魔法陣について
魔法陣について
魔術では、偏位させた魔力を操作して魔法陣を形作り、発動の意思を示すことで任意の事象を引き起こす。この一連の動作を【魔術を発動する】と表す。魔法陣は円と直線、文字から構成される。魔術を発動させるために必要な魔力量は、基本的にその発動のための魔法陣を作るのに必要な魔力と等しい。
魔法陣の仕組み
魔法陣を用いて魔術を発動することができる理由はいまだに解明されていない。一説には高次の存在がそのような規則を定めたといわれているが、その真偽は不明である。
魔法陣は円と直線、そして【魔道文字】から構成される。それぞれの役割は、円と直線は発動する魔術の種類の決定、魔道文字は距離や威力などの微調整である。基本的な魔法陣は全体を円に囲われているが、後述する一部の魔術の発動法では、円の周りを一回り小さい円を並べて囲うなど例外も存在する。
魔法陣の階級について
魔法陣はその大きさによって階級分けされ、個人の素質の判断材料の一つとなる。階級分けの方法は国によって異なるが、日本では12個の階級に分けられている。各階級には十二支の名前がついており、その順番は小さいほうから、子、卯、未、酉、申、巳、戌、亥、丑、午、寅、辰となっている。例えば、最も一般的な火属性の魔術である『種火』の魔法陣は円一つのみであり、その階級は子である。
魔法陣の階級と個人の素質
日本では、ある個人がある属性の魔術を発動する資質を【位階】で表している。位階は0と1~5の6段階に分けられており、0は素質無しとされる。1から5にはそれぞれ魔法陣の階級が対応しており、おおよそ次の表のようになっている。
位階:対応する魔法陣の階級
0:階級子の魔法陣を0.5秒以内に無意識に形成し魔術を発動できる
1:階級卯、未の魔法陣を0.5秒以内に無意識に形成し魔術を発動できる
2:階級酉、申の魔法陣を0.5秒以内に無意識に形成し魔術を発動できる
3:階級巳、戌の魔法陣を0.5秒以内に無意識に形成し魔術を発動できる
4:階級亥、丑の魔法陣を0.5秒以内に無意識に形成し魔術を発動できる
5:階級午、寅の魔法陣を0.5秒以内に無意識に形成し魔術を発動できる
/:階級辰の魔法陣を0.5秒以内に無意識に形成し魔術を発動できる
表からわかる通り、位階に対応している部分は「魔術の発動ができるか」ではなく、「見本なしに0.5秒数以内に魔術を発動できるか」である。理論上は十分な魔力と時間さえあれば位階0でも階級辰の魔法陣を用いた魔術を発動できるということになる。
(余談)位階と魔力の偏位
現代の日本では5歳になった時に魔力量を、10歳になった時に位階を測定することが義務付けられている。当然10歳までの間に(義務教育では)魔術を教えることはない。そのため、この時のみ別の手段で位階を測定している。それは魔力の偏位のしやすさである。魔力は基本定常状態であると先述したが、それは人間の体内においても同じである。そのため魔術を発動するためには魔力を偏位させなければならない。このとき、偏位の前後で魔力のロスが発生する。この変換効率を位階に当てはめているわけである。
位階:変換効率(小数点以下四捨五入)
0:0~69%
1:70~74%
2:75~79%
3:80~84%
4:85~90%
5:90~94%
/:95%以上
変換効率95%以上の人間は日本では観測史上まだ表れていない。また、変換効率は努力次第で少しだけ伸ばせるため、位階0のなかでも60%以上の人間にはまだ希望が残されている。