レイナと瓦礫と竜災
「わあお」
「驚き方が軽いですね……」
魔導都市レイナールを目指す旅の途中、瓦礫と化した町を見つけた。
それを見た私の感想が今の一言だったわけだけど。
「まあね、生体反応は一部に集まってるから、きっとギルドにでも居るんだよ」
「そうなんですか? それにしても軽い反応ですけど」
まあ確かに、このひどい有様に「わあお」はなかったかもしれないね。
「さて、何があったのか確認しないとね」
「そうですね、人助けの予感がします」
「うーん、そういうことではないんだけど」
別に人助けがしたいから確認するわけではない。この町の名物料理とかあったら、食べたかったなとか思って、アイシェじゃないけど、この一件を片付けたら料理の一つでも奢って貰えるかも、とか。思っただけである。
「で、ギルドだけ無事なシュールな絵面」
「しゅーる?」
「こっちの話―」
横文字は相変わらず通じ難いようだ。
「こんにちわー」
「挨拶軽いですね」
「むしろ他に挨拶ある?」
確かに軽いんだけど、この惨状にあった挨拶って何??
「冒険者の方ですか?」
「はい」
「女性二人で?」
「はい」
「……そうですか、一応ランクを確認しても?」
というか、この話のとんとん拍子感からして、この方ギルドの職員でいいんだよね?
「その前に自己紹介しませんか? いきなり個人情報晒すのも……」
「そう、ですね。私はこのギルドの受付件ギルマスのシャランです」
「私は冒険者のレイナです。ランクはSです」
「同じくランクSのアイシェです」
「ランクS!!」
私とアイシェのランクに驚くシャランさん。
まあ、珍しいらしいからねえ。
「それではこの竜災を見て駆けつけてくださったのですね?」
「ちが」
「はい!」
「……はい」
わたしより早くアイシェが答えちゃったので、しかたなく乗っとくことにした。
アイシェ、本当に正義感の強い子である。
「それでは早速今回の竜災の話を……応接室にご案内しますね」
「はーい」
ということで、応接室に通された私達。
「それで、情報なんですけど」
「はい。フレイムドラゴンはここ数日、毎日この町を襲いに来ては数件の建物を倒壊させて住人を襲い、山に帰っていくというのを繰り返して居ます」
「そういう習性なのかな」
「わかりません。ですがフレイムドラゴンは過去、魔王の四天王の一角だったとされる程の魔物です」
「え」
それって私が倒していい案件なのかな? これって勇者のお仕事じゃない?
「それなら勇者様のお仕事では?」
私が聞きたかったことをアイシェが聞いてくれる。
「はい、ですが勇者様は今他の四天王達を相手取って苦戦を強いられているとのことですので、フレイムドラゴン一体の為にここまで来て頂くことは難しいのです」
「なるほど」
サロス達は苦労しているらしい。四天王『達』を相手にって言うからには同時に攻めて来たってところかな。
これが物語なら一人づつ相手にすればいいだけなんだけどね、そうもいかなかったようだ。
「そういうわけで、冒険者でも実力のある者にドラゴンの討伐を頼んだのですが……」
「うん? 何か問題でも?」
ですが、ってことは何かあったってことだよね。
「まず、ドラゴンを相手取ることを恐れたのか、殆どの冒険者は拠点をこの町から他の町に変えてしまいました。そして先日の話ですがB級の冒険者が立ち寄りまして、フレイムドラゴンの話を聞くと『ドラゴンスレイヤーになってやる!』と意気込んで山に向かってしまったようで……」
「うわあ」
それは酷い、自殺行為だ。というか何ならその所為でドラゴンが怒って町に八つ当たりでもすればさらに被害は広がる。
「ですのでどうか、そのパーティより先にドラゴンを討伐して欲しいのです」
「山までは距離があるし、まだ追いつけるかもね。やってみるよ」
「ありがとうございます!」
受付のお姉さんのお礼の言葉を受け取ってから、私達はギルドを後にした。
「さて、ユニコでかっ飛ばすけどいいよね?」
「はい、いつでも準備は万全ですから」
さて、それじゃあ四天王一角、フレイムドラゴンの討伐開始だね。
あー、報酬の交渉、忘れてたなぁ……。
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