魔力について
魔力について
この世界には【魔力】というエネルギーが存在する。魔力は普遍的なエネルギーの一つであり、それを用いてある規則に沿った事象を引き起こすことができる。この行為全体を【魔術】とよび、使用される規則を【魔法陣】とよぶ。現代で主流となっている魔術は【近代(式)魔術】とよばれており、ある程度個人の素質に左右されるものの、基本的に全人類が習得可能であるという特徴がある。一方で、個人の素質に強く影響されるが、近代式魔術よりも高い自由度で事象を引き起こす魔術が数種類存在する。これらは総称して【古代魔術】とよばれ、その多くが一子相伝や門外不出の秘術である。今後魔術という単語を用いた場合、それは近代魔術のことを指す。
魔術について
先述の通り、魔術とは魔力をエネルギー源とし、魔法陣に沿ってある事象を引き起こす技術のことである。具体的な例を挙げる前に、まず魔力の性質について述べる。
魔力は世界のあらゆる場所に遍在し、常に消費と生産によって循環している。魔力のもととなる【魔素】のついては日夜議論が重ねられているが、未だにその正体は不明である。地球から観測可能な範囲において、最も魔力を生産しているものは太陽であり、その生産量は1秒間に1京Mである。Mは魔力量の単位であり、10Mは10等級の標準的な魔術を発動する際に必要な魔力である。なお、魔力を生産しているのは太陽だけではなく、何らかのエネルギーが生じる反応の際には必ず魔力が生産され、時には消費される。
魔力には定常状態と偏位状態があり、魔術ではこれを【属性】として区別する。定常状態は自然界に存在する状態である。この状態の魔力は比較的安定しているため、魔術に用いることが難しい。そのため、この属性は【無属性】と定義された。偏位状態は魔力の質が何かに偏った状態のことであり、この状態は不安定なため、容易に魔術に用いることが可能である。偏位状態の魔力の属性は、その魔力が用いられる魔術の属性の名でよばれる。
魔術の属性について
魔術の属性は主に8+1つに分けられる。具体的には、火、水、木、光、風、雷、土、闇+無である。ややこしいことに、この無属性は先述の定常状態ではなく、偏位状態の無属性を表している。このような名前が付けられた背景には二度の世界大戦が大きく関わってくるが、その説明は後述させてもらう。
無属性はつまるところ、他の8属性以外の属性全てを表している。それぞれの詳しい説明は各項にて行うものとする。