表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/137

レイナと本選と二回戦

「今日も朝からさわやかな気分! さあて、今日は二回戦目かあ」


 いつも通りの朝、今日も元気に朝を迎えられた喜びをかみしめながら、今日は二回戦目の行われる朝だと一人つぶやく。


「おはようございますレイナさん、気持ちのいい朝ですね」

「おはようアイシェ、そうだね、気持ちのいい朝だね!」


 どうやら起きていたらしいアイシェと朝の挨拶を済ませる。


「二回戦は午後からでしたか」

「そだね。朝食を取ってからだらっと向かったらいい感じじゃないかな」


 開始が午後からだけど、受付は10時からだった。待機時間が長い気はするけど、まあ、あちらにも都合があるのだろう。


「それでは、まずは食堂に行きましょうか」

「そだね」


 というわけで、私とアイシェは宿の食堂に行き、朝食を済ませることに。

 朝はパンとスープだったよ。軽食だね。


「さて、食事も済ませたし、いこっか」

「そうですね」


 私とアイシェは軽い食事を済ませると、早速昨日も行った会場に向かう。

 道中ちらちらと見られるのは一回戦目で顔が知られたってところなのかな??

 それとも屋台の時のお客さんかな。


「さて、着いたね」

「はい。それではレイナさん、ご武運を」

「うん。ありがと」


 さて、それじゃあ私は待合室にでもいきますかね。

 そして待合室にはいると、居るわ居るわ、料理人の面々。

 この前の二人は中華風だったけど、こうしてみると和風な方もいらっしゃったりする。

 本当にいろんな国から出場者が集まっているみたいだね?


「さて、後は自分の番までゆっくりしますか」


 というわけで、待つこと一時間ほど、ようやく二回戦が始まる時間だ。


「さてさて、私の対戦相手は誰だったかな」


 しばらく待つ間、ずっと何を作るかを考えていた。

 結果的には私は早くて美味しいものをチョイスしたつもりだ。

 でも相手もどうかな、二回戦、しかも一回戦のようなアクシデントが期待できない相手ともなると、なかなかの強者が出てきそうだ。

 そう思っていると、待機室のドアがノックされる。ようやく出番のようだね。


「第二回戦、レイナ選手と和選手、どうぞ!」

「ほほう」


 私の対戦相手はなごみさんっていうんだね。トーナメント形式なのに相手の名前も確認していない私は、今名前を知ったよ。


「よろしくお願いします、流星の魔女さん」

「あ、はい」


 和風美人な和さんに声をかけられる。うん、なんでみんな私の魔女としての名前知ってるのかな。

 誰かに言いふらされたりしてたっけ??

 まあいっか。とりあえず私は、呼ばれたので係員について、会場に向かう。


「さて、今日もいっちょ頑張りますか!」


 私は案内されたテーブルに着くと、ちょっと気合を入れる。


「さあ、始まりました第二回戦! その中でも注目のカード! 皆さんご存じ流星の魔女レイナ様! 対するは、遥か東の国からやってきた、イタマエの和だ!!」

「なんで私は様付けなの……」


 なんか違和感あるね? まあいいけど。

 さて、相手は、もう準備して……え?

 私はそこに準備されているものを見て、驚く。

 あれ、マグロだ。


「さあ、それでは張り切っていきましょう! 用意!! 始めー!!!」

「おおっと」


 私も私で頑張らないと、サクサク調理しないとね?

 私は卵やネギ、お肉を取り出す。

 お肉は……これアリなのかな。加工済みのチャーシューだ。


「刻んで刻んで、卵を溶いて、炒めて味付け味付けっと」


 さて、こんなもんかな。

 私はサクサクっとスキルで加工しつつ、料理を済ませ、さて審査員に持っていこう……そう思った。

 この時点で私は、自分はサクッとできた、そう思っていた。でも。


「さあレイナ選手も料理が完成したようだ! しかし、まずは和選手の料理の実食だ!!」

「早くない?!」


 流石に二回戦目の相手とでもいうべきか、恐ろしいスピードで仕上げていたようだ。


「マグロを使った料理でこんなに早い……一体何だろう」


 ちょっと気になり、遠目によくよく観察する、すると……。


「刺身?」


 なるほど、あれなら美味しく食べられて、なおかつ素早く準備できる。

 これは一本取られたね?


「さあ、審査員の採点は?!」


 私はちょっと心配しながら見守る。なぜなら一回目から満点だしちゃうような審査員だからだ。ここでも悪い意味で満点を出されかねない。


「皆さん基本、スピードは満点ですね! ですが? 味はまばらに平均3点。満足度は2点ほどだ!!」

「「うそ」」


 私と和さんの声が被った。

 え、辛口すぎない?


「まあ、この町は港町ですからねえ、生魚は食べなれていますからね」

「そうねえ、それにこれ」

「うむ、魚を捌いているだけで、料理かと言われると……」

「もうすこし手を加えてほしかったですな」

「えぇ」


 結構厳しいこというね……こわ。


「対するレイナ選手、今回はどんな料理を作ったのか?!」

「は、はい。炒飯です」

「ほほう」


 審査員の目が光る。さて、どんな点数を出されるのやら。


「さて、それでは早速……」

「うんめぇ!」

「これは! なんだってんだ!」

「味の革命よ!!」

「えぇ?」


 さっきまでの酷評が嘘のように、みんな喜んでがつがつと食べる。


「炒飯、中央国にある料理として、聞いたことはあったが……」

「これは美味い」

「私は以前中央国で食べたけど、ここまでの味ではなかったわ」


 うん、これは、反応だけ見てわかるやつだね。

 多分勝ったね、和さんには悪いけど。


「さて、採点は?!」


 スピードに関しては和さんに負けたからか、オール4点。

 それ以外で、味の採点は5点、満足度も5点。

 結果オール14点となった。


「これにて第二回戦終了!! 勝者はレイナ選手だー!!」

「「おぉーーー!!!」」

「あはははは」


 なんか、うん、今回もちょっとしたラッキーで勝った感あるけど。

 とにもかくにも、こうして、私の第二回戦は勝利で幕を閉じることができた。

 さて、三回戦は何を作ろうかな……?

ご読了ありがとうございます!


ブックマーク、評価、コメント等頂けますと励みになります!


次回更新は不定期ですが、書け次第更新とさせていただきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