レイナと開会と美魔女王
「それでは、こちらへどうぞ」
アイシェ共々呼び出されてから城内を歩くこと数分、ひときわ大きな扉の前で入室を促される。
中に入ると、そこにはすでにすべての剣聖と、多分私とサロスみたいな、剣聖付きの旅の仲間達がいた。
「それではこれより、開会式を執り行います」
ついに始まるんだねぇ、剣聖戦。楽しみだなぁ。
「ここから先の様子は、魔道具にて全世界に投影されます」
おぉ、凄いね、つい感嘆の声が漏れるところだったよ。
「それではまず、魔帝都の王、美魔女王陛下にご登壇頂きましょう」
美魔女王。それがこの唯一生存圏として許された魔族の国の王の称号かあ。
女王ってくらいだから、女の魔王なんだね。
「美魔女王、オネである。これから剣聖たちには――」
「おおぅ」
美魔女王オネ、凄く華美な感じだ。
でも私が声を漏らしたのは、そこじゃない。
オネさん、美人なお姉さんっていうより、雄姉さんだ。
これは何というか、うん、性別でどうこう言う気はないけど、なかなかに斬新だ。
「以上をもって、開会とする」
「美魔女王陛下、ありがとうございました。それでは早速、戦いの舞台となる会場へ転送いたします。よろしいですね?」
もう開始するんだね、アイシェは……大丈夫そうだね。
ルールとかはどうなってるんだろう。私が考え事している間に魔王が語ってたのかな?
「行ってきます、レイナさん」
「うん、頑張って」
「無理はするなよ」
「するわよ。国の命運がかかってるんだから」
「そ、そうだな……」
「あははは」
サロスの想いは中々届かないね。笑ったら可哀そうだけど、ちょっと面白い。
「行ってらっしゃい。アイシェ」
「はい!」
アイシェは元気よく返事をすると、転送陣に向かう。魔法陣で飛ぶんだねえ。
「それでは、各転送陣から飛んだ直後から、剣聖戦がスタートします」
本当にもう始まるんだ。楽しみだけど、緊張してきたなあ。
「それでは、転送!」
その言葉に合わせて、剣聖たちが転送されていく。
……あれ? なんか見覚えのあるような顔が数人。
なんで数人も私が剣聖の顔を知っているのか、よくわからないけど、それでも何人か見覚えがある気がした。
「それではここから先、剣聖戦の様子はモニターの方で確認いただきましょう」
「おー」
これは便利だねえ。モニターで見れるなんて。
「アイシェ、大丈夫でしょうか」
「大丈夫じゃない? まあ負けても、なんかあったら私がひっくり返すよ」
「それは……できれば遠慮したいですが」
「そ?」
だって、他国を侵略しようって国もあるんだよね。そしたらなんかあったら私がひと暴れしてみるのも手かもしれない。
まあ、アイシェが負ける時点で、その剣聖も私並みに強い可能性、あるんだけど。
「楽しみだなぁ」
「師匠は前向きですね」
「そかなあ」
さてさて、剣聖戦、どんな展開になるのかな。
私はわくわくしながら、モニターに目を移した。
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