聖女を処刑したら
まあまあ、ようこそおいでくださいました、王太子殿下。それに……そちらのお嬢様も。
十分なお出迎えも出来ず申し訳ありませんね。見ての通り私はもう、このベッドから起き上がることさえ出来ない身でして。どうぞこちらの椅子におかけになって……
それで、今日はどういった御用でしょうか?
……えっ、あの子は偽の聖女で、こちらにおられるご令嬢が真の聖女だと。それであの子を処刑なさったのですか!?
……ああ、何ということでしょう。
真の聖女に引き継ぎですか?ええ、かまいませんよ、お教えいたしますとも。殿下、あなた方は聖女がどういうものか勘違いをしていらっしゃるようですから。良い機会です、どうぞ私の長い話にお付き合いくださいな。
むかしむかし、この国が滅びる寸前だった頃の話です。
この土地は魔物が蔓延り、人々が次々と食い殺される地獄のような場所でした。王は何も出来ず、涙を流し神様に祈るだけだった。
神様というのは、本当に気まぐれなものでね。救いを求める王の言葉をたまたま聞き入れた神様は、面白半分に願いを叶えて差し上げました。魔物からこの国の人々を守る守護を授けたのです。おかげで国は栄え、今やこのように大きな国となりました。
……ですが、神様が気まぐれに授けた守護なんてそう長続きしません。神様は守護の維持が面倒になって、配下の二人の天使に丸投げしました。
その二人の天使――つまり私たちが守護の維持を請け負ったのですが、天使の姿で長く地上に留まることは出来ない決まりになっておりますの。
それで私たちは、交互に人間に転生することにいたしました。
……交互に転生と言われてもピンと来ないかもしれませんね。
私が人として生まれ守護の維持をし、年老いてそろそろ寿命を迎える頃になると、天界にいるあの子がこの国のどこかの夫婦の子として生まれ落ちるのです。その子を私が次の聖女として保護し育て上げます。そして私は天寿を全うし天界へ還り、あの子が守護の維持をする。今度はあの子が年老いて寿命を迎える頃に私が人の子に生まれ変わる……その繰り返しです。
気の遠くなるような年月を私たちは無限に続けてきました。
聖女とは人に転生した天使のことですよ。
私たちが役目を果たすために便宜上使っていただけにすぎません。
なにせ肉体は人間でも中身は天使ですから。
物心つく前から普通の子どもと違う行動を取ってしまいますの。親の中にはそれが気味が悪いと感じるようで、稀に捨てたり殺そうとする者もおりました。
ですから、生まれたらすぐに迎えに行って『聖女の御託宣があった』などと言いましてね、親元から引き離して神殿で保護する必要があったのです。
聖女という大層な名は、親から子供を合法的に奪うための大義名分。それ以上でも以下でもございません。
ですからね、王太子殿下。
あの子があなたと婚約する意味も必要性も、最初からこれっぽっちも無かったのですよ。それを偽物だからと処刑してしまうなんて。
……まあ、こちらは守護を引き継ぐ手間がなくなって、随分と楽になりましたけど。
きっとあの子も今頃、天界へ戻って『人間は守護を必要としておられないようです』なんて、神様に報告しているでしょうね。ずっとこの役目を面倒くさがっておりましたから。
……本当に人間は愚かな生き物ですねぇ。
おや、お二人とも顔色が悪そうですが、どうなさったのですか?……はあ、『これからどうなるのか』ですか。
それはもちろん私の人としての寿命が尽きるのと同時にこの国の守護が消滅いたします。そうなりましたら……ええ、また昔のように魔物に蹂躙される日々が訪れるでしょうねぇ。
……どうにもならないでしょう。殿下ご自身が選ばれたことですもの。
でも、大丈夫ですわよね?そちらのお嬢様が真の聖女様なのでしょう?
でしたら、これから押し寄せてくる魔物たちからも、その素晴らしいお力で人々を守ってくださるはずですわ。
あら……少し寒くなってきましたわ。それになんだか、とても眠くなってまいりました。……私は一足先に、休ませていただきます。
どうぞ、お二人で力を合わせて頑張ってくださいな。……おやすみなさい
最後までお読みいただきありがとうございました。
老齢でお亡くなりになる方がこんなに長々と語ったりはしないだろうと書いた後に思った。
今回はAI(Gemini)に生成したものを大幅に修正し、それをまた誤字脱字とアドバイスをいただきました。




