組織のルール
「すいません。急に泊まることになってしまって。」
「いや、問題ないよ。こんな夜だし。」
あの後、妹の友人が家に泊まることになり、両親に報告の電話を入れた。始めは俺たちが2人暮らしということと、そのうちの一人が男ということで難色を示していたが、桜ちゃんが泊まるところは氷華の家で氷華の兄ということを伝えると快く承諾してもらっていた。・・・妹は一体何をしたんだろう?なんで『氷華の家』ってだけでOKをもらえるんだ?
「あーと、風呂とかトイレとかの場所は氷華に聞いておいて。寝間着は・・・氷華のでいいか?」
「はい、大丈夫です。」
「あ、お兄ちゃん、私の寝間着自分の分しかないよ?」
「まじか・・・。俺のジャージでいい?」
「はい!あ・・・」
ん?なんだ?その間は?俺のジャージがいやだと言うのか?・・・嫌だよね。男のジャージなんて。しかも友人の兄のなんて着たくないよね。知ってます。はい。だから別に桜ちゃんが俺のだって理解した後にうつむいたのだって予想どうりだよ。別に落ち込んでないよ。うん。
「どしたの?お兄ちゃんも桜ちゃんも?挙動不審になって?」
「な、何でもないよ!うん。」
「何言ってんだ?俺のどこが挙動不審なんだ?」
なにを言っているのかな?この愚妹は?
「ん~?ま、いっか。そうだ。桜ちゃん、一緒にお風呂はいろ?」
「うん。」
「じゃ、お兄ちゃん。桜ちゃんとお風呂行ってくるから。」
「はいよ。長風呂してのぼせんなよ?」
「だいじょ~ぶ、だいじょ~ぶ。」
そういって氷華は桜ちゃんを連れて風呂場に向かった。
「はぁ。」
なんであいつはあんなにもそそっかしいのか?・・・それにしてもあの殺人事件はなんだろうか。なにかもやもやする。人間の体は意外ともろいが普段使っているもので死に至るような傷を一撃で与えられるだろうか?もしかして・・・
そこまで考え至ったあと携帯を持って自分の部屋に行き莉那に電話を掛けた。
『もしもし、そー君?どうしたの?』
「お前、さっきの速報見たか?」
『うん、見たけど?それが?』
「あれって能力者がらみの案件じゃないのか?」
『 ? 』
電話の向こうで首をかしげている感じがしたのでさっき俺が考えたことを莉那に説明した。
すると、
『おお~。さすがそー君、あったまいい~』
「殴るぞ?」
『ごめんなさい』
早かった。俺の暴力宣言もさっと口から出ただけだったが、莉那の謝るのも圧倒的に早かった。
「それで、結局のところどうなんだ?」
『ん~どうだろう?まあ一つ言えるのは”私たちはボスの命令があるか、仲間の命の危険がない限り動かない” これ決まりだから。覚えておいてそー君?』
「分かった。・・・それ簡単でいいな莉那。じゃあな。」
『あっ』
なるほどね、ボスの命令か仲間の危険以外では動かない・・・分かりやすくていいな。これでやるとなったら全力で・・・
戦える
そのころ風呂場では
氷華:「桜ちゃんってお兄ちゃんのこと好きなの?」
桜 :びくっ!「そ、そんなことないよ!うん、たぶん…」
氷華:「よかった。・・・お兄ちゃんが女の人と付き合うとかありえないよね。お兄ちゃんは私のものだ もんね。」ボソッ
桜 :「ひ、氷華ちゃん?」
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ありがとうございました。




