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ストレスは雪の様につもり、晴れる日は未だ来ず。

作者: geriramamu

ふわり……。また積り


ずしり……………。底が厚くなる。


僕はこんな自分が嫌いだ。

雪の様なものはわたあめと同じで、軽くて見えずらい。

そして僕はそれを「見ない」事にするのが得意だ。



でもそれは一生懸命ピントを合わせないようにしていたとしても結局は積もっている事には変わらず、甘ったるく胃に凭れ掛かるさながら遅効性の毒でもある。


例えば汚いものを触るとして、僕は嫌な顔をするだろうが、その何倍ものストレスが静かに掛かっていること自体に僕は鈍感になれる。

だからこそある日を境に気づいてしまうのだ。


あぁ…何も考えたくない。


…と。


僕は日常ずっと考えている。いることも要らない事も。

話の断片や結果や人の個性なんかはずっとずっと考えている。


「こんな出来事があった」

「この人はこんな風に喋っていたからこんな人なんだろう」

「この話はこの前のこの人の話に似てるな」


他にも沢山沢山考えて、慰めるときはより効果的に。

伝えたい言葉はより伝わるように、ずっと選択の連続を行っている。

これは僕の善意性が勝っている証拠なのかもしれない。


ずっと前向きに全てをとらえて、周りの人間の可能性を一切疑わずに信じ切れるところが不気味であり、優れているところだろう。


勿論僕は神ではないから満点なんか出せず、平均点も高くはないが。

今までの多くの学びを反映した言葉選びをし続ける。


それは上手く運用出来れば力強い能力になる反面、悪く使う事も出来てしまうということだ。


ストレスが溜まるごとにそれはより「嫌」に反映されていく。


人のミスや人の悪い点「も」常に見えてしまっている。


長所と短所は表裏一体であることから容易に想像できると思うが、どうしても攻撃性が磨かれるのが負の感情の悪いところだ。

人間は自分より下のモノを作るのが得意であり、好きなのだろうな。

と常日頃思うが、それは僕も例外ではないようで。


今までに培ってきた事をそのまま叩きつけてしまう自分がとてつもなく嫌いになる。


この失敗はあの人の失敗で、この人はこんな所を気にする。


今まで善意的に作用していた全ての「思考」が反転する時。

確信的にその人に踏み込む瞬間である。


それはその人を傷つけると同時に。自分との関わりを自分から断ち切ってしまいたいと願う破滅願望でもある事にうすうすは気づいてるくせに。


それ以上の合理性に基づいた判断を僕は出来ていない。


それこそ最高の最悪で。いったん冷静になるべきである。

だからこそ僕は一人になりたいし。

考えたくない。


でもそればかりはこの現代社会に置いて実現は不可能に近いという事もまた事実だ。


僕は海に潜らなければならないが、積もり積もった雪は自分の内面に潜るには厚すぎる壁だ。


自分が理不尽な怒りを秘めて。合理性のない海面を持っているなんて誰が容認できるだろうか……。


そこまで来て思うのだ。


「ああなる程、僕は完璧を求めているのだな」


と。


「自分の長所に興味がない。」「自分の事に理解も示さない。」

僕は。

「他人ばかりを見。」「他人の才能が大好き。」


そんな特性も「自分は完璧であって当たり前」という狂気にも似た感情をひた隠しにするために目を背けたに違いない。



もし、僕にもっと能力があれば。

もし、僕に才能が有れば。


僕という人間を救えただろうか。


この制御が効きにくい才能は、果たして才能と呼ぶにも怪しいがらくただけれど。

才能の使い方や制御の仕方は誰かに教えてもらうものでもなく。

運用込みで「才能」と呼ぶ現代社会では発揮は困難だろう。


だからこそ僕は反面として思うのだ。


「才能を掘り起こしたい。才能を運用するための手段を提示したい」


とおこがましくも思うのは、きっと僕を救いたいと僕自身が思っているからなのだろう。


でもそれすら叶わずに、また今日も一段考える事をやめたがるのだ。



あぁ一人になりたい。

ああ強くなりたい。

そんな自分すら嫌い。



ふわりと雪が落ちる音が聞こえる。

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