価値を見出すこととなる。
モンスターの中にある魔石や素材は今までの地球上にないもので高価で取引され始める。
やがて自衛隊だけでなく、民間業者も一攫千金をかけて魔山に挑むようになったが、引き続き命をかけた危険な職業であった。
しかし、回復薬の発明によりモンスターに挑むもの達の命の危険も激減し、活躍がテレビ、ネットでも配信され始める。名称も探索者とされ、魔山への挑戦は人々の娯楽になることで一流探索者はスターと化し、子供のなりたい職業ランキングにも探索者がでてくるようになった。
探索者の増加によりレベルも体系化され、獲得したSRポイント(Searcher Ranking Point )の点数により、翌年の級が決定することになる。
上位10%の約30組がS級、続く上位20%約60組がA級、半分の50%約150組がB 級、下位20%の約60組がC級と区別される。
探索者になるのには試験があるわけではないので、C級は常に来る希望者と夢破れ挫折した者達が頻繁に入れ替わっている。
また魔山にどこの企業の探索者が入るかで諍いが絶えなかったことで、魔山を管理する権利を競技形式で競い合うこととなる。
魔山が危険度によってランクAからCに分類され、その中でもランクA魔山は重要な山となり、権利を争うタイトル戦で勝った探索者とその会社は、一年間その魔山とそれに付随する魔山群を管理する権利を与えられる。
千成のタイトルホルダーを持つ民間業者は財閥と呼ばれ、現在その数は四つで新興四大財閥と呼ばれている。
魔山のランクによって大会は百蕾、五百練、千成、二千翔と呼ばれ、百は蕾、五百ではまだ練習段階、千で一人前に成り、二千で翔ける。との意味が込められた。
ランクAの魔山は13個あり、月に一回千成が開かれ、年末にはその勝者であるホルダーのみが出られる二千翔が開催される。
魔山のランク毎それぞれ獲得できるポイントは下記となる。
ランクC魔山 大会名:百蕾
優勝 100、準優勝 60、ベスト4 40
、ベスト8 20、、ベスト16 10、本戦出場 1
ランクB魔山 大会名:五百練
優勝 500、準優勝 300、ベスト4 200、ベスト8 100、ベスト16 50、本戦出場 5
ランクA魔山タイトル戦 大会名:千成
優勝 1000、準優勝 600、ベスト4 400、ベスト8 200、ベスト16 100、本戦出場 10
ランクA魔山オールスター戦 大会名:二千翔
優勝 2000、準優勝 1200、ベスト4 800、ベスト8 400、本戦出場 100
現在ランクAの魔山とホルダー、所属は以下の通り。
魔山名:十勝岳
所有者:サンズ
チーム:オークス 有栖川(通称ブーちゃん)
魔山名:樽前山
所有者:ワンダーコーポレーション
チーム:ランドリーズ ミシェル近藤(通称スナイパー)
魔山名:有珠山
所有者:二乗
チーム:ベリアル 万代(通称スーパーロボット)
魔山名:伊豆大島
所有者:自衛隊
チーム:特殊第三小隊 戸林(通称タンク)
魔山名:浅間山
所有者:ワンダーコーポレーションチーム:リクシルズ 稲口(通称コンダクター)
魔山名:三宅島
所有者:ワンダーコーポレーションチーム:ネプチューン 原田(通称海の王者)
魔山名:伊豆鳥島
所有者:フォーシーズンズ
チーム:ウィンターズ 室脇(通称テレポーター)
魔山名:阿蘇山
所有者:フォーシーズンズ
チーム:サマーズ 小島(通称人形師)
魔山名:雲仙岳
所有者:フォーシーズンズ
チーム:スプリングス 峯岸(通称空の女王)
魔山名:桜島(二千翔)
北海道駒ヶ岳
薩摩硫黄島
諏訪之瀬島
所有者:自衛隊
チーム:特殊第一小隊 御法川(通称コルベット)