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陸軍少年学校物語  作者: 崎ちよ
第11章  如月「戦火ノヨカン」
70/81

第70話「〇九三〇 こどもたち」

 ゴゴゴゴゴ。

 地面から響いてくる駆動音。

 大きく横揺れを始める船体。

 鳴り響く不気味な音。

 ガッコン。

 輸送艦熊野は港に接岸している。

 無理やり動いているのかもしれない。

 船体が急に傾く。そして、横滑りをするように接岸部分が離れていく。

 バランスを崩した学生達。

 次郎も例外ではない。

 必死に膝を柔らかく動かし、倒れないようにもがいている。

 それには理由があった。

 彼はラッキースケベが降臨していることを承知している。

 そのため、絶対にそれを起こさないように細心の注意を払っていた。

 力み過ぎて汗ばんだ拳は取っ手のようなものを掴んでいる。

 それだけ、今日のラッキースケベの神様は怖い。

「きゃっ」

 悲鳴。

 三島緑だ。

 バランスを崩し、倒れそうになっていた。

 次郎はとっさに手を伸ばして助けようとしたが、急に手を引っ込める。

 胸でも触ったら大変なことになると思いなおしたからだ。

 結局彼女は宮城京が伸ばした手に捕まり、倒れることはなかった。

 次郎は安堵のため息をつく。

 その時だった。

 もう一度大きな横揺れが彼らを襲った。

 悲鳴を上げる学生達。

 次郎は取っ手を離すまいと気張る。

「あっ」

 風子だった。

 手が滑って、掴んでいたものから離れていた。

 ふらつく足。

 次郎がいる方向に手を伸ばした。

 だが、壁際には届かない。

 もし転んだとしたら、地面は硬い鉄板。しかも滑り止めのギザギザがついているため、傷を負いやすい。

 それでも次郎は耐えた。

 いつものように助けようとする自分を。

 きっと誰かが助けるはず。

 緑は京が助けた。

 いい前例。

 これ以上、ラッキースケベを背負い込むと、ロクなことが起きないと確信していた。

 本当にどうしようもない運命。

 そんな中、倒れそうになる風子と目が合った。

 ギュッと目をつぶる次郎。

 ――あああああ。

 心の中で彼は叫んだ。

 ――ちっくせう!

 覚悟をした。

 きっと痛い目に合うと思いながら動く。

 左手で取っ手を確保し、そこを支点に右手を伸ばし円運動を行った。

 倒れかけた風子。

 彼女は覚悟をして、受け身を取ろうとする。

 手ぐらいズリ剥けてもしょうがない。

 そういう気持ちで両手を顔面の前に出した。

 だが、両腕に痛みは走らない。

 地面に平行な状態で浮いた風子。

 お腹に圧迫を受けたから、それが少し痛かった。

 それだけだ。

 次郎が彼女の腰を抱え込むようにして支えていた。

 そのままぐいっと抱き寄せ、取っ手に掴ませようとする。

 風子は取っ手の場所が見えず、バランスを保つためぎゅっと次郎にしがみついてしまった。

 余裕がないため、風子は顔を伏せる。

「ご、ごめん」

 彼女はとりあえず謝った。

「あ、うん」

 次郎は気の利いたことが言えない子である。

 ――助けるため。

 そう彼は心の中で唱えながら風子を抱き寄せる。

 いつまでもアンバランスな状態じゃまずい。

 自分の立っている壁際に彼女を引き寄せなければならない。

「こっち、握って」

「……え、あ、うん」

 風子は手を伸ばし、次郎と同じ取っ手を掴む。

 そして自分のおかれた状況に気付き赤面した。

「じーろーーーきっさまああああああ!」

 叫び声……いや、泣き声だ。

 大吉は涙と鼻水を垂らしながら次郎に向かっていった。

「風子さんにいいい! 風子さんにいい! 俺の風子さんにいいい!」

 三回言った。

 風子はトホホという顔をする。

 俺のって……と思ったが、こういうのはツッコんだら負けであることはわかっていた。

「いや、これはほら、あれだから」

「ほらじゃないあれじゃない」

「そんなことより、今は状況を」

 何気ない次郎の返し。

 そんなことより。

 風子は今の状況が『そんなことより』と一蹴され、少し傷ついた。

 続く嫌悪感。

 こんなことで傷ついてしまう、中途半端な自分に。

 そういう自分が気持ち悪いと彼女は思っていた。

 揺れが収まる。

 安心したのか、学生達がざわめきだした。

「何があったんだろう」

 だれかがつぶやいた。

 港の方向ではガチャガチャいう音が聞こえる。

 また艦が動いた。

 横に、少しだけ動いていた。

 もう船は停泊状態ではないということは誰もが感覚でわかるぐらいに、ゆったりと船体が揺れている。

 さっきのガチャガチャという音。

 あのタラップが崩れ落ちた音がなったんだろうと、次郎は推測した。

「艦に閉じ込められた……か」

 次郎は直感的にそう思い、それが言葉に出ていた。

「次郎、なんだよ、それ」

 不気味なものを見る様な表情を大吉が向けた。

「総員退艦っていったのに、急に動いた、そして俺たちはここにいる、つまりそういうことじゃ」

「……訳わかんねえ」

 格納庫の奥にある武器庫。

 冷たく光る自動小銃(ライフル)短機関銃(サブマシンガン)

