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アキラ君の立身出世  作者: Mick
アルバイト編
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下呂ワンダーランド_1

 社員の倉田さんが歩きながら話し出す。


「今日は一応下呂ワンの説明するから、本格的に働いてもらうのは明日の土曜日からね。あと、ここスタッフに鈴木さんが三人いて名字で呼ぶと混乱しちゃうからアキラ君って呼ぶけどいいかな?」


「はい!」


 昔からクラスで鈴木性がだいたい何人かいるので、名前で呼んでもらった方が正直気が楽だ。


「アキラ君と名瀬さんは、TOMもってるんだよね?2人とも400点超えてるって聞いてるから期待してるよ!」


 へー、名瀬さんもTOM受験したってことは、魔法が使えるんだ。


 TOMはTest Of Masicの略で魔法の習熟度を表すテストになっている。専門学校などで魔法を習った人向けのテストだ。

 魔法実技の「スキル」と、魔法学の「フォーミュラ」に分かれていて500点づつの合わせて1000点満点になっている。


 400点でようやく基礎がわかっている程度。500点あったら新規探索者に就職有利と言われている。

 A級を超える探索者では800点を超えていることが多い。

 ただそのレベルになると基礎的なTOMでは測れない実戦向けの能力が重視されるので、点数が高いからと言って強い探索者というわけでもない。


 ちなみに俺は425点で内訳はスキル270点、フォーミュラ155点。

つまり実技は得意だが、理論は苦手だ。


 話しながら会議室に案内され、それぞれの席に着席する。


「まず、最初に従業員証を渡すね。ランド内の従業員入り口はオートロックになってて、これをリーダーにかざさないと入れないから常につけててね。なくしちゃダメだよ。」


 二人は受け取り名前の書いた従業員証を受け取り首からかける。

 続けて倉田さんが説明を続ける。


「実は二人はアルバイト採用だけど、少し特殊な扱いです。この下呂ワンダーランドで初めてのTOMスコア持っている人の採用です。時給も資格持ち扱いで少し高めになってます。」


 そうなんだ。募集要項にTOMスコアがあったので、求められているのはわかっていたが、初めての採用だとは知らなかった。


「ということで、君たちには能力を活かした仕事をしてもらいたいと思ってますが、我々も手探りな部分もありますので、まずはいろいろな仕事をやってもらってもらいたいと思ってます。」


「午前に簡単にランドの説明をして、午後はそれぞれ回ってもらおうと思ってます。まずはスライムフォレストから•••」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 あー腹減った〜。

 スタッフの昼食はゲストの繁忙時間を避けて交代で取ることになっているとのこと。今月の研修期間中は14時からだ。

 倉田さんは用事があるとのことで、場所だけ案内してもらって名瀬さんと昼食を取ることとなった。

 カフェテリアは定食、カレー、丼物、麺類から選ぶことができて、それぞれ日替わりで違うメニューを提供しているらしい。しかも無料。


 早速俺はコロッケカレー、名瀬さんはきつねうどんをチョイスして席に座った。


「おっ!コロッケ揚げたてだし、ここのカフェテリアはレベル高いねー。」


 と言いながら向かいの名瀬さんを見ると、フーフーと麺を冷ますごとに、湯気で眼鏡が曇ってしまってる。


「ぷっ!」

思わず笑ってした。


「あっ、すいません。温かいものを食べるときはいつもこうで、、、」


 この娘は眼鏡を取ったら、絶対可愛いと、俺の勘が告げているが、ちょい残念を感じる。


「名瀬さんはどうしてここで働こうと思ったの?」


 笑ってしまった負い目から、話題を変えようと思わず面接官のようなことを聞いてしまった。


「•••私は本当は魔法研究がやりたかったんですが、スキルが苦手でいろんな研究所に応募したんですが落ちてしまったんです。でもどうしても魔法関連の仕事をしたくてここにきました。鈴木さんはどうですか?」


「俺も似たようなものだよ。探索者になりたくていろいろ応募したけど落ちてしまって、でもせっかくなんで魔法関連の仕事がしたくて下呂ワンで働こうと思ったんだ。

あと気になったんだけど、鈴木さんってなれないからアキラでいいよ。」


「じゃあアキラさん?。じゃあ私もヒトミって呼んでください。」


「瞳さんも専門学校出だと20歳でいいのかな?さん付けじゃなくてもいいよ。」


「じゃあア、アキラ君と呼びます。」


 少し照れた感じの瞳さんとは、まだ距離を感じるけどなんとなく仲良くなれたようでよかった。


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乱筆ですが、読んでいただきありがとうございます。 評価、ブックマークいただけると励みになりますので、よかったらお願いします。
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