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アキラ君の立身出世  作者: Mick
アルバイト編
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下呂ワンダーランド_3

 3つ目は鬼火屋敷だ。

 鬼火がさまよう屋敷内をゲストは水の魔石と水の入ったタンクをつけたアサルトライフルを装備して進む。

 火の屑魔石を落とすために人気のアトラクションだ。


 アサルトライフルは水の魔石は飛び出す水に推進力をプラスする。

「要は水鉄砲ですね。」


「そう言っては身も蓋もないけど、そうだね。」


 ここはせっかくだから、2人とも水の魔法の練習用にライフルは使わずにやってみることにする。


 屋敷の中で青白く光る鬼火や、橙色に光る鬼火をウォータガンで撃つ。


 基礎の攻撃用水属性魔法であるウォーターガンは、魔素を錬成し、魔法回路を空間に描く。

 その魔法回路内で「呼水」(よびみず)を「増幅」させ体積を増やし、「収束」させ弾に圧縮する。次に「指向性付与」し発射する。

 今回はペットボトルの水を「呼水」として使う。「呼水」を使わないこともできるが、無から水を生成するのは格段に難しくなる上、回路規模が大きくなり回路を描くのに時間がかかるので、「呼水」を使うのが一般的だ。


 「呼水」を使う量は各個人の「増幅」の性能によっても異なるが、俺ではウォーターガン1発放つのに10〜20cc程度を使う。


 このウォーターガンの同時発射はTOMの試験項目になっており、20発同時に撃てると満点となる。流石に20発同時発射出来る人はA級探索者でもあまりいない。


 ちなみに俺が使える水属性魔法はこれ1つだけで同時2発が限界だ。


 魔法回路を生成する際は、周囲の魔素のノイズを受けるので、その場に応じたノイズガードを回路に組み込む必要がある。


 俺ははっきり言って回路があまりわかっていない。そのため、ノイズガードは定型回路しか使っていない。というか使えない。

 そのため「増幅」、「収束」の際にノイズの影響を受けるため、無駄な「呼水」を使う必要があるし、弾もまっすぐには飛ばない。周囲の魔素の影響を受けて弾道がうねる。


 薄く光り、透けて見える鬼火は動きは遅いが、距離感が掴みにくいので、練習になる。


 スライム同様、薄い魔素から産まれた鬼火は弱く、攻撃されても多少熱いというか温かいぐらいで火傷する程でもないので、怪我する心配もない。


 隣の瞳さんの弾道はノイズの影響なくまっすぐだし、魔法回路の生成速度も早く、弾速も速い。


 狙いは定まっていないが、3発を同時発射することで補っている。

 こんなに鮮やかな回路形成は専門学校の講師を含めても見たことがなく、あんなに連発しているのに、「呼水」の消費量も極めて少ない。

 相当な知識量と技量を持っているのだろう。


「瞳さんは何発ウォーターガン撃てるの?」


「3発です。4発以上は回路が安定しないんです。」


 そう言って4つのウォーターガンの回路を空中に描く、やはり素晴らしい速度で美しい回路だが端の方が歪んでいる。発射できたのは真ん中の2つだけだった。


「目が悪いからか、視空間認知の力が弱いそうです。だから大規模回路は形成できないんです。」


 そう言って悲しく笑う瞳さんの顔に、どう言って良いか戸惑って声をかけることができなかった。


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