詩二篇 「色鉛筆」 「壁」
「色鉛筆」
削る
シュルシュルシュル
小さな 機械じゃない
えんぴつ削りで
手で回して
シュルシュルシュル
色の破片が
浮き出てくる
みずいろは
思うほど
水色じゃなく
くろだって
影の色ではなくて
みんな
光の色
だいだいいろも
むらさきも
あかも みどりも
シュルシュルシュルって
みんな
光の中に
生まれてきたの
「壁」
誰に伝えたいのだろう
どう伝えればいいのだろう
歌っても歌っても
消えない心の壁
言葉で伝えるしかないのだろうか
もっとなにか
もっともっと
伝えたいことがあるのに
壁の向こうに