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おれ ―運命が分かる男―
おれは転生するときに、「運命予知」を授かった。
これがあれば完璧だ――少なくとも死ぬことはないし、あわよくば億万長者だって目指せるだろう。
最初は、毎日がわくわくでいっぱいだった。
異世界は見たことのないものばかりだったし、運命を予知できることが楽しかった。
だが、だんだん飽きていった。
目の前で演じられているのは、もともと知っている劇。
目新しさもなく、オチまでわかりきっている。
自分が介入して結末を変えたとて、それもわかりきっていたこと。
――おれは、生きる楽しみを失ってしまった。