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第20話 デス・トリニオン、ロボット生命体ボトロン族を尋ねる

 デス・トリニオンの座乗するライトアロー号を旗艦とする私設宇宙戦艦艦隊3万隻が天の川銀河円盤の中央、巨大な銀河コアと言うべきブラックホールのさらに先約1万光年の対極領域に向かっている。ここには、かつて皇帝であったトオラル・トリニオン、つまりデス・トリニオンの祖父が行っていた探査により、ロボットに生命プラズマを加えたロボット生命体が存在することがわかっていた。彼らロボット生命体は非常に高度な知性を誇り、高い文明を有すると言う。デス・トリニオンの艦隊はそのロボット生命体、ボロトン族のエリア外縁に差し掛かろうとしていた。因みにこのエリアは直径3万光年もあり、ボトロン族のコロニーが日々拡大を図っている。放っておけばその内トリニオン帝国とも接触して戦争するに至るであろう。


と、この艦隊が最初に接触したのは、宇宙空間に超然と大空間を占めるロボットコロニー超巨大型直径10光年であった。そのコロニーの各所が一斉にエネルギー流等の各種攻撃光線やミサイル、をぶっ放してきた。このボロトン族にとって、生命と言う生命はけして相容れない『敵』として認知しており、接触すれば抹殺すべき相手であると決まっていた。複数種の攻撃兵器が用いられる理由としては、それぞれ何の攻撃兵器が有効なのかを探る目的もある。


 しかしてそのような多種多様な攻撃にも関わらず、デス・トリニオンの私設艦隊は、リリムの発明もあり、防御スクリーンや船体、各種攻撃無効化防御兵器により無傷である。各種攻撃無効化防御兵器の例としては、タイムレイターは現実の艦隊在位時点を数分過去に在位させることで攻撃を無効化させたり、ランダムタイムは現実の艦隊在位時点を無作為に過去や未来にポンポン変位させることで攻撃を無効化させたり、エリアレイターは現実の艦隊在位地点を+0.5次元に在位させたり、ランダムエリアは現実の艦隊在位地点をー0.5~+0.5次元の間で在位地点をポンポン変位させることで攻撃を無効化する。無論、リリム皇帝はこれら各種防御兵器や攻撃兵器の対抗兵器を所有しそれを秘匿している。が、これはデス・トリニオン侯爵の知るところではない。


 そのボロトン族との第1次遭遇戦の後、3万隻の艦隊はばらけてボロトン各エリアの奥地奥地へと単艦独行にて進む。そして方々のエリアにて、これもリリムの発明の微小ロボット1nmを放ち、情報を集める。やがてボロトン首都星ボンロントンの位置や政治体制、ボロトン族の生態、ボロトン族と他種族の関係、大気、科学、文化や歴史に関わる情報が集まって来る。その集めた情報によると、ボロトン族がデス・トリニオン等の本来の目的であるトリニオン帝国、と言うかリリム皇帝の科学を超える超文明にはまるで至っていないことを知るとデス・トリニオンはがっかりした。だがしかしトリニオン帝国の忠臣を装って、距離無効盗聴不可のペア粒子通信にてAIポジトロン脳とリリム皇帝と連絡を取り、その同意を得て、ボロトンとの国交樹立や、通商条約、善隣友好条約を結ぶことにする。ボロトン各地に散った各艦は、首都星ボンロントンで再集結し、その武威を背景に、首都星に在位するボロトン族長である巨大脳と話をする。


 「我が国トリニオン帝国としては、互いの平等に帰国との国交樹立、通称条約と善隣友好条約締結を望む。艦隊はその力の証明の為、貴国への攻撃の意図はない。そしてその条文はカクカクシカジカ・・・・」

 と微小スパイロボットがピックアップして理解したボロトン言語でなされる。

 対し、ボロトン巨大脳からの返答があった。

 「お前達は我々とは相容れない存在である。今も不法にも我がボロトン族首都星に乞われもしないのに戦闘艇をおびただしく侵入させておる。これから排除してやる。」

 しばらく首都星を守る防衛施設ロボットコロニーや、首都星に集まった付近のロボットコロニーが攻撃をしかけてくる。が、やはりデス・トリニオン艦隊は無傷である。


 「これでわかったろう。貴国は我々の科学力に劣っている。先の大戦、我がトリニオン帝国と液体生物ギラーミンとの決戦のビデオを送ろう。よく吟味し、我が帝国が掲げる旗印の「共存共栄」の元、仲良くしようではないか。」

 「我々の生命体に対する嫌悪感は大きいのだ。我々の歴史はかつて我々を奴隷として支配してきた生命体との戦いの歴史であった。無理である。」

 「我々を飽くまで敵とするなら、かつて貴国が支配種族であった生命体との戦いにおいて折角手に入れた自由どころか何もかも失ってしまうぞ。渡したビデオのギラーミン艦隊同様にExTrMによって銀河コアブラックホールに投げ入れられることになるのだがそれでいいのか!?だがそんなことは全く我々の望む所ではない。仲良くしようではないか。我々はかつて貴国の支配種族だった者たちとはなんら無関係である。外見とか、生命体だからとか、そのような理由で敵対するのはやめてほしい。」

 「そんな世迷い事のデタラメやコケ脅しが通用すると思うな。生命体どもは卑劣だ。我々の生命体の遺伝的分析によればやはり抹殺すべき敵でしかない。またそのような兵器を持っていればすぐに使って見せるはず。そんなものないから使わないだけだ。」

 「では、銀河コア手前まで、そちらの20光年あるロボットコロニーを転送してみせよう。飛ばされたコロニーにはせいぜい銀河コアからの帰還旅行を楽しんでもらおうか!!!ExTrM発射!!!!」

 防衛の為に呼ばれた付近のボロトン族超巨大ロボットコロニーが、突然存在しなくなり、銀河コア手前100光年にExTrMによって転送させられた。

 「く、殺せ!!!」

 「だから殺さないって。仲良く『共存共栄』しようではないか!?」


  「・・・・・・・」「・・・・・・」「・・・・・」「・・・・・・」と、暫し間をおいて。


 「わかった。トリニオン帝国に我がボロトン族は従属しよう。これ程の力の差を見せつけられては平等と言うわけにはいかない。国交樹立の条文にその一文を加え、あとの善隣友好条約と通商条約は原文のまま締結しよう。そして生命体の中で唯一、トリニオン帝国だけは『共存共栄』を図ると明記しよう。」

 巨大脳は続ける。

 「条文には、両国間で科学知識の共有を図ると言う。今見せたExTrMを含め我々にその知識を教えてもよいのか。またその兵器への防衛兵器を我が国が開発した場合、そのような知識提供は貴国にとって存在を危うくするものと思うのだが、これでいいのか?」

 「それはなぁ、我が国にはリリム皇帝と言う他の知的生命体の有力所が束になったって敵わない天才がいる。その彼を上回ることなど不可能であるし、ExTrMについてもその効力の無効化兵器は既に存在している、と思う。また我が国には『過去映像投影装置』というリリム皇帝の発明もあり、貴国の行う発明は全てトリニオン帝国が発明したも同然なのだ。だから巨大脳閣下のご懸念など考慮されない。」と言うとデス・トリニオンは思う。(だからこそ初めからリリムを大きく上回る科学力を誇る種族、少なくとも『過去映像投影装置』が無効化できる知識を持った種族を発掘する必要があるのだ。でないとトリニオン帝国において私が復権することもない。)

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