レイナと砂嵐と砂の町
「今度は砂嵐かあ」
リバーシやチェスで遊んで数時間、ようやく外が砂漠らしさを取り戻したころ。
今度は砂嵐で足止めをくらっていた。
「レイナさん、何とかなりませんか」
「何とかって言われても」
なんとか、ねぇ。
「砂嵐を止める方法かぁ、何かあるかなぁ」
ちょっと考えてみる……うーん。目の前に迫る砂嵐を家の窓から覗く。
あ。そっか、砂嵐がなければいいんだ。
「ちょっとまってね、やってみたいことがあるから」
「? はい」
私は家の外に出て、砂嵐に向かう。
そして。
「マナシールド」
本来自分に使う、マナを依り代とした結界、バリアともいうようなものを砂嵐に張ってみる。
「うん、出てこないね、で、これを……」
今度はマナシールドを調整して、小さくしてみる。
うん、うんうん、よしよし。
「できた!」
マナシールドに包まれた砂嵐は、圧縮されたマナシールドと共に消えた。
「アイシェ、成功したよ」
「流石です、レイナさん」
「師匠は自然現象にも勝てるんですね……」
これって勝ち負けとかなのかな……まあどっちでもいいけど。
とりあえずこれで先に進めるね。
「じゃ、準備したら行こうか」
「「はい」」
そんなわけで、弟子二人と準備をして、さっさと家を出る私達。
また砂嵐が起きないとも限らない。すぐに移動するにこしたことはない。
「で、やってきましたここはどこ?」
「砂の町、シューガンですね」
「しゅーがん」
変わった名前だ。適当な語呂でつけた名前かもしれないね。
「で、この町は何がおいしいのかな」
「レイナさん、早速買い食いする気ですね」
「ダメ?」
「いえ、行きましょう」
「二人とも、何の話だ?」
私とアイシェがいつも通り、初めてきた町の楽しみ、特産品買い食い歩きを始めようとすると、サロスが疑問の声を上げる。
「初めてきた町だからね、情報収集だよ」
「なるほど、それは大事ですね」
「それではまず、あのお店から行きましょう」
「そだね、ごめんくださーい」
この後、私達はこの町の特産品を食べ漁り、その様を見たサロスに呆れられた。
ちなみに一番おいしく感じたのはスパイシースティックという、特別な香辛料を使った野菜スティックだ。
なかなか斬新で面白い味と食感だった。
「師匠、そろそろ宿を」
「あ、そだね」
といっても、宿に泊まるくらいなら転移でアイシェの家族が待つ家に戻った方がいい。
なので。
「じゃ、一旦町のはずれまでいこっか」
というわけで、町のはずれに移動。そして転移を使ってまた移動。
「ただいまー!」
「レイナさん、それにアイシェ、サロス様、おかえりなさい」
私が元気よく挨拶すると、アイシェのお母さまが出迎えてくれた。
さてさて、ここでゆっくりして、明日にはまた旅の続きだ。
帰ってこれる家があるっていいね!
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