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空白

 体がだるかった。

 いつものことではあるが、それでも日を追うごとに、体の重みは増すばかりに思えた。

 毛布を払いのけ、ベッドから立ち上がることさえ億劫に感じられた。

 それでも朝食は食べねばと、ゆっくりながらも起き上がり、僕は家のダイニングへ向かった。

 

 父と母、そして一人っ子の僕。

 この家の家族構成は、いたってシンプルである。

 だが、このダイニングに僕の親の姿はなかった。

 あるのは、ラップで覆われた朝食と裏返しにされた茶碗。

 ふと壁にかけられた時計を見ると、時間は朝の9時を少し過ぎたあたりを指していた。


 共働きである僕の親は、いつも二人そろって家を出る。

 互いにあまり多くを語らない性格だが、夫婦円満と言うには十分なように見える。

 阿吽の呼吸とでも言うのか、それほどに二人の息は合っているのだ。

 また、二人そろって出勤したのだろう。

 家は静まり返っていた。

 自分の呼吸さえ響くのではないかと思う程、静かだった。


 ラップをはがし、朝食がのった皿を電子レンジに入れ、それが止まるまでの間に、茶碗に炊飯器の中の保温された米をよそい、よそい終わっても止まらない電子レンジの前に立ち、それが止まるのを茶碗片手に待った。

 昔、祖母に言われたことを思い出した。

 電子レンジが動いてるときに前に立つと、ガンになるというのだ。

 聞いたときはまさかと思ったし、父も母も迷信のようにその話を聞き流していた。

 今でも半信半疑だが、調べる気にはならない。

 だが……調べてみようと思った……。

 幸か不幸か、時間ならたくさんある。


 ………………


 ………………


 ………………


 ん?なぜ僕は、自分の部屋のパソコンの前にいたんだ?

 ああ、電子レンジの前に立つと本当にガンになるか調べようとしていたのか。

 ん?なぜ僕は、それを調べようと思ったんだ?

 それは、祖母の言葉を思い出して……。

 なぜ思い出した?

 ふと右手を見ると、白米のよそわれた茶碗が握られていた。

 すっかり冷めていた。

 ハッとして、急いでダイニングへ向かい、電子レンジの扉を開けた。

 そこには、電子レンジで温めたとは到底思えない朝食が残っていた。

 ふと時計を見ると、その針は、ちょうど10時を指していた。


 なんとも言えなかった。

 ただ、うつむいた。

 電子レンジの扉を再び閉め、朝食を温め直した。

 米も同様に温めた。

 そうやって温め直した朝食を食べてみても、なんの味がするかさえ分からなかった。

 もはや何を食べているのかさえ、分からなかった。

 

 朝食を食べ終えた僕は、皿と茶碗を洗面台に入れ、自分の部屋に戻った。

 そのままベッドと毛布の間にもぐりこんだ。

 そのまま考えた。

 何を考えていたのだろう……。

 分からない。

 そもそもなぜ考えようと思ったのか……。

 解らない。

 なんでこんなことになったのか……。

 判らない。


 ………………

 ワカラナイ


 ………………


 そのまま次の日の朝が来る。

 実に、僕が学校に行かなくなってから、ちょうど三週間目の朝である。

第一部に比べると、直感よりも少し考えるタイプの内容になってしまったかもしれない……。

本当はもっと直感に訴えかけるような文章を書きたいんだけど……第一部がうまくいきすぎた感が……。

……。

がんばります!!!!!!

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