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第4話 高文明星トリニオン

 宇宙船サーチナーが、ワープ航法により、高文明星トリニオンの存在する恒星系エイロラに到達すると、早速、銀河共通通信による『誰何』に無応答であったことから、警備艇がやってきて、牽引ビームにて所定の警備サテライトに連行された。文明度の差から牽引ビームを逃れることはできない。やはり高い科学文明を誇っているようだ。


 地球の大気に調整された警備サテライトの一室に通され、尋問が始まる。尋問は直接脳に語り掛けるテレパシーだ。警備員等は、ファンタジーの物語で登場するエルフに似ていて、耳がとんがった背の高い人々だった。目の前のエルフは色白ながら、ダークエルフ、イエローエルフもいるらしい。


 警備員「君達は、誰で、どこから来たのか?」

 リリム「私、リリム=クルム=エクゾセ7歳と、こちらのリリー=ルモンド24歳は、ここから1万光年先の地球と言う惑星から来ました地球人です。地球人は哺乳類から進化した者です。初めて恒星間宇宙飛行を開発、これに成功し、ここに1万光年先から電波を出しまくっていたこちらに対し、好奇心からやってきたました。そしてもう一人のこちらは、ポヨヨン星の大統領、ポヨヨン=エックハル=ピヨ19世、鳥類が進化した者ポヨヨン族です。旅の途中に出会って知り合い、一緒に行動を共にすることになりました。」

 警備員「なるほど。貴殿の発明で恒星間飛行の初飛行、ご成功、おめでとうございます。そしてようこそトリニオンへ。では、こちらの銀河共通通信による誰何に返事がなかったのもうなずけますね。我が国とどのような関係を結ぶのか、我が星系の紹介ビデオでも見て考えておいてください。それでは、食事でも用意し、その紹介ビデオでもご覧になっててください。3日後にまた来ます。」

 リリム「あ、食事の用意はお構いなく。自動調理装置がありますので。」

 警備員「はぁ、まあ別の星系の全く異なる文明文化の食事に合うかどうかご懸念はごもっともながら、貴殿等の好みに即マッチできるので心配に及びませんよ。」

 リリム「なるほど、では食事をお願いします。」


 勧められたわりに食事は旨くはなかったが何とか食える代物だった。まぁ我慢して食べた。


 次いでリリムとリリー、ポヨヨンは、トリニオン惑星についてのビデオを見る。結構な量だ。ビデオによればトリニオンの自然、第1知性体のエルフというべきトリニオン人、同じくファンタジー世界で登場する、言語の読み書きが可能な第2知性体のスライム似のスラリン族、その歴史、恒星間飛行が開発され、付近の知性体との交易と交流が開始され、そしてトリニオン人に認知する銀河系エリアが拡大するとともに不倶戴天の敵、何でも溶かして食べる、塩素系惑星の非常に繁殖力旺盛の液体生物ギラーミン族と出会い、星間戦争が勃発、今でも戦闘継続中であること。他にトリニオンの政治体制、産業、科学技術、交易可能な商品、食事や、スポーツ、文明文化をこと細かく紹介された。このトリニオンは帝政であり、皇帝ランドロフが統べる。官僚は、AIが行政を行っており、立法は選挙で選ばれた者がAIポジトロンと相談の上施行される。税金は無税、政府も多くの作業ロボットを使って稼いでいるので、基本、トリニオン人も、スラリン族も、あまり旨くはないが食うのに困らない。そして皇帝ランドルフは、AIポジトロン脳の要求するわずかな費用を差し引いても、金満国家の予算を好きに使うことができる。


 私達は、惑星トリニオンに留学することにした。私達は、恒星間飛行を始めたばかりの最下級種族(文明度S、A、B、C、D、E、F、Gの内恒星間飛行のできないGではない、それが可能なFレベルとされた。ちなみにトリニオンはA、ギラーミンもAレベルである)として、留学費用無料でこの惑星の科学技術について所定レベル迄学ぶことができるようだ。留学費用無料は、液体生物ギラーミンとの戦争が継続している現在、支援種族はいくらでも必要な故の結果である。もちろん、我々の留学受け入れは、私達のベースをサーチされ、科学技術を教えることに支障があるか否か、惑星トリニオンのAIポジトロン脳によって受け入れ可能と判断された結果だ。でもまぁ、野心満々のリリムを受け入れるなど、AIポジトロン脳も、リリムのいい子ちゃんぶりっこにすっかり騙されたのだ、とリリムは評価している。


 明日からカプセル睡眠学習によって、リリムとリリー、そしてポヨヨンが約1年かけて勉強することになるらしい。

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