レイナと家族とネット通販
「今更だけど、ネット使えるんだよね」
「ねっとですか?」
アイシェの家族を城から連れだしてすぐ。私はなんとなくそう思った。
「この前は……何に使ったっけ。この世界を調べるのに使ったような」
「そうですね、多分、エルフの国を探すのに使ったかと」
「ああ、それだ」
そうそう、そんなだった。その時になんだけど。
「Amaz〇nが使えたんだよねぇ」
「あまぞん」
そうつまり、多分だけど、ネットショッピングができる。いや、できるのかな? どうかな。
「というわけで、やってみようかと」
「はあ」
てなわけで、私はアイシェ達と共に王都の郊外の森に入る。
「ここで何を?」
「ん、家を建ててアイシェの家族を匿おうかと」
流石にこのまま放置しては行けないので、結界付きの家で囲ってからにしないとね。
ネットショッピングもゆっくり試したいし。家は必要だ。
「てなわけで、クリエイトっと」
サクサクっと魔法で家を作る。アイシェの家族を守る家だから、アダマンタイトを使ったカッチカチの家にする。扉は魔法で軽くしておくけどね。そのままだと重いし。
「しばらくは……アイシェと私達が今回の旅を終えるまではここで暮らしてください」
「はい……レイナさん、ごめんなさい、巻き込んでしまって」
「いえいえ、私が首突っ込んだばかりに……ごめんなさい」
正直あのままアイシェが言うこと聞いてれば、これをする必要はなかった。
かといって、黙ってみてられなかったのだから、うん、ごめん。
「さて、私はネットを試すね」
「あ、はい」
というわけで……Amaz〇nを開く。
「これ、全部値段がこっちの世界の貨幣になってる」
なんて便利なんだろう。これなら買える。お支払い方法は?
「チャージかあ。どうやって?」
そう思って色々いじっていると、何かのボックスが出てきた。
『硬貨を投入してください』
「おぉ」
これなら簡単にチャージできる。せっかくなのでお金を多めにツッコんじゃおう。
「でもって。必須家電を買って。これとこれとあれとそれと……」
私はこの後、しばらくこの世界で使えそうな……使えるのかな。便利そうな家電を複数購入してみた。
「で。電気がない、と」
家電だからね、それはまあ、必要だよね。
そう思ったんだけど……。
「……ルーン。無限エネルギー」
現実の家電にどの程度耐久性があるかわからないけど、ルーンを刻んでみた。
すると。
「お、動く」
どうやら行けたようだ。無限エネルギーなんてすさまじく負担がかかりそうだけど、流石日本製。安心と安全の品質。
「さてさて、これで、後は……」
私は大量の家電を家に設置する。アイシェ達が不思議そうに見てたけど、とりあえず設置する。
そして。
「家電説明会~」
「えっと、はい。なんでしょう」
アイシェが私の唐突な招集にいち早く応じる。
そしてそれを見たサロスとお母さんと妹さんが応じる。
「これから今設置した家電の使い方を説明します」
「家電とは何ですか?」
「家で使う、電気で動く便利な道具かな」
めちゃめちゃ雑かつ、多分違う説明をしている私。まあ、使えればいいよね。
「説明書はこちらになります」
「説明会とはいったい……」
アイシェの言葉に確かに、と思う。これ読めば一発じゃん。
「えっとつまり、この大きな箱は、れーぞーこというんですね」
「冷蔵庫ね。いろんな食品とかを保管する場所だよ。冷たくなるけど、その分長持ちするからね」
「なるほど」
そのあとも、電子レンジ、洗濯機、色々紹介した。
「で、これを使ってしばらく楽な生活してください」
「確かに、これは生活が楽になりますけど……」
そういいながら何か、不安そうにするお母さん。どしたのかな。
「あの、食材とかは……」
「あ」
Amaz〇nって食材は……うーん。
「ネットスーパーとかあるかな」
見てみる。あるね。
「こちらにご用意しました」
「これは?」
「お惣菜とか、肉とか、野菜、魚も」
「どこから出してきたんですか?」
「今買った」
「……レイナさんって相変わらずよくわからない能力持ってますよね……」
「あはははは」
まあ、ね。異世界チートだからね。
「さて、後は……」
「後は?」
「食事とって、あ、ベッドも買おう」
思い付きでしゃべる。めちゃくちゃである。
「食べたら寝る。それもいい環境でね」
「レイナさんも住むんですか?」
「私達も、かな」
「??」
アイシェのお母さんと妹さんだけ、不思議そうにする。
「転移魔法でいつでも戻ってこれるので、ここで宿泊すれば家族で一緒の時間も過ごせますからね」
「転移魔法……そのようなお力もお持ちなのですね」
「まあ、ハイエルフなんで」
実際はプレイヤーならだれでもって感じだけどね。
「さて、これで準備もできたね」
「私の家族の為に、ありがとうございます」
「いやあ。アイシェは私の妹みたいなもんだし、可愛い妹の為だからね」
アイシェが妹なら、その家族もまた、私の家族みたいなものだ。
「家族は大事だよねぇ」
「そうですね、大事です」
ホント……大事だよね。
まあ、私には叔父さんくらいしかいなかったけど。叔父さん、元気かな。
「さーて、それじゃ夕飯でも食べて、寝て、明日の朝出発しよう」
「はい、レイナさん」
とまあ、そんなわけで。
私達は久しぶりの家族での食事をとり。
翌朝。剣聖戦に出る為の、魔帝都を目指す旅に出るのであった。
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