鈴野さんと
やっぱりラブコメって難しいですね。考えれば考えるほどよくわからなくなってくる。
真也達と昼ご飯を食べた後、本を読んでいたら授業が始まっていた。
とりあえずノートだけをとり、何も考えずに授業を眺めていると最後の授業まで終わっていた。
俺が今日なんかしたっけ?と考えながら帰る準備をしていると
「神谷君、行こ?」
我がクラスのプリンセス鈴野さんからそんなことを言われた。
・・・・・・あぁ、遊びに行く約束のことか。すっかり忘れてたな。
「うん、いいよ。」
そう返事をして、鈴野さんのもとに向かう。・・・途中、殺気が他の男子から送られてきた気がするが気のせいだろう。そう思いたい。
「それでどこに行くの?」
「え、えっと・・・どうしよ?」
えぇー、決まってなかったの?どこか行きたいところがあったから誘ったんじゃないの?
「えーと、ボウリングにしない?」
「別にどこでもいいけど・・・」
なんで鈴野さんはケータイを見てから決めたの?なんかイベントあったか?
「じゃあ、行こうか。」
「うん!」
ボウリング場に向かっている途中、鈴野さんはすごく機嫌がよかった。
ボウリング場は普通のチェーン店で誰もが一回は行ったことのあるところだった。・・・俺は今まで一回しか行ったことはないけど。別に友達が居なかったわけじゃない。ただ、家事が忙しかっただけなのだ。
そういう訳で受付が分からなかったので鈴野さんにやってもらい、俺はのんびりと椅子に座っていることにした。
「・・・2人でお願いします。」
「・・・分かりました。・・・ところでその人は鈴野さんの彼氏ですか?」
「ち、ちがいます。別にそういうのじゃなくて…。いつかそうなったらいいなとは思うけど…。」
鈴野さんってここの常連なのかな?受付の人と仲良く話してるし。途中赤くなったり焦ったりしてるけど。
「お待たせ、神谷君。」
「ありがと、受付やってもらって。こういうところ久しく来てなかったから。」
「そうなんだ。じゃあ、目いっぱい遊ぼう。」
「うん。・・・ところで鈴野さんはよくここに来るの?」
「え?なんで?」
「いや…ずいぶん受付の人と仲良さそうにみえたから。」
「うん、月3回くらいかな?」
結構多いな。あと、通っている回数をいう時の鈴野さんの照れた表情がかわいかった。
「じゃあ、はじめよっか。はじめは神谷君からどうぞ。」
まじか・・・。久しぶりだからうまくできるかわからないけど
「ほっと。」
・・・全然ダメじゃん。なぜ真ん中だけ倒れるの?俺の一投目は両端に2つずつ残す結果になった。これからはスペアも狙えないから、2本だけでも倒すか。
「よっと。」
・・・なんで?なんでガーター?俺ってここまでボウリングが苦手だったのか…。
「神谷君、肩に力が入りすぎてるよ。」
「えっ、そうかな?」
「うん、それにそのフォームだったら真直ぐにいかないよ。」
「基本のフォームはこうっだよ。」
鈴野さんは「こうっ」のところでボールを投げてこっちを向いた。だよのところの笑顔は可愛かったけど、後ろでストライクを出していた。・・・すげー。
その後、鈴野さんに教わりながらボウリングを続けた。結果はひどいことになっていたけど結構楽しかった。
「今日はありがと。」
「うん。こっちも楽しかったし、こんな機会じゃないと来ることなかったと思うし。こっちこそありがとう。」
「じゃあ、また明日。」
「うん、ばいばい。神谷君。」
・・・今日は楽しかったな…。また「や、離してください!」ん?なんだ?そう思い後ろを見ると・・・鈴野さんが柄の悪そうな男に絡まれていた。
ありがとうございました。
実は本来の予定ではこの20話ではもう戦闘シーンに入っているはずでした。・・・何が悪かったんでしょうかね?




