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魔導士の血は魔女が拭く!  作者: Wahrheit2026


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第17話 起死回生との出会い

翌日、マリエッタは本国に戻ることになった。


休暇は今日までらしく、明日から任務に復帰らしい。


「何とかブルーメントリット家の重要事ということで休暇を取れてよかったわ。あと一歩遅かったらあなたはまずいことになってた・・・・・・」


「マリエッタ・・・」


「心配しないで、私は父ととともにあなたを陥れた人間のことをできるだけ情報を集めてみる。不定期になるだろうけど私からも連絡をよこすから、できるだけここから離れちゃだめよ。最低半年はここで身を隠しておいて。その間にこの事件の真相についてのできる限りの証拠集めと、あなたを中立国へ密かに亡命させる手引きをするわ」


そう言ってマリエッタは馬で帝国首都へと帰っていった。


マリエッタ曰く、ここには特殊な結界を張ってあるから魔物や魔導士部隊の探知にも引っかからなくなっていると言っていた。


たしかに結界の感じはする。


中に入ったら外からは魔力を探知される心配がほぼない。

高位の魔導士であってもこれなら魔力探知を仕掛けてきても簡単にはバレないはずだ。



けれど魔力が大幅に弱くなってしまった私には以前のような外敵の魔力探知ができない。


定期的に魔力で意思を持たせた伝書鳩をこちらへとよこすとも彼女は言っていた。


隠れ家へ戻る。


マリエッタの家は帝国貴族のブルーメントリット家らしく内装は質素ながら豪華だ。


その中に複数の魔導書があった。


以前なら見ただけですぐにその魔法を仕えた。


私はある魔法を試してみた。


以前ならすぐに術式を展開できたのに全く手のひらから何も出ない。


私は改めて自分の置かれた状況への絶望感にとらわれた。


けれど、親友の手引きで地獄からとりあえず逃げられたことに安堵した。



それから数日間、私はこの辺境の一軒家で生活する術を何とか整えた。


だが、魔法力がほとんど発揮できない。


魔法力が尽きた時のために幅広いサバイバル技術は習っていたからそれほど生活には困らないとはいえ、魔導士としての生き方に慣れてきた私には正直苦痛だし、何よりも屈辱だ。


考えながら外でまき割をする。


斧をはじめ最低限生活に必要な道具はあった。


マリネッタがわずかに使えるように解呪してくれた魔法も駆使する。

火は基本的な火炎魔法の初歩の初歩でいくらでも起こせる。


うまい具合に一軒家の裏手の藪に隣接して井戸があった。

つるべを落としてみる。


チャポンッ!と着水する音がした。


力を入れて引き上げる。

軋む滑車はさびているが十分使える。


引き上げたツルベの中に入っている水は見た所きれいだ。


異臭や腐敗物などが浮かんでいる様子はなく、透明度も高い。


だが、念のためにサバイバル訓練で習ったやり方で浄水する。


昨日燃やした薪の炭を使い、中が中空になっている木を伐採してその中に砂利じゃりなどと共にその木炭を詰めた。


それに流し込み、そこに開けた穴からろ過した水をヤカンの中にいれた。


暖炉で静かに燃える熾火の上に細い鉄棒を曲げた台を置く。

その上にヤカンやフライパンを置けばすぐに調理ができる。


そこにろ過した水を入れたヤカンを置いた。

数分後、ほどよく沸いた熱湯でコーヒーを淹れる。


それを持って外に出た。


朝日がまぶしい。


だが、本来自分はここではなく帝国魔導士本部の宿舎でこの光景を見ていたはずだ。

今も自分がなぜこんなところにいるのか・・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


生活も安定してきた1週間後のある夜の事。


マリエッタの用意してくれた隠れ家の本棚にある魔導書を寝る前の日課にし始めた矢先のことだった。



一日の生活が終わり、近くでとれたベリーの若葉から作ったハーブティーを飲みながら寝る前の魔導書の読書をしていた時、その中に妙な記述があった。



その人の運命を打破できるものを得られる魔法の術式というものだ。




私は眠気の中、半ば冗談でその術式を詠唱した。


すると、その部屋の中に広大な魔法陣が展開された。


封印されてできないはずのかつては当たり前にできた上級魔法の術式。


私が慌てていると、リビングの方から鈍い金属音などの音がするのが聞こえた。


慌ててリビングへと向かう。


そこにあったのは、今まで見たこともない“何か”と書物の山だった。


外見からして金属などで出来ている“何か”と、多くの見たことのない書物の山。


私は眠気が一気に吹き飛び、黒や砂の色で覆われた”それら”と金属の箱、書物の山を前にただあっけに取られていた。




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