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見習い聖剣使いの冒険譚  作者: ヒロティー
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プロローグ

「はあー明日も仕事か」


俺こと佐々木ミツル25歳は今日もブラック企業での仕事を終え、家でため息を吐きながらうなだれていた。

俺は三年前に大学を卒業して、大阪から東京に引っ越して不動産の会社に勤めている。俺が勤めているこの会社は月に110時間以上残業があるいわゆるブラック企業である。


「そろそろ三年経ったし、この会社は潮時かもしれないなー」

などと言いながら、地べたに寝転がっている。


実はこんな俺だが、こんなどこにでもいるようなサラリーマンになって一生終えるより、異世界に行ってハーレムを作って楽しく生きていきたいなーなんてことをいつも考えている。


しかし、ネットを調べても誰も異世界の行き方なんて教えてくれないし、書いていない。

俺は今日この時、この瞬間まで異世界に行けないことに絶望しきっていた。


しかし、天はいや異世界は俺を見捨てなかった!!!


しだいに部屋は真っ暗となり、持っていたスマホもいつの間にか手元には無くなっていた。


そして、光に包み込まれ、光の世界に囚われた。


そして、気がつくと空から落ちていた。


「は?ここどこ?っていうか落ちてる?マジで死ぬって!!!」


落ち続けた俺はしだいに大きな屋敷を発見する。


「うわーああ!ぶつかるー」


屋敷に激突しそうになった俺は目をつむり気を失った。


気が付くと俺は豪華なフカフカのベッドに寝ていた。

「はあーはあー俺は生きているのか?」


辺りを見ると大きな部屋に豪華な作りのベッドに机が備え付けられているような部屋であった。

すると、ドアがバタンと開かれ、使用人らしき人が入ってきた。


「おお!ミツル様!目が覚められましたのですね!」


40代ぐらいの女性の使用人らしき人が俺の手を取り号泣している。


「ミツルがやっと起きたの?」

使用人の声を聞きつけたのか俺の母親に似ているがもの凄く若く30代前半ぐらいの姿であった。

俺の母親はもう50代後半だというのにビビるくらい若かった。


「母さんか???」

俺が不安げに聞く


「母さん?そう私はあなたの母上です。なぜ庶民的な呼び方をしているのです?」

母さんは不安げにそう聞いた。


状況がわからないので、ここはどこかと使用に聞いてみた。

しかし、その言葉に驚いたのか母さんと使用人は顔を見合った。


「ここはあなたのお部屋です。忘れてしまったの?あなたは神殿で職業診断の儀式の最中に倒れてしまったのですよ」


「儀式?」

まったく何のことかわからなかった。


そこにバタバタと大慌てで、父親が入ってきた。

「ミツル!我が息子は無事か?」


俺は父さんの顔を見て驚くしかなかった。

なぜならひょろひょろだった50代後半の父さんの体は30代のようで若々しく筋骨隆々であった。

しかし、顔は自分の父親と一緒だったので何とか自分の父親だとわかった。


「どうしたの父さん?その体?」

俺は驚きのあまり、つい声に出して言ってしまった。


「父さん?なんだ庶民のような呼び方は!私のことは父上と呼んでいたではないか」

困惑した様子の父さん。


「あなたミツルはどうやら記憶が少し曖昧のようです。この部屋も自分の部屋とはわかっていない様子です」

母さんが心配そうに涙を流しながら言った。


「頭でも打ったのか?よし私が回復魔法をかけてやろう」

父さんが俺のおでこに手を置き、呪文を唱え最後にヒール!と叫んだ。


すると、優しい光が俺の体を包み込み、なんだか体が温かくなってきた。

「どうだ?少しは楽になったか?」


父さんがそう聞いてくる。

確かに心地よい光だったがさっきと俺の体はさっきとなんだ変わりはない。

「ありがとうもう大丈夫」


その言葉に安心したのか、もう少し休んでおけと寝かされその日は眠りについた。

次の日、使用人に起こされ着替えてから、朝食をとるために自分の部屋から出た。


まるで貴族の屋敷のように廊下が広く、部屋もいっぱいでいつの間に俺の両親はこんなにお金持ちになったのだろうかと不思議に思っていた。


しかし、階段の手前の壺のところに鏡があり、自分の姿をみると15、6歳ぐらいだろうか。

両親だけでなく自分自身も若返っていることに気が付く。


昨日も父さんが呪文を唱え魔法のようなものをかけてくれたが、これは間違いない。

俺はどうやら剣と魔法の世界にきてしまい、なぜか若返っているようだ。


しかも、両親もなんだか貴族のようだし、人生イージーモード?いやいやそれは言い過ぎか!

俺は夢を見ているのかもしれないと何度も自分の顔を引っ張ってみる。


しかし、夢は冷めず痛さもある。

そうこれは現実なのだと実感するのであった。











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