 手に取れと少年少女に言っているかのようだ。

「次郎、何が起こったんだろう」

 京が聞いた。

「わかるはずないよ」

 次郎は自分でも気持ち悪いほど冷静に答えてしまった。

 気持ち悪いぐらいに、肝が据わっていることは自覚があった。

 砲雷長の山岡少佐。

 ――もし、何かあったら君たちもそこの武器を使った方がいい、陸軍軍人の端くれだろう。

 あの言葉を聞いた瞬間だった。

 次郎がその男を恐ろしいものだと思ったのは。

 そして、あの言葉を聞いてからは神経が研ぎ澄まされていた。

 ラッキースケベの神様に翻弄され、冷静さを失いそうになっていたけれど。

「でも、やばい感じはする」

 そう京に答えた。

 眉をひそめる京。

 眼鏡をクイッと上げる。

『ピヨーーーピーー』

 艦艇独特のサイドパイプの合図だ。

 何か放送があるらしい。

『私は平和を愛する市民の、前田通です』

 そんな自己紹介から始まった演説。

 館内放送向けというよりも、外の人間に語りかけているものだった。

『この輸送艦は戦争のための道具を運ぶ船』

 学生の次郎でも気が抜けるような内容。

『平和を愛するわたしの仲間たちの協力のお陰で、この国の平和を守ることができました』

「シージャックすることが平和を守ることかよ」

 次郎がぼそっと声に出す。

 きっと、人質とか、爆発物仕掛けたとか言って乗っ取っているのかもしれない。

 そして、前田通。

 テレビ取材の人だ。

 しゃべり方がテレビ向けだ。

 生放送をしているのかもしれない。

 いや、このご時世だ。

 ネットでライブ放送もありだな、と次郎は思う。

 何の意味があるのか?

