レイナと魔帝都と剣聖戦
「ついに到着しちゃったね、魔帝都」
「そうですね」
私達は国同士の戦争の代理戦となる、剣聖戦に出場するため、魔帝都を目指し旅をしてきた。
そしてついに、魔帝都に到着した。
景色は意外、人の住む町と変わらない。違うのは魔族が多いというか、ほぼほぼ魔族ということくらい。
でも、よそ者である私達が周りからやらたと見られたりはしない。皆自然に暮らしている。
「いい街だねえ」
「そう、ですね」
「……はい」
流石によそ者過ぎる私的にはいい街だけど、二人にとっては魔族の街だ。いい街とは言いにくいのかな。
「さて、剣聖戦に参加するには、どうすればいいのかな」
「魔帝都城に行って、参加表明すればいいはずです」
「ほほう」
でもそれって、国の代表かどうかってどうやって判別するんだろうね。
「ちゃんと通れるかな」
「大丈夫ですよ、行けば分かります」
「そういうものかなぁ」
こんなところで問題起こしたら大変そうだから、何事もなく済めばいいなあ。
そんなことを思いながら、やってきました城門。
「ステータスカードを」
「はい」
「おお」
そういえばそんな便利な証明書あったね。そっかあ。
「剣聖、アイシェ様ですね。お待ちしておりました。中へどうぞ」
「はい」
剣聖として認められたってことかな。中に入っていいって言われたけど。
中に入ってどうするとか、これ、聞いていい流れ?
「あの」
「なんでしょう」
「中に入って。どうすれば?」
「今案内の者を付けますので、少々お待ちください」
「そうなんですね、ありがどうございます」
どうやら案内人がつくみたいだ。よかったー。
「それでは、アイシェ様、お供の方々、ご案内いたします」
「はい」
案内人さんの言葉に、アイシェが返事をする。
ここではアイシェがリーダーだ。うん、私はお供だよ!
そんなわけで、案内人さんに付いて行くこと十数分。
「こちらの部屋がアイシェ様のお部屋でございます」
「私達は?」
「お供の方々はお隣の部屋を一つづつお使いください」
「おぉ」
お供にも部屋が一つづつ、なんて大盤振る舞いな。
「それじゃ私は右隣の部屋にしよっと」
「では俺は左隣を」
「とはいえ今から別々の部屋に入る意味もないかと」
「だよねぇ」
寝る時くらいかなあ、別の部屋使うのは。
「それで、この後は?」
「他の剣聖の方は揃っていますので、後ほど玉座の間で開会式を行います」
「おぉ。もうなんだね」
「すべての剣聖が揃い次第、開始することになっていますから」
「そうなんだ」
へぇ、じゃあ私達が最後だったわけだ。
「それではしばらく、こちらでお待ちください」
「はーい」
というわけで、私達はアイシェの部屋で三人、待つことにした。
「楽しみだなぁ、剣聖戦」
「楽しみって……代理とはいえ、戦争ですよ?」
「まあ、そうなんだけど」
なんか私の中ではちょっとしたお祭りみたいなイメージだ。街中もそんな印象を受けたし。
「それで、剣聖なんだけど」
「なんですか、師匠」
「まだ知らない剣聖が何人かいるから何か情報ないかなって」
「聞いた話程度でよければ」
「全然問題ないよ」
「では――」
そこからしばらく、剣聖についての情報をサロスから聞いて、呼び出しを待った。
そして。
「アイシェ様、玉座の間へお越しください」
「はい」
「ついにかあ」
ついに、剣聖戦が始まる。
楽しみだなぁ……。
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