日常の終わり非日常の始まり
車でいっぱいの道路にピザの宅配のバイクが1つ、そのバイクに乗っている美少年、赤司 焔、これは、彼の日常で非日常の物語である。
俺は今、空を飛んでいる、乗っていたバイクと一緒に。
空って思ったより青いんだな。
「うわ。」
ピザはグチャグチャになっているだろう、困ったな、これじゃ配達出来ない。
道路も割れている、これじゃ配達どころか帰る事も出来ないじゃないか。
「てめぇ!死にやがれ!!」
「そんな物で俺が殺られるかよ!」
何か声が聞こえる、男が2人だ、その後に、
「?」
ナイフが飛んでくる、俺はそれを指でキャッチする。
「おい!投げんな!!人に当たったらどうすんだ!!」
「なら、お前が全部受けろよ!!!」
ナイフが大量に飛んでくる、イラついたので全て跳ね返す事にする。
「え?跳ね返っ……!?」
男2人は剣でナイフを弾く、そして2人の目線が俺に集まる。
「ナイフを投げないで下さい、危ないです。」
「…さっきのはお前がやったのか?」
「そうですが?」
て言うか無視するなよ。
「てめぇ、クソみたいな嘘付いてんじゃねぇよ!」
ナイフを投げてきた男が叫ぶ。
「嘘じゃないですが。」
「そーか、よ!!!」
男がもう一度ナイフを投げてきた、ナイフを掴み、折る。
「!?」
「ナイフ投げんなっつっただろうが。」
少々キレた。
「殺すぞ。」
「!…。」
男は1歩下がり、しばらくして黙る。
「いや、いきなりナイフ投げてごめんな、あいつもちょっと喧嘩して熱くなっただけなんだよ、許してやってくれ。」
ナイフを投げてないほうの男が謝る。
「いえ、解ってくれたならいいんです。」
俺はバイクを担ぎ、店に戻ろうとする。
「ちょっと待て!」
ナイフ男が止める。
「何ですか?」
「お前、名前は何だ?」
「赤司焔です。」
「…赤司焔、覚えたぞ!」
「そうですか。」
俺は店に戻る。
「店長、いきなり道路が割れて空飛んでピザがグッチャグチャになったので、新しく作って下さい。」
「全く意味が解らんが解った、おーい、ミント、シーフードピザ。」
「はい。」
店長がミントさんにピザを作らせる。
その間に、俺はバイクを見ておく、やはり故障していた。
「工具どこだっけ……。」
俺は倉庫に行き、工具を見つけ出す。
そしてなんやかんややってバイクを直す、ついでにガソリンも入れておく。
「出来たよ。」
ミントさんがピザを作り終わった、配達するためにバイクに乗る。
「じゃあ、いってきます。」
「いってらっしゃい。」
バイクを進める、近道は割れたから、遠回りしないといけない。
「…………。」
遠回りも車で混んでいた参ったな、ただでさえ遅れてるのに。
しょうがないから走っていく事にする。
「よっ。」
バイクを持ち上げ、道路の脇に置く、そして道路を走っていく。
―――
――
―
数十分後…。
「すいませーん、セブンピザです、ピザお届けに上がりました。」
ちょっとして、住人が出てきた。
「遅ぇよ。」
「すいません、道路が割れて。」
「もっとマシな言い訳考えろよ。」
「すいません。」
「まぁいいけどよ…。」
お金を受け取り、ピザを渡す。
「ありがとうございました。」
途中でバイクを拾って、店に戻る。
「帰りました。」
「おう、焔、お前もう帰っていいぞ。」
「え?いいんですか?」
「ああ、今日はもう客も来ないだろうからな。」
「はい、じゃあ帰ります。」
家に帰ると妻が…と言う訳では無い、俺は18歳で、アパートで1人暮らしだ。
シャワーを浴びて、テレビを見る。
『いや~怖いですね~。』
『そうですね。』
『いきなり道路が割れるなんて、怖いですね~。』
『そうですね。』
『私も車で通勤していますから、本当に怖いですね~。』
『そうですね。』
割れた道路の事をやっていた、つまらん。
すると、ドアがノックされた、誰だろう。
「はい。」
ドアを開けると、義理の姉が立っていた。
「え?炎華さん?」
「焔、来たぞ(あぁ~久しぶりの焔きゅんだ~可愛い~)。」
いきなり何だ、ずいぶん会ってないはずだが。
「何で来たんですか?」
「道路が割れたと聞いてな、この近くだから心配で来た(良い匂いするな~焔きゅん可愛いな~抱き締めたいな~)。」
何だ、別に心配無いのに、炎華さんは少し過保護だな。
()の部分は焔には聞こえてません。