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連載投稿のシステムの確認のために投稿したようなものですが、目を通していただけると幸いです。

少年が悩みながら、だんだんと自分を見失う様な感覚が表現できたらなと考えています。

読みやすさも考えてみたので、最後までどうぞおつきあいください。

 朝6時。

 いつも通りの朝だ。

 鳥の声も、朝食の匂いも、顔にかけた水の冷たさだって、なぜかもやもやして、しっかりと感じられない。

 そのまま目の覚めないまま、着替えて、玄関を開けて、歩き出す。

 

 高校は楽しくない。

 友達なんていない。

 勉強も面白くない。

 じゃあなぜ僕は、学校に向かうのだろう。

 何のために僕は、学校に行くのだろう。


 中学の時、不登校の女子がいたことを覚えている。

 彼女もまた、友達なんていなくて、勉強も面白くなくて……。

 ああ、僕と同じだ。

 ならどうして、彼女と僕が同じなら、どうして僕は学校に行くのだろう。

 どうして彼女は、学校に行かなかったのだろう。

 僕と彼女の違いは何だろう。


 考えているうちに、高校に着いた。

 いつも歩き成れた道は、日に日に短くなっているような感覚がした。

 とても不思議な感覚だった。

 

 校門前で立ち止まって、下を見た。

 アスファルトに立つ、自分の足が見えた。

 上を見た。

 雲一つない、青空が見えた。

 前を見た。

 するとなんだろう、なにも見えなかった。

 一歩踏み出すと、家の玄関の前だった。


 今日は、休もう。

 その日は、すぐに寝た。


 朝6時。

 いつも通りの朝だ。

 鳥の声も、朝食の匂いも、顔にかけた水の冷たさだって、いつも通りだ。

 着替えて、玄関を開けて、歩き出す。


 彼女はなぜ学校に行かなかったのだろう。

 僕は彼女と同じ思いを抱えながらも、学校に行っている。

 ならば、彼女と僕の違いはなんだ。

 彼女にあって、僕に無いものはなんだ。

 僕にあって、彼女に無いものはなんだ。

 なんなんだ。

 

 ……

 気付いたら、家の玄関から一歩も歩いていなかった。

 

 今日は、休もう。

 その日はすぐに寝た。


 朝6時。

 いつも通りの朝だ。

 鳥の声も、顔にかけた水の冷たさだって、同じ。

 

 彼女は楽しくなかったから、学校に行かなかった。

 僕は楽しくないのに、学校に行く。

 僕はなぜ学校に行く。

 楽しくないのに、面白くないのに。

 なぜ。


 今日は休もう。

 

 朝6時。

 いつも通りの朝。

 鳥の声も、同じ。

 

 同じ思いなのに、僕と彼女は何が違う。


 今日は休もう。


 朝6時。

 いつも通り。

 同じ。

 

 彼女はなぜ。


 今日は休もう。


 今日は……


 今日も……


 明日も……




 朝6時。

 いつも通りの朝だ。

 

 


 

つたない表現もあったかもしれませんが、是非感想いただけるとうれしいです。

とくに「気になる点」もご指摘いただければ、感無量でございます。

読んでいただきありがとうございました。

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