瞳ちゃんの悩み
「ミシェルさん。婚約者がいるってことは恋愛経験豊富なんですか?」
「瞳ちゃんいきなりどうした?
恋愛経験はもちろんなくはないぞ。」
「あのー、女の方からデートに誘うのはどうしたらよいのかなと思って。」
「アキラか?」
うなずきで応える。
「やつは色気よりも食い気タイプだな。胃袋を掴むと良い。
料理ができると良いから、真理子に教えてもらおう。ただそれはすぐに結果が出るわけではない。
私の知り合いが飲食店をやってるから、予約できないか聞いてみよう。」
ミシェルさんはスマホを取り出して連絡している。
「もしもしミシェルだ。久しぶりだな。あー、私はもう元気だ。
・・・じゃあ明日二人分よろしく頼む。今の私のチーム二人が行く。」
「焼肉坂井という店が、明日の休みに二人予約取れたから誘ってみると良い。」
「ありがとうございます。頑張ります。」
昼休みに訓練から戻ったアキラ君に勇気を出して食事に誘う。
「アキラ君、明日よかったら夜食事しませんか?焼肉坂井が予約できたんですけど、どうでしょう?」
「え?予約待ち半年以上の焼肉坂井?
現役A級探索者でもある坂井さんがやってる隠れ家的名店の?」
こっそりミシェルさんがうなずいている。
「そっ、そうです。ミシェルさんの知り合いらしくて予約してくれました。」
「絶対に行く!誘ってくれてありがとう。
なんかすげーやる気出てきたー。」
満面の笑みで応えるアキラくんにホッとする。ありがとうございます。ミシェルさん。