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第13話 地球平定

 1948年、スターリンの居室に何やら転送してきた者がいた。試作ロボットピーを改良した、このピーに良く似た戦闘ロボットだ。


 「私はトリニオン銀河帝国から派遣された戦闘ロボットである。ヨセフ=スターリン、貴殿は多くの国民を不当に死罪にし、またシベリア強制収容所に送り、その厳しい環境の下、多くの国民が死んでいった。これは当時のソビエト連邦の刑法に完全に違反しており、その刑は死罪である。今から君を収監する。」


 スターリンは執務室に備えられた非常用警報ボタンを押す。すると、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、と警備兵がその場に雪崩れこんで来る。


スターリン「このロボットを殺せ。」

警備兵がマシンガンを連射する。「ダダダダダ・・・・・・・・・・・・・・・・」

 だが中間物質化して宙に浮いている戦闘ロボットは、弓矢刀槍や銃弾、砲弾のもたらす運動エネルギーの効果が無効であるので、このようなマシンガンの銃弾による破壊に、なんら被害を与えることができない。


 警備兵がスターリンを庇い、戦闘ロボットの行動を阻害しようと試みるが、そのような警備員の肉体の筋力作用など何もないかのようにスターリンをワープリングに取り込み、拉致してしまう。


 スターリン「馬鹿、止せ。やめろ。」


 スターリンの裁判が開始される。

 『過去映像装置』で編集された映像が裁判所で再生される。単にソビエト共産党と意見が違うと言う理由や、上官に対し生意気であったことから反抗的であると言う理由や、単に共産党に組しない政党を作ろうとしたソ連軍士官の同じ連隊に所属していたと言う理由等で死刑になったソ連国民に対する理不尽かつ報復的な死刑執行命令書にサインする様が映しだされる。


 「私は国家元首であり、特別なのだ。ソ連共産党とソ連と言う国を維持する為にしたことだ。であるがため私が死刑執行書にサインしようとこれは違法行為に当たらない。しかも貴様らに私やソ連国民を勝手に裁く権利などない。」


 「お前が何者であろうと、前提として法の前では一人の国民と平等であると言う事例が、ソ連国内でも適用されていた。お前自身も、イワン=ガストフの場合において、彼がソ連軍大隊長であり、思想的な違いにより、彼の判断で銃殺にした際、イワン=ガストフを死刑にしたではないか。また裁く権利について、我々は絶対的強者であり、その強者が被告を裁かんと欲すれば裁くことは有効なのだ。東京裁判しかり、ニュールンベルグ裁判しかり。お前はあれら裁判の一方の当事者である。あの裁判で処刑された者との平等性の面からもこの裁判は有効である。」

 「何度も言う。私は国家元首なのだ。私は特別なのだ。」

 「その主張は認められない。」


 全ての抗弁は無駄であった。ヨセフ=スターリンは、AIポジトロン脳の司法判決により死罪、刑は執行された。この時点でのスターリンは消滅した。


 だが、スターリンにしても彼が生まれた時に、試作ロボットピーがやってきて、その時間線では、行こうトリニオン帝国で悠々と過ごしている。その時間線の彼には無論、後程、彼とは別の時間線のスターリンが死罪になったことなど知る由もない。同様に、世界の巨悪は、その悪行に見合った、その国における刑法や、過去の判例に従い裁かれた。


 同様に、中国の毛沢東に対し同様の裁判と死刑執行がなされる。その罪状はウイグル侵攻、大躍進政策に続く文化大革命時の何の落ち度もない人民に対する紅毛軍のリンチ惨殺による数千万人の命が失われたことに対するものであった。ヒットラーしかり、世界中の銃犯罪人が裁かれた。また歴代米国大統領の汚職、日本の総理大臣の汚職に対応した禁固刑の執行、その他の国における権力者全員の罪に見合った量刑の執行がなされていった。


 

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