 まったく彼は理解できなかったが。

 その理解できない演説は、平和の大切さとか、帝国がロシアに加担する理由で政治批判とか、次郎達が誰でも知っているような、ステレオタイプのありふれた言葉が並べられた。

『人質は同盟国の留学生です、軍人、一般人ではありません……人殺しを職業としている……人間です』

 前田通はそう言い切った。

 人質をとるために信じた言葉。

 軍人は人殺しをしている職業。

 だから、正義のために、人質としてもいい。

 モスクワに行ってしまった、彼を、はやく戻すため。

 だまされて、軍事になってしまった彼を『まともに』するため。

『要求に応えなければ、報いを与えます』

 次郎の顔つきが変わる。

『艦内に残っている人はその場から動かないように、艦橋ではすべての区域の状況をカメラで監視しています』

「脅しか」

 次郎が眼球だけ動かして、カメラらしくものを見た。

『格納庫の学生たちも静かにしていてください、残念ながら、あなたたちを守るべき大人達は捕縛しています』

 それを聞いた学生のうち八割がその場にへたり込むようにして座った。

 不安な視線。

 不安な声。

 ――まじかよ、どーすんだよこれ。

 ――うわ、まじやべえ。

 ――帰りたい。

 ――冗談きつすぎ。

 そんなことを言っている。

「……俺は行く」

 次郎は武器庫の小銃に手を伸ばした。

 すでに弾が込められている弾倉を二つ握る。

「次郎……」

 大吉が次郎の袖をつかむ。

「俺たちは子供だ」

 次郎がその手を掴む。

「……大吉、そんなんじゃない、サーシャや幸子、ボブが人質にされてるんだ」

「そんなんじゃない」

 大吉は次郎と意味は違うがまったく同じ言葉を使う。

「考えよう」

 大吉は頭ひとつ背の高い次郎を見上げてそう言った。

「……考えるって」

「俺たちは子供だ……だから、大人達も子供だと思っている」

「何を今さら」

 大吉が言っていることを理解したんだろう。

 京が頷きながらぐいっと次郎と大吉に顔を近づけた。

「それが隙だ」

 京が得意げに言う。

 大吉が頷いた

「……隙」

 次郎がそう呟いて考えるそぶりを見せる。

 そして、すぐにうなずきだした。

 なるほど。

 そういうことを口だけ動かして言っている。

「なめてかかってくる敵ほど怖くないものはない」

 次郎がそう言うと、大吉はコクリとうなずいた。



 そんな風に学生達が格納庫でやっていた頃、留学生たちは更に緊張した状況に陥っていた。

「……」

 無言で近づく陸戦服を着た海軍軍人。

 ボブが素早いフットワークで身をかわし、鋭い右ストレートを男に入れる。

 いい間合い。

 あと半歩踏み込めば確実にヒットするだろう。

 顔面しかも顎。

「……No way!」

 ありえない。

 そうボブが叫んぶ意味もわかる。

 男は鼻っ柱を真っすぐ向け、ボブのストレートを顔面に受け止めていた。

 ゾッとするような笑顔を変えることなく。

 その笑顔はあっという間にボブに迫っていた。

 次の打撃を入れるまでもなく、敵は間合いを詰めていた。いや、詰められていた。

 恐怖の表情にボブの顔が引きつる。

 その時だった。

 甲高い気合の声とともに、渾身のハイキックが男の顔面を襲う。

 横合いからサーシャの蹴り。

 近距離からの見えない角度、鞭のような蹴りだった。

 手ごたえ。

 それがなかったため、サーシャは眉をひそめる。

 最高のタイミングと思った瞬間だったからだ。

 笑顔の男はサーシャの蹴りの瞬間左手を側頭部に添え直撃を避けていた。

 手ごたえで分かっていたのだろう、彼女はもう一発間断なく逆足で放つ。

 そしてまた同じ防護。

 敵はそれを防いだ瞬間、サーシャの方向へ二歩進む。

 仰け反るように気負された彼女はプライドを傷つけられた。

「こんのお!」

 顎の下から右手で掌底を撃ち込もうと踏み込んだ。

 その時……。

 ちぎるようにその右手を横合いから左手で掴み取りサーシャの自由を奪う。

 そして、手のひらで顔面を強打した。

 サーシャの頬、いや顔面全体を覆うように敵の手がぶつかってくる。

 その勢いもそのままに、派手な音がたてられ、サーシャの体が文字通り吹き飛んだ。

 彼女は鈍い音とともに、壁に叩きつけられた。

 脳が揺れ、くらくらしているのかもしれない。

 彼女はそのままずるずると地面に尻餅をつく。

 首が前に垂れた。

 ボタボタ……。

 彼女の制服に赤い斑点が数か所できた。

 腫れた顔の右半分、その鼻から鼻血が垂れている。

「子供は大人しくしていた方がいい」

 大人の敵はそう、警告した。

 幸子がサーシャに駆け寄った。

 冷やすものは何もない。

 ハンカチで鼻を拭うが、貼れた頬を見て、一瞬顔を背けた。そして、目の前の男を睨みあげる。

「そうだ、それが正しい、怯えた顔で大人を見あげろ」

 彼はそう言ってサーシャ達を見下ろした。

「大丈夫、まだ殺しはしない」

 尻ポケットから小型の機械を取り出す。

 彼はそういうと、容赦なくサーシャの肩にそのむき出しの金属部分を押し付け、スイッチを押した。


 

