アイシェとローソンと共闘
すみません、今回いつもより短いです。
あと、アイシェ視点が続きます。
「それで、この後はどうする」
「そうですね、とりあえず今はここで安全を確保しつつ、次に他の剣聖の位置が把握できるタイミングまで、マップを確認しましょう」
ローソンさんの問いかけに私は答える。私の返答に納得いった様子で頷くローソンさん。
しばらく周りを警戒しつつ、マップを確認する。
「この感じ、交戦中でしょうか」
「かもしれないな」
マップ上に剣聖の位置が映ると、私達を除く他二名の剣聖の位置が交わっているのを確認できた。
「どうする?」
「……残りの剣聖は酒乱樽の剣聖と鉄砂の剣聖ですよね、両方とも範囲攻撃を得意とする剣聖です。巻き込まれないよう、注意したいです」
「ふむ、それで?」
「とはいえ、場合によってはこれは好機です。漁夫の利を得られる可能性もあります」
「確かに、そうだな」
「ですので、範囲攻撃に注意しつつ、まずは様子を見に行きたいと思います」
「承知した」
実際のところ他にも理由は山ほどある、私達は交戦してないが点が交じっていたし、そういう意味ではあちらも共闘するつもりかもしれない。
だとしたら、範囲攻撃、および遠距離攻撃で先手を取られるより、こちらから様子を見に行った方がいいはずだ。
「……もうすぐ交戦しているであろう位置、ですね」
「あぁ、だが、妙だな」
「はい」
交戦しているはずの二人、その気配も、様子もない。あまりにも静かすぎる。
「共闘するつもりで、待ち構えているのでしょうか?」
「可能性はあるが――」
ローソンさんが何かを言いかけた瞬間。
「出てきてくれるかな? 魔王殺しと、料理剣聖さん」
「可能性、これは失敗だったな」
「え」
どういうことだろう、失敗? なにが? というか「だった」って……。
「出てこないつもりかな。それならこちらから先制させてもらおう。酒乱樽!!」
「っ!!」
剣聖が酒乱樽を振り下ろし、それに合わせて霧が襲い掛かってくる。
範囲は広い、吸ったら恐らく終わりだろう。だとしたら……。
「すまない、私はここまでのようだ」
「え、どういう意味ですか」
「自傷程度では済まないという意味だ」
「はい??」
何を言って……。
「トコロテゥエン!!」
「なっ――」
ローソンさんは急に、迫りくる霧に……ではなく、私に剣を向けた。
突然のことだった。油断していたつもりはなかったのに、私はこれを、回避できなかった。
「ぐ……つ……なん、で」
「これが、最善手だからだ」
「…………」
私の意識は遠のく。こんなところで……終わるわけ……に…………は…………。
私は、まだ、やれたはずだった。そう後悔の念を抱きながら、私の意識は闇に落ちた。
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