【用語】貴族
『貴族とは、家名に巫女様より頂いた名を戴冠した者であり、世界を支える柱となることを望んだ者である』
【アルシエール地方の場合】
貴族となるには、黄昏の巫女に認められなければならない。
認められるには「神殿へ多額の寄付をする」「後世に残すべき技術を持っている」「騎士団や福祉に大きく貢献する」など、世界にどれだけ貢献したかを証明する。
巫女が認めるとあるが、実際は貴族の中でも財力と影響力のある『五大貴族』の会議によって推薦、協議され、承認されれば巫女より『冠姓』が与えられる。
そのため、推薦してくれた貴族へは忠を尽くすことが求められる。
【例】
■シェーンローデル家に推薦されたファリエール家が貴族となった場合:暗黙の内にシェーンローデル家の傘下に入ったことになり、政治の場では同調を求められることもある。シェーンローデル家の領地にある一部地域の統治を任されることもある。断ることはできない。
《貴族税》
年に二度、春と秋の万聖節に『貴族税』を収めなければならず、継続性を示す必要がある。
納税の仕方は貴族になった時に巫女へ宣言したものを収める。これは民より高い地位にいることの責任であり、世界(女神)との契約でもある。
納税方法は様々で、金貨や物品だけでなく、建築物や建造物の場合もある。
宣誓を長期間守れなかったり、質が落ちてしまったりすると、神殿で協議され貴族の地位と冠姓を剥奪される。
【例】
■豪商が「私は金貨を千枚収めます」と宣誓したら、年に二度金貨千枚を納める。
■職人が「私は騎士へ捧げる武器を五百収めます」と宣誓したら、年に二度剣や槍などを五百本収める。
《聖騎士に貴族は少ない?》
聖騎士が武勲を立てて貴族となる例がないのは、滅私奉公を前提とする騎士の精神にそぐわないという暗黙の了解があるため、協議で落とされる。
貴族は意外と忙しい(シェーンローデル家で言えば、多くの子会社を持つ大企業社長となる)ため、拘束力の高い聖騎士との両立は不可能に近い。
聖騎士になる貴族のほとんどは分家で末端などの家督相続に関係ない者か、興味のない者が多い。
《貴族になるとどうなる?》
政治への参画が認められたり、巫女への謁見が許されたりと特典がある。
しかし、推薦してくれた貴族の傘下に入るため、発言の自由などはあまりない。
《五大貴族とは?》
長い間、貴族としての地位を維持している家は『五大貴族』と呼ばれ、神殿への影響力が大きい。貴族への推薦、協議なども行っている。
また、アルシエール地方にそれぞれ広大な領地を持っており、それを更に小分けした分領地を自分たちの傘下である貴族に収めさせている。
現在は大陸で一番大きな商会と北の領地を持つシェーンローデル家。
竜人王の血筋であり太古に邪神が復活した時に封印に貢献した北西に領地を持つハルテリウス家。
各地に孤児院を建てたり難民を支援したりしている南東に領地を持つ獣人のカルカテルラ家。
聖なる巫女や神官の法衣や錫杖を作ることを認められている南西に領地を持つ亜人のヘルツォーゲンベルク家。
比較的歴史は浅いが商才で成り上がった北東に領地を持つカディルヴァーレ家となっている。
《貴族と結婚したらどうなる?》
基本的に『個人』ではなく『家』に与えられるもののため、平民と貴族が結婚した場合、男も女も冠姓を捨てて平民側の姓を名乗ることとなる。
そのため貴族同士の結婚が普通であり、生まれてすぐに婚約者を決められることが多い。