 前田通の演説は唐突に終わった。

 プツリと。

 まだ途中だったが、本当にプツリと消えた。

 それから三十分以上続く沈黙。

 艦内は静かだった。

 あれだけ唸っていたエンジン音は消え、艦や波止場にぶつかる波の音が微かに聞こえる。

 たまに、響く金属音。

 誰かが、忙しく階段を上っているのかもしれない。

「なあ、なんだよ、これ」

 大吉がボソッと言う。

「シージャック」

 次郎が棒読みで応えた。

「そんなこと、普通は軍艦にしないよな」

「しないだろうな」

 次郎の代わりに京が答えた。そして言葉を続ける。

「サンクトペテルブルグ行きの輸送艦」

「民間のフェリーとかならわかるけど」

 そんな大吉の言葉に次郎が頷く。

「前田通は、この艦艇を行かせないことが目的」

 次郎がそう言うと風子がぽつりと言う。

「ああやって演説してみんなに訴えることが目的じゃないのかな、さすがに行かせないということはできないと思うけど」

「うん、いかれた一般人ならそんなもんだろう」

 次郎の声は鋭くなっている。

「だったら、艦が港に居てもいい……動いたということは、少なくとも艦艇の駆動系の部署は敵の手に落ちている」

 大吉が坊主頭の両端を人差し指でクルクルしながら目をつむった。

「目的は、帝国陸海空軍の撤退だよな」

 何を当たり前のことをという表情の京。

「おかしくねえ?」

「何が」

「いやだってさ」

 ふたりの肩を叩く次郎。

「大吉が言う通り、おかしい……これがいかなくても目的は達成されない」

「でも、前田通は演説したよな」

 子供にもわかる変な内容だったけどと、京はぼそりと付け加えた。

「あんなんじゃ、撤退はない、こんな輸送艦一台で補給がないので帰ります……っていうほど物資が足りてないとか聞いたことがない」

 次郎は断言する。

 すると、大吉が拳を握って次郎を見上げた。

「目的は別にある……」

「いや、艦艇をシージャックするぐらいの敵……やっぱり撤退を目的にする以外はないと思うけど」

『ピヨーーーピーー』

 艦艇独特のサイドパイプの合図がまた鳴った。

『艦内の陸軍少年学校の学生に告ぐ、今すぐ格納庫のハッチに集まるように、大丈夫、そのまま出てくればいい、そこにある火器には絶対に触れないように』

 学生達がまたざわめく。

『さっきの侵入者は制圧した、大丈夫、君たちはすぐに保護する』

 プツンと唐突にマイクのスイッチを切った様な音をたて、放送が終わる。

 武器庫の扉に手を触れようとする学生。

「待って」

 次郎が制した。

「初めに聞いた艦長の声じゃない」

 総員退艦といったあの声とは違う。

 そんな言葉を聞いて不安そうな声を出す同級生達。

「……なんだよ、次郎」

 不気味なものを見るように大吉は次郎を見た。

 すごく冷たい表情だったからだ。

「終わってなんかない」

「制圧したって」

「あのモニターで俺たちの安否は確認できるだろう、なんで今更出て来いって」

「安否を確認したいんだろう」

「たった三十分で、動力まで動かした敵を制圧したとか、ありえるか?」

「もしかしたら」

「騒ぎも聞こえない」

「隠密に、とか」

「そんなに弱かったらそもそもシージャックされない」

「……じゃあなんだと思うんだ」

 次郎は学生達を見わたす。

「よくわからないというのが本音」

「っおい」

 大吉がツッコミを入れるが、次郎の表情は固まったまま。

「目的が帝国軍の撤退させるとしたら」

「……私達を人質」

 風子がぼそり、とういった。

「だって、あれはないって」

 緑が言葉を添える。

「俺たちを殺すわけじゃない……ってことか」

 大吉がうなずく。

「武器庫に居ることを敵が知ってるから、抵抗される前に騙そうとした」

 次郎はそう言うとため息をついた。

「……そんな手に乗るわけにはいかない」

 そう言うと次郎は手に持った小銃に弾倉を装着した。そして、槓桿(コウカン)を戻し弾丸を装填(ソウテン)した。

「俺たちにはこれがある……戦おう……ボブや幸子、サーシャも待っている」

 静かに燃える次郎。

 彼は冷静だ。

 もうすでにカメラは目張りした。

 この光景は見られていないことはわかる。

 でも、サーシャがどこにいるかもわからないので、今は格納庫で敵を迎えうつしかない。

 たっぷりと時間稼ぎすれば、きっと外の大人達が助けにくるはずだと彼は思った。

 なにせ、ここは国内。

 海軍基地の敷地内でもあるし、艦艇が勝手に動いたのだ。

 異変に気付いているはずだった。

 それに、前田通の放送も流れていれば、すぐに対応するだろう。

 大吉も触ったことのあるタイプの小銃に手を伸ばした。

 他の学生達はそれに習った。

 重たい小銃。

 鉄の塊をプラスチックで覆った小さい兵器。

 撃ったことはあるが、それで人を狙ったことはない。

 大吉は射場以外で込めたことがない実弾を装填した後、微かに震えた。

 一方、京はそんな光景を見ながら、気になる言葉を反芻していた。

 ――そこにある火器には絶対に触れないように。

 わざわざそんなことを言うのか。

 ――そこにある火器には絶対に触れないように。

 触れるなと言われれば、触れるのが人間というものじゃないか。

 まして、危険な敵がいるとわかっている俺たちなら。

 怖さと、不思議な熱気に包まれる学生達から一歩離れた京は、なんとも言えない気持ち悪さを覚えていた。

 敵の目的は、帝国軍をモスクワから撤退するための世論を形成することである。

 敵は何をしたいのか。

 京は考え続ける。

 同じく準備を整えながら次郎も何か、ひっかかっていた。

 だが、人質の留学生たちのことを考えれば、その考えを、怯えを抱くことを排除していた。

 ――俺は冷静だ。

 次郎はそう思う。

 大人もいないのなら、俺がどうにかしないといけない。

 考えろ。

 敵の目的がどうのという意味ではない。

 まもなく近づく敵に対してどう対処するか。

 こんな、力がない学生達が小銃を持っただけで戦えるのか。

 そんな不安もある。

 でも、すんなりと覚悟ができていた。

 落ち着いていた。

 そんな自分の状態に驚く。

 それを当然のように思う自分もいた。

 どう戦うか。

 次郎はそのことに集中していた。 



次回は少し時間を巻き戻し、大人視点になります。

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