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第3話 模擬戦②

「護衛兵隊隊長相手ならこれかな。天墮家武闘術弐乃型・・・『龍対拳』!!」


俺は拳をぐっと強く握ると対をなす龍のようなパンチを繰り出した。


「・・・『弐狼突き』!!」


アネモネはそれを難なく交わすと突きを二連続で繰り出してきた。


「!(・・・龍対拳を交わされた。あれ以上の速業を俺は・・・!!)」


俺はそれを慌てて交わすと龍対拳以上の速業を持ってないことを悔やんだ。


そんなとき、俺の脳裏を過ったのは幼い頃に龍玄のじじいが言っていた言葉だった。


(ねぇー、お爺ちゃん。例えばさ『龍対拳』が交わされたらどうするの?)


(・・・・・・諦めるのじゃ)


(!?どう言うこと?諦めるって)


(正確には自分から当てようと突っ込んでいくのではなく突っ込んでくる勢いを利用するのじゃよ。)


「・・・(そう・・・利用すんだ!!勢いを!!)」


俺は龍玄じじいの言う通りあえて構えず突っ立っていた。


「かんねんしたようね!!では、これで終わりにしましょう・・・『狼流牙』!!」


俺が観念したと思ったのかアネモネは流れるような動きで突きを繰り出してきた。


「天墮家武闘術弐乃型・・・『龍対拳』!!」


突きの威力と勢いを利用して一気に詰め込みパンチをいれた。


「・・・くっ!!私の負けよ!!」


アネモネは悔しそうな顔をしながらも負けを認めた。


「・・・なかなか、やるわい(笑)勇者殿。次は儂が相手いたそう!!」


アネモネと俺の戦いを見ていたじいさんが大剣を抜くと観客席から闘技場の真ん中に来た。


「武器はその大剣か?」


「いや・・・武器はこの拳じゃわい!!」


そう言うとじいさんは大剣を鞘に納めた。


・・・って、使わないのかーい!!


俺はその行動にずっこけた。


「さて、冗談は程ほどに少しは遊んでやるか?(・・・・・・・・・)


「!(この殺気はやべぇ!!)あんた、名前は?」


「儂はアネモネ=グランディスの祖父で現・護衛兵隊総隊長のキタコブシ=グランディスじゃ!!」


「俺の名前はリュウだ。」


俺たちはお互いに名乗ると構えた。


「では、参る!!」


「・・・!!」


キタコブシは目にもとまらない速さで俺の懐に入り込むと殴ってきた。


俺はそれに反応できずに殴り飛ばされてしまった。


「いてぇー!!死ぬかと思ったわ。」


俺はわざとらしくそう言うとおかえしとばかりに殴ってやった。


「この程度ですかな?蚊が止まったのかと思いましたわい。」


「・・・ちぃ!!」


まじかよぉ!!効いてないとか・・・


俺は舌打ちをすると間合いをあけて構え直した。


「こちらの番ですかな?いかせてもらいますぞ。」


キタコブシはニヒルな笑みを浮かべると先程の倍の速さで俺を殴った。


「・・・」


ん?なんだ・・・大したこと・・・


「がはっ!!」


俺はワンテンポ遅れて殴られたことに気付いた。


「これぞ、儂が編み出した技・・・『死角突き』ですじゃわい(笑)」


キタコブシはそう言うと追撃を加えるために構えた。


「これで終わりですじゃ!!『花蓮撃』!!!!」


「・・・天堕家武闘術無心の構え『天地の理』」


俺は天堕家武闘術の三大禁術の一つ、『天地の理』を使うことにした。


何故禁術扱いかはあとで説明するとして・・・


とりあえず今はこちらに向かってくるじいさんを何とかしないとな。


「ふぅ・・・。」


俺は息を吸うと気を右手に集中させ始めた。


「観念したのですかな?」


じいさんは更にスピードをあげると俺の懐に入り込み鋭い一撃をいれた・・・ように見えた。


だが・・・それよりも先に俺の技が決まった。


「天堕家武闘術奥義・・・『天龍拳』」


俺の右手は天を翔る龍のように速く重たい一撃をじいさんの懐にいれた。


「儂の負けじゃわい!!ホッホッホッ!!」


じいさんは平気そうな顔で笑うと負けを認めた。


「すげぇぞ!!流石は勇者だぁ!!」


ギャラリーその1が俺たちの戦いを見てそう言うと周りのギャラリーもそれに便乗してそうだ!!さすがだ!!と言い始めた。


「さすがです。勇者さま・・・」


「おお、王女さまの登場だ!!」


ギャラリーその1が王女さまの登場に興奮し鼻息を荒くしてそう言った。


えっ?どこ・・・どこにいるの?


わたくしがミーア王国第一王女のミーア=キャサリンです。」


俺は聞き覚えのある声に振り返ると先刻、森で助けた少女がドレスを着てたっていた。


「ええー!?」


俺はあまりのショックに(どのくらいショックかというと幼稚園のとき好きだった子に彼氏がいたということを小学生になってから知ったというくらい)固まった。


そんな俺に止めをさすかのようにキャサリンは衝撃の発言をした。(いや、キャサリンが王女だということをこのタイミングでカミングアウトしたことも衝撃だけどさ。)


わたくしが勇者さまを召喚したのです。」


「!?」


再び俺は固まった。


「・・・!!なっ主が異世界人いせかいびととだと?!」


ヤミは俺以上に驚いていたのか客席から身を乗り出していた。


「・・・俺を召喚したと言ったなおれはてっきり女神のやつがこの世界に飛ばしたのかと・・・」


おれはこの世界に飛ばしたのがくそ女神アストレアの仕業でキャサリンの召喚と重なっただけかと思ったがキャサリンの真剣な眼差しを見て信じざるおえなかった。